最終更新:2026年9月1日
この記事の結論(Summary)
- 「留学生の就職先」とは、留学の在留資格から就労の在留資格へ変えて働き始める先のことです。去年、39,766人が変えました。
- ネパールは3,909人、ベトナムは8,484人。国籍で閉まっている扉ではありません。
- それでも「無い」と見えるのは、東京が42.4%を占めているからです。
- でも関西にもあります。近畿だけで年7,754人分。大阪と兵庫を足すと約5,900人分です。
- 決まっているのは、従業員100人未満の会社が55.8%。名前を知っている会社にはほとんどありません。
- 職種も4つに寄っています。翻訳・通訳、情報処理、管理業務、海外取引で35.4%。
- 給料は正直に書きます。月20万円未満が25.7%です。
- いちばん近い国の窓口は、阪急梅田の真上にあります。新幹線は要りません。
求人サイトを開いて、条件を入れて、出てこない。学校の掲示板を見ても、自分に関係のあるものが無い。まわりの先輩も決まっていない。だから「留学生に就職先は無い」と思う。
その感覚は、半分だけ当たっています。数字を先に出します。
留学生の就職先とは?——去年39,766人が在留資格を変えました
留学生が日本で働き始めるには、在留資格を「留学」から働ける資格に変えます。出入国在留管理庁は、その申請と結果を毎年公表しています。
令和6年は、申請41,142件のうち39,766人が許可されました。許可率96.7%です。
国籍別に見ると、中国14,511人、ベトナム8,484人、ネパール3,909人、韓国1,688人、インドネシア1,331人。この5か国で全体の75.2%を占めます。
10年前は年10,969人でした。いまはその3.6倍です。許可率も96.7%で、落ちるのは30人に1人。制度の側は、閉まっていません。
それでも「無い」と見えるのは、東京に集まっているからです
就職先の所在地を見ると、こうなっています。

東京都42.4%、大阪府12.2%、神奈川県5.6%。関東だけで59.3%です。求人サイトで検索して東京ばかり出てくるのは、実際にそうだからです。
ここで多くの人が「自分の住んでいる場所には無い」と結論します。でも、その前に見る数字があります。
関西には、年7,754人分あります
| 場所 | 割合 | 人数(年) |
|---|---|---|
| 東京都 | 42.4% | 約16,861人 |
| 大阪府 | 12.2% | 約4,851人 |
| 兵庫県 | 2.7% | 約1,074人 |
| 京都府 | 2.7% | 約1,074人 |
| 近畿 計 | 19.5% | 約7,754人 |
大阪と兵庫を足すと約5,900人分。神戸・西宮・尼崎から大阪へは、電車で15分から30分です。通える範囲に、年5,900人分あります。
東京へ職探しに行くには、往復の交通費と宿代が要ります。生活費だけで月19万9千円かかる中から、それを貯めるのは簡単ではありません。関西で探すなら、その費用は要りません。
もちろん東京のほうが数は多い。ただ「東京に行かないと就職できない」は、この数字からは出てきません。
決まっているのは、名前を知らない会社です
ここが、いちばん誤解されているところだと思います。
- 従業員1〜49人の会社に就職した人が40.9%
- 100人未満まで広げると55.8%
- 資本金500万円以下の会社が27.3%
半分以上が、社員100人に満たない会社です。テレビで見る会社でも、母国で名前を聞く会社でもありません。知っている会社の名前で探しているかぎり、見つかりません。
業種は非製造業が86.4%。いちばん多いのは小売業10.2%、次いで情報通信業9.3%です。
職種も、4つに寄っています

職務内容の上位は、翻訳・通訳12.5%、情報処理・通信技術9.5%、管理業務8.7%、海外取引業務4.7%。この4つで全体の35.4%です。
逆に言うと、この4つに自分を寄せられるかどうかで、見つかる数が変わります。日本語ができるなら翻訳・通訳と海外取引。漢字と読み書きを上げると、そのまま選べる仕事が増えます。
給料は、正直に書きます
月額報酬は、20万円以上25万円未満が46.1%でいちばん多く、次いで20万円未満が25.7%、25万円以上30万円未満が17.9%です。
4人に1人が月20万円未満で始めています。楽ではありません。ただ、週28時間のアルバイトの上限は月137,312円です。20万円でも、そこから月6万円以上増えます。
そして就職すると勤務先の社会保険に入るので、手取りの落ち方は学生時代より大きくなります。額面だけで比べないでください。
専門学校からも、4人に1人が就職しています
最終学歴の内訳です。
- 大学 44.7%
- 専修学校 24.5%
- 大学院(修士19.7%・博士4.4%)
- 短期大学 2.7%/その他 4.1%
専門学校を出て就職している人が、4人に1人います。大学・大学院の合計68.7%には及びませんが、専門学校ルートは実在します。
ただし条件があります。技術・人文知識・国際業務の在留資格を取るには、専門学校卒の場合「専門士」または「高度専門士」の称号が必要です。文部科学省によれば、専門士は修業年限2年以上・総授業時数1,700単位時間以上などの要件を満たし、文部科学大臣が認めた課程の修了者に付きます。
日本語学校は専門学校ではないので、専門士は付きません。日本語学校を出ただけでは、この資格は取れません。進路を決める前に、ここを知っておいてください。
いちばん近い窓口は、阪急梅田の真上にあります
厚生労働省は、外国人雇用サービスセンターを東京・名古屋・大阪・福岡の4か所に置いています。留学生への情報提供、就職ガイダンス、インターンシップ、就職面接会を行う拠点です。
大阪外国人雇用サービスセンター
〒530-0017 大阪市北区角田町8-47 阪急グランドビル16階
阪急梅田駅の上のビルです。神戸線・宝塚線・京都線のどこからでも、乗り換えなしで着きます。西宮北口からなら15分ほど、片道300円ほど。新幹線もホテルも要りません。
在学中から使えます。日本語学校の1年目でも、専門学校の1年目でも、就職ガイダンスは受けられます。
終わりの判断——今日やること
いま在学している場所によって、次の一手が違います。
日本語学校に通っている人
- 大阪外国人雇用サービスセンターに電話して、就職ガイダンスの日程を聞く。進路を決める前に行く
- 専門学校を検討するなら、その課程に専門士が付くかを学校に確認する。付かない課程がある
- 出席率を落とさない。就労ビザの審査で見られます
専門学校に通っている人
- 同じ窓口へ。面接会は在学中に出るものです。卒業してからでは遅い
- 求人は会社の名前で探さない。職種で探す。翻訳・通訳、情報処理、管理業務、海外取引の4つが全体の35.4%
- 大阪府と兵庫県に絞って探す。東京の求人を見て落ち込む時間を減らす
どちらの場合も、動く先は同じ場所です。電車代300円で、今週のうちに行けます。
よくある質問(FAQ)
Q. 留学生の就職先は、本当にあるのですか。
あります。令和6年に39,766人が留学から就労の在留資格へ変更を許可されました。ネパール3,909人、ベトナム8,484人です。10年前の3.6倍で、許可率は96.7%です。
Q. 東京に行かないと就職できませんか。
そんなことはありません。東京都は42.4%ですが、近畿にも19.5%(年約7,754人分)あります。大阪府12.2%と兵庫県2.7%を足すと約5,900人分で、神戸・西宮からは電車で通える範囲です。
Q. 求人サイトで探しても出てきません。
就職先の55.8%が従業員100人未満の会社です。知っている会社の名前で探すと見つかりません。職種で探してください。翻訳・通訳、情報処理・通信技術、管理業務、海外取引業務の4つで全体の35.4%を占めます。
Q. 専門学校からでも就職できますか。
できます。最終学歴の内訳で専修学校は24.5%です。ただし技術・人文知識・国際業務を取るには「専門士」または「高度専門士」の称号が必要なので、その課程かどうかを学校に確認してください。
Q. 日本語学校を出たら、すぐ就職できますか。
技術・人文知識・国際業務は取れません。学歴の要件を満たさないからです。進学するか、学歴を問わない特定技能などの道を選ぶことになります。
Q. 給料はどのくらいですか。
月額報酬は20万円以上25万円未満が46.1%、20万円未満が25.7%、25万円以上30万円未満が17.9%です。4人に1人は20万円未満から始めています。それでも週28時間のアルバイトの上限(月137,312円)より高くなります。
まとめ
- 留学生の就職先はある。令和6年に39,766人が許可された(ネパール3,909人・許可率96.7%)
- 「無い」と見えるのは東京が42.4%を占めるから。近畿にも年7,754人分ある
- 大阪+兵庫で約5,900人分。神戸・西宮から通える範囲。東京へ行く旅費は要らない
- 就職先の55.8%は従業員100人未満。知っている会社の名前で探すと見つからない
- 職種は翻訳・通訳/情報処理・通信技術/管理業務/海外取引で35.4%
- 月給20万円未満が25.7%。楽ではないが、アルバイトの上限より月6万円以上高い
- 専修学校卒が24.5%。ただし技人国には「専門士」の称号が要る
- 日本語学校卒だけでは技人国は取れない。進学するか、学歴を問わない道を選ぶ
- 大阪外国人雇用サービスセンターは阪急梅田の真上。在学中から使える
参照:出入国在留管理庁「令和6年における留学生の日本企業等への就職状況について」(令和7年11月)/同「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」/厚生労働省「外国人雇用対策」/大阪外国人雇用サービスセンター/文部科学省「専門士・高度専門士の称号とは」
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