日本で病院にかかる方法2026|外国人の受診の流れ・症状の伝え方・救急

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外国人留学生向け 日本の病院のかかり方(クリニックと病院・受診の流れ・救急119) 守る力
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最終更新:2026年10月

この記事の結論(Summary)

  • クリニックの窓口で払うのは、初診で約880円、2回目からの再診で約230円です。2026年6月からの国の点数表で初診は2,930円、再診は780円。保険証があれば3割負担(70歳未満。小学校に入る前の子どもは2割)です。検査や薬の分はその上に足されます。保険証が無いと、その日は全額払いです。
  • 体調が悪いときは、まず近所のクリニックへ。大きな検査や入院が必要なら、紹介状をもらって病院へ進みます。
  • 受診の流れは受付→問診票→診察→会計→薬局の5ステップ。保険証を出せば医療費は3割です。
  • 医師には「いつから・どこが・どんなふうに」を簡単な日本語で伝えればOK。
  • 命に関わる緊急時は119番で救急車(無料)。迷うときは#7119(救急相談)に電話。
  • 保険のしくみ・保険料・高額療養費は国民健康保険の記事にまとめています。
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これが分かると、熱が出た夜に「どこへ行けばいいか」で迷わず、翌朝の受付で言うことまで決まっています。

会話の場面のイラスト。左の人「熱があります。初めて来ました」、右の人「保険証を見せてください」。

まず全体像から。日本の医療は「クリニック(診療所)」と「病院」の2階建てです。クリニックとは、風邪や軽いけがなど日常の病気を診る小さな医院のこと。まずクリニックへ行くのが基本ルールです。

まず「クリニック」か「病院」か——使い分けを知る

熱が出た。どうせ行くなら、設備のそろった大きな病院がいい、と考える。あなたの国では、それがいちばん確かな選び方かもしれません。日本では、まず近所のクリニックで診てもらいます。紹介状なしで大きな病院に行くと、初診で7,000円以上の追加料金がかかることがあります。

日本の医療機関には、大きくクリニック(診療所)と病院の2種類があります。ベッドの数で分かれていて、使い方が違います。

クリニックと病院の使い分けの図解。まずクリニック(診療所、ベッド19床以下)へ。かぜ・軽いけがはここ。入院・手術・大きな検査が必要なら、紹介状をもらって病院(ベッド20床以上)へ進む。

ポイントは、いきなり大きな病院に行かないこと。まず近所のクリニックで診てもらい、必要なら紹介状(しょうかいじょう)を書いてもらって病院へ進みます。紹介状なしで大病院に行くと、追加料金(選定療養費)が初診7,000円以上がかかることがあります。「内科」「耳鼻科」「眼科」など、症状に合った科を選びましょう。

何科に行けばいいですか

クリニックを選ぼうとして、次に詰まるのがここです。日本の医療機関は科が細かく分かれていて、看板に書いてある漢字だけでは見当がつきません。

症状 行く科 読み方
熱・せき・のどの痛み・だるさ 内科 ないか
おなかの痛み・下痢・吐き気 内科(または消化器内科) ないか/しょうかきないか
けが・骨折・腰や関節の痛み 整形外科 せいけいげか
皮膚のかゆみ・湿疹・できもの 皮膚科 ひふか
目の痛み・かゆみ・見えにくい 眼科 がんか
耳・鼻・のど・花粉症 耳鼻咽喉科 じびいんこうか
歯の痛み 歯科 しか
気分の落ち込み・眠れない 心療内科または精神科 しんりょうないか/せいしんか
子ども(15歳くらいまで) 小児科 しょうにか

迷ったら内科です。内科は体の内側全般を診るところで、専門の科に回すべきだと判断すれば紹介してくれます。間違った科に行っても怒られません。受付で症状を言えば、その場で「それは皮膚科ですね」と教えてもらえます。気分の落ち込みや眠れない日が続くなら、精神科と心療内科の違いと、外国語で話せる相談の電話を先に見てください。コンタクトレンズを使っていて目が赤い・痛いときは、すぐ眼科へ行くべき目の症状と、コンタクトの検査代を確かめてから眼科に電話してください。

病院の費用はいくらかかりますか

保険証を持っていれば、支払うのはかかった医療費の3割です。そのうえで、初めて行く日には必ず初診料が乗ります。

初診料は2,910円、これに2026年6月から「外来・在宅物価対応料」20円が加わって2,930円です(厚生労働省「令和8年度 医科診療報酬点数表」)。3割なら約880円。2回目からの再診料は780円で、3割なら約230円です。検査や薬の分はこの上に足されるので、合計は診察の中身しだいです。

問題は、大きな病院に直接行ったときです。紹介状なしで大病院を受診すると、初診7,000円以上、再診3,000円以上の追加料金がかかります。対象は特定機能病院と、200床以上の地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関。2022年10月から、この金額になりました。

ここが痛いのは、この追加料金は保険が効かないことです。3割にはなりません。診察代の3割とは別に、全額を払います。国が決めているのは下限(消費税込みで7,000円)だけで、それ以上の額は病院ごとに決めます。救急の患者からは、この料金を取ってはいけないことになっています。

初診でかかるお金を比べた棒グラフ。近所のクリニックの初診は3割で約880円。大病院に紹介状なしで行くと、診察代とは別に追加料金が7,000円以上かかり、保険が効かず全額自分で払う。まず近所のクリニックへ。出典は厚生労働省。

「大きい病院のほうが安心」と考えて直接行くと、ここに当たります。まず近所のクリニックへ。必要なら紹介状を書いてもらって進めば、この7,000円は丸ごと要りません。

受診の流れは5ステップ

初めての受診も、この流れを知っていれば安心です。持ち物は健康保険証・在留カード・お金(現金かカード)です。

受診の5ステップの図。1 受付で保険証を出す、2 問診票に症状を書く、3 診察でいつから・どこがを伝える、4 会計で3割を払う、5 薬局で薬を受け取る。保険証を忘れたらその日は10割。領収書は捨てない。

医師に症状を伝える日本語(そのまま使えるフレーズ)

難しく考えなくて大丈夫。「いつから」「どこが」「どんなふうに」の3つを言えれば伝わります。

言いたいこと 日本語フレーズ
いつから 「きのうから」「3日前から」
どこが痛い 「頭が痛いです」「のどが痛いです」「おなかが痛いです」
どんな症状 「熱があります」「せきが出ます」「はき気がします」
助けを求める 「日本語がむずかしいです。ゆっくりお願いします」

不安なら、症状をスマホの翻訳アプリで見せてもOK。大きな病院では医療通訳を用意している場合もあります。

病院に必要なものは何ですか

受付で止まらないために、これだけ持っていってください。

  • 健康保険証(マイナ保険証、または資格確認書)——これが無いとその日は全額払いです。昔の保険証はもう使えないので、自分がどちらを出すのかを先に確かめておきます
  • 在留カード——本人確認に使います
  • お金——現金が確実です。カードが使えない病院はまだあります
  • 飲んでいる薬があればお薬手帳か、薬の箱そのもの
  • 紹介状があれば必ず持参(無いと大病院は7,000円以上の追加)

保険証を忘れた日も、診てもらえます。ただし窓口でいったん10割払いになります。病院によっては、後日マイナ保険証などを持っていけば窓口で差額を返してくれます。それができないときは、加入している健康保険(国保なら市区町村)に「療養費」を申請します。やむを得ない事情だったと認められれば、保険が効く分(多くの人は7割)が戻ります。領収書は絶対に捨てないでください。

医療費が払えない・未払いになりそうなとき

お金が足りない日に体調は崩れます。順番に手があります。

まず窓口で言ってください。「今日は全額払えません」と伝えると、分割や後日払いに応じる病院があります。黙って帰るのがいちばん悪い結果になります。

入院や手術で高額になるなら、高額療養費制度です。ひと月の自己負担に上限があり、マイナ保険証を使うか、事前に「限度額適用認定証」をもらっておけば、窓口の支払いがその上限で止まります。自分の上限がいくらかは、高額療養費の区分と申請先の記事の表で確かめられます。

そして、あまり知られていない制度があります。無料低額診療事業です。社会福祉法にもとづくもので、生活に困っている人が無料または低額で診療を受けられます。

ここが大事なところです。この制度は、国籍や在留資格の有無・種類を問いません。2005年3月の厚生労働省の通知では、在留資格のない人を診療した医療機関が入管法に違反することにはならず、医療機関に通報する義務もないとされています。

ただしどの病院でもやっているわけではありません。実施している医療機関は限られます。探すときは、都道府県の病院担当課か、外国人を支援している団体に聞いてください。相談できる公的な窓口はリンク集にまとめています。

医療費が払えないときの3つの手。1 まず窓口で言う。2 入院・手術で高額なら高額療養費制度。3 生活に困っているなら無料低額診療事業で、国籍・在留資格を問わない。黙って帰るのが最悪。

言葉が通じないとき、通訳は頼めますか

ここは誤解されやすいところなので、仕組みから書きます。医療通訳は、患者が自分で申し込むものではありません。病院や都道府県が通訳サービスと契約していて、必要なときに病院側が電話をつなぐ、という形で使われています。

つまり、あなたが当日に呼べるものではない。通訳が使える病院を、先に選んでおくことが答えになります。電話で何を聞けばいいか、通訳料を誰が払うのか、通訳がいない病院で渡せる13言語の問診票まで知っておくと、当日あわてません。

医療通訳のしくみの図。通訳は病院がつなぐ。病院・都道府県が必要なときに電話で通訳サービスを呼び、あなたが当日に自分で呼ぶことはできない。だから病院を先に選び、元気なうちに病院を控える。

探す場所があります。日本政府観光局が、対応言語で医療機関を検索できるページを用意しています。言語(20以上)、診療科、都道府県で絞り込めて、24時間対応の救急病院も分かります。

元気なうちに一度開いて、自分の街で使えるところを控えておいてください。熱が出てから探すのは、いちばん難しいときにいちばん難しいことをやることになります。

それでも当日どうにかしたいときは、次の3つが現実的です。

  • 受付で「英語は話せますか」と聞く。話せる人がいることは、思っているより多いです
  • スマートフォンの翻訳アプリを見せる。この記事の症状の表を、そのまま見せてもかまいません
  • 日本語ができる人に一緒に来てもらう。学校の職員や勤務先の同僚に頼めることがあります

【重要】緊急のとき——119番と#7119の使い分け

夜中に家族が倒れた。救急車は高くつくからと、タクシーを呼ぼうとする。あなたの国では、救急車にお金がかかるのは当たり前かもしれません。日本の119番の救急車は無料です。お金の心配で、呼ぶのをためらわないでください。

意識がない、大量に血が出ている、息ができない——そんなときの判断を、先に知っておきましょう。ためらわず助けを呼ぶことが命を守ります。

どこに連絡するかを2つの問いで決めるツリーの図。命に関わるなら119(救急車は無料)。そうでなく、救急車を呼ぶか迷うなら#7119の救急相談。どちらでもなければ近所のクリニックへ。

意識がない、大量の出血を伴うけが、急な息切れや呼吸困難は、すぐに119番です。消防庁の「救急車利用ガイド」は、ほかにも「突然の激しい頭痛」「胸の中央が締め付けられるような痛みが2〜3分続く」などを例に挙げています。

119番(救急車)は無料です。「お金がかかるかも」とためらって手遅れになる方が危険です。電話では「救急です」→住所→症状の順で伝えます。日本語が不安でも、ゆっくり話せば大丈夫。多くの消防では119番に通訳が入り、住所が分からないときの伝え方も決まっています。判断に迷うレベルなら、まず#7119(救急安心センター)で相談しましょう。

お金の心配(保険と高額療養費)はこちらで

医療費が3割になる健康保険のしくみ、保険料、そして手術や入院で医療費が高額になったときに自己負担を抑える高額療養費制度については、別の記事にまとめました。留学生は加入が義務なので、必ず読んでおいてください。

保険料の支払いは税金と同じく、在留資格の更新でも見られます。健康と手続きの両方を守っていきましょう。

出典(公式):厚生労働省「紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の『特別の料金』の見直し」/同 制度案内リーフレット/東京都保健医療局「療養費」/e-Gov法令検索「社会福祉法」/日本政府観光局「医療機関検索」/総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?」/総務省消防庁「訪日外国人のための救急車利用ガイド」/厚生労働省「令和8年度 医科診療報酬点数表」/厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」(2026年9月26日確認。救急車を呼ぶ症状は2026年9月27日確認。初診料・再診料と負担割合は2026年10月2日確認)

よくある質問(FAQ)

Q. 病院に行くといくらかかりますか?

保険証があれば、クリニックの初診は国の点数表(2026年6月から)で2,930円、3割なら約880円です。2回目からの再診は780円で、3割なら約230円。検査や薬の分はその上に足されます。保険証が無いとその日は全額(10割)で、紹介状なしで大病院に行くと、保険が効かない7,000円以上が別にかかります。

Q. 保険証を忘れたら全額払うのですか?

その日は一度全額(10割)を払います。後日保険証を持っていけば窓口で差額を返してくれる病院もありますが、病院しだいです。できなければ、加入している健康保険に療養費を申請します。やむを得ない事情だったと認められれば、保険が効く分が戻ります。領収書は必ず取っておきましょう。

Q. 大きな病院に直接行ってはダメですか?

行けますが、紹介状なしで大学病院などの特定機能病院や、一般病床200床以上の地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関を受診すると、「特別の料金」(選定療養費)が初診7,000円以上かかります。保険が効かないので全額です。まずクリニックで診てもらい、必要なら紹介状をもらうのがおすすめです。

Q. 救急車を呼ぶとお金がかかりますか?

救急車の出動・搬送は無料です。命に関わる緊急時はためらわず119番してください。呼ぶか迷うときは#7119(子どもは#8000)で相談できます。

Q. 歯医者でも保険は使えますか?

はい、歯科でも国民健康保険が使えて3割負担です。ただしホワイトニングなど美容目的の治療は保険の対象外(全額自己負担)です。初診料が3割でいくらになるか、歯医者の探し方と予約の電話で言うことは、歯医者の費用と、保険と自費の違いの記事にまとめています。

Q. 日本語が話せなくても診てもらえますか?

診てもらえます。簡単な日本語や翻訳アプリでも大丈夫です。大きな病院には医療通訳や多言語の問診票がある場合もあります。不安なら学校の友人に付き添ってもらいましょう。

まとめ

  • まずクリニック、必要なら紹介状で病院へ
  • 受診は受付→問診票→診察→会計→薬局。保険証で3割
  • 医師には「いつから・どこが・どんなふうに」を伝える
  • 命に関わるときは119番(無料)、迷ったら#7119
  • 保険料・高額療養費は国保の記事で確認

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この記事を書いた人

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日本人。省庁の告示・通達・Q&Aを原典のまま読み、在日ネパール・スリランカの友人から実際に聞いた困りごとを出発点にしています。確かめていないことは書きません。

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