最終更新:2026年8月29日
この記事の結論(Summary)
- 国の統計で、外国人労働者の月給はどの在留資格でも、学生の上限137,312円より上です。技能実習でも190,300円。技術・人文知識・国際業務なら平均313,200円です。
- 「4%ルール」とは、年間の生活費の25倍の資産があれば、運用しながら取り崩して暮らせるという考え方です。この物差しで測ると、就職は約5,300万円の資産に相当します。
- 「日本人と同等額以上の報酬」は、就労ビザの法律上の要件です。安い給料の内定は、あなたが損なだけでなく、ビザが不許可になる理由になります。実例があります。
- ★バイトで月200時間働いた留学生が、就職のビザを不許可にされた実例もあります。いまの無理は、いちばん大きな一手を壊します。
時給を50円上げる交渉、シフトを2時間増やす調整——その計算を毎週している人にこそ、桁の違う数字を見てほしいと思います。
この記事の数字は、厚生労働省の賃金統計と、出入国在留管理庁が公表している不許可の実例です。あなたの決断のための材料として、そのまま並べます。
ビザ別の月給——国の統計をそのまま見せます
厚生労働省の令和7年 賃金構造基本統計調査に、在留資格別の賃金が出ています。

| 在留資格 | 月給(所定内) | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 専門的・技術的分野(技術・人文知識・国際業務など。特定技能を除く) | 313,200円 | 32.4歳 |
| 身分に基づくもの(永住者・日本人の配偶者等など) | 311,100円 | 45.0歳 |
| その他(特定活動など) | 228,300円 | 30.1歳 |
| 特定技能 | 221,400円 | 29.5歳 |
| 技能実習 | 190,300円 | 26.2歳 |
| (参考)留学生アルバイトの上限 | 137,312円 | — |
いちばん下の行と比べてください。どの在留資格でも、週28時間で働ける最大額より上です。いちばん低い技能実習でも、月5万円以上の差があります。
正直な注記を2つ。この「賃金」は所定内給与で、残業代とボーナスを含みません(つまり実際の年収はこれより多いのがふつうです)。そして平均年齢は32歳前後なので、新卒はここから始まりません。後で出てくる実例では、新卒の日本人エンジニアが月18万円です。それでも学生の上限より4万円以上高い。
就職は「約5,300万円の資産」に相当します
お金持ちを目指す人の物差しに「4%ルール」があります。資産を運用しながら年4%ずつ取り崩すなら、年間の生活費の25倍の資産があれば働かずに暮らせる、という考え方です。この物差しは逆向きにも使えます——収入の増加は、いくらの資産に相当するか。

計算はこうです。
- 技人国の平均 313,200円 − 学生の上限 137,312円 = 月175,888円
- ×12か月 = 年約211万円
- 年211万円を資産の取り崩しで作るなら、×25 = 約5,300万円
つまり、留学から就労への切り替えは、約5,300万円の資産を手に入れるのと同じ収入の変化です。特定技能でも約2,500万円に相当します。節約でも、時給の交渉でも、アルバイトの掛け持ちでも、この桁には届きません。
だから順番はこうなります。いまの節約と奨学金は、この一手までの橋です。橋の上で消耗し切らないこと。それがこのサイト全体で言いたいことです。
「日本人と同等額以上」——安い内定は、ビザの不許可理由です
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)には、法律上の報酬の要件があります。日本人が同じ仕事をする場合と同等額以上の報酬であること。出入国在留管理庁が公表している不許可の実例に、こうあります。
月額13万5千円の報酬を受けて、エンジニア業務に従事するとして申請があったが、申請人と同時に採用され、同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額18万円であることが判明したことから、報酬について日本人と同等額以上であると認められず不許可となったもの。
出入国在留管理庁「許可・不許可事例」
これが意味することは2つあります。
1つめ。「外国人だから安くていいだろう」という内定は、受けてはいけません。あなたが損をするだけでなく、その給料ではビザ自体が下りない可能性があります。会社の担当者がこの要件を知らないこともあります。
2つめ。この要件は、あなたの交渉の後ろ盾です。「同じ仕事の日本人と同じ給料にしてください」は、お願いではなく、入管法上の要求です。言いにくい交渉を、法律が代わりに言ってくれています。
★いまのバイトのしすぎが、この一手を壊した実例
同じ不許可事例の中に、もうひとつ、この記事の読者に直接かかわるものがあります。
申請人は「留学」の在留資格で在留中、1年以上継続して月200時間以上アルバイトとして稼働していたことが今次申請において明らかとなり、資格外活動許可の範囲を大きく超えて稼働していたことから、その在留状況が良好であるとは認められ(ず不許可となったもの)。
出入国在留管理庁「許可・不許可事例」
月200時間は、週28時間の上限(月112時間)の約2倍です。生活のために働いたのだと思います。でも、その働きすぎが記録に残り、約5,300万円に相当する一手そのものを不許可にしました。
「バイトを増やして成績が落ちれば月3万円の奨学金を失う」と別の記事に書きました。それどころではありません。28時間を超え続けると、就職そのものを失うことがあります。いちばん高くつく残業です。
いま学生のあなたが、この数字とどう付き合うか
- 28時間を守る。それは我慢ではなく、5,300万円級の一手を守る投資です
- 成績を守る。奨学金の推薦(2.30)も、就職の学校推薦も、同じ場所から出ます
- 日本語に時間を使う。敬語と漢字は、面接と職場で時給換算のいちばん高いスキルです
- 手続きの流れと、97%が許可されるのに落ちる人の理由は、就労ビザへの変更に書いてあります
大学や専門学校を出ていない人は、特定技能という道があります(平均221,400円。それでも学生上限より月8万円以上高い)。学歴なしで働ける仕事にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 外国人の平均月給はいくらですか。
令和7年の賃金構造基本統計調査で254,300円です(所定内給与・残業代とボーナスを含まない)。在留資格でいちばん高いのは専門的・技術的分野(技人国など)の313,200円です。
Q. 就職すると、学生のアルバイトと比べていくら変わりますか。
学生の上限は月137,312円(東京都最低賃金×112時間)。技人国の平均313,200円との差は月175,888円、年約211万円です。4%ルールで資産に換算すると約5,300万円に相当します。
Q. 外国人だから給料が安いのは、しかたないですか。
いいえ。技人国のビザには「日本人と同等額以上の報酬」という法律上の要件があります。同じ仕事の日本人より安い報酬では、ビザが不許可になった実例が公表されています。
Q. この統計の「賃金」にボーナスは入っていますか。
入っていません。所定内給与(残業代・賞与を除いた月給)です。ボーナスのある会社なら、実際の年収はこの12倍より多くなります。
Q. 大学を出ていなくても就職できますか。
特定技能という在留資格があります。平均月給は221,400円で、学生の上限より月8万円以上高い水準です。分野と条件は学歴なしで働ける仕事の記事にまとめています。
Q. バイトを頑張りすぎると、就職に影響しますか。
あります。留学中に月200時間以上のアルバイトを1年以上続けていたことが分かり、在留状況が良好と認められず就労ビザが不許可になった実例が公表されています。28時間の上限は就職の場面で見られます。
まとめ
- 国の統計で、どの在留資格の月給も学生の上限137,312円より上。技人国の平均は313,200円
- 4%ルールで換算すると、就職は約5,300万円の資産に相当(特定技能でも約2,500万円)
- 「日本人と同等額以上の報酬」は法律上の要件。安い内定は不許可の理由になり、同時にあなたの交渉の後ろ盾になる
- 月200時間のバイトで就労ビザが不許可になった実例がある。28時間を守ることが、いちばん大きな一手を守る
- 節約と奨学金は、この一手までの橋。橋の上で消耗し切らない
出典(公式):厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(9)在留資格区分別にみた賃金」(PDF)/同調査 結果の概況/出入国在留管理庁「許可・不許可事例」(PDF)/同「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」
統計と事例は2026年8月29日時点で確認したものです。賃金は勤務先・地域・経験で大きく変わります。4%ルールは考え方の物差しであり、運用成果を保証するものではありません。個別のビザの判断は地方出入国在留管理局か行政書士に確認してください。

