最終更新:2026年8月25日
この記事の結論(Summary)
- 留学生の支出は、全国平均で月17万円。東京は19万9千円です。推計ではなく、全国調査の実額です(日本学生支援機構「令和5年度 私費外国人留学生生活実態調査」第7-3表)。
- 差を作っているのは家賃です。全国4万1千円に対して東京は5万7千円。東京が高い分のほとんどがここです。
- 週28時間を東京の最低賃金で働いて、稼げるのは14万3,360円。東京の19万9千円に対して、毎月5万5,640円足りません。
- だから調査でも、収入の主なものは「仕送り」と「アルバイト」です。上限まで働いても、それだけでは埋まりません。
- 留学後の苦労の第1位は「物価が高い」で71.4%。きついのは、あなたのやりくりの問題ではありません。
これが分かると、「自分のやりくりが下手だから足りない」と思わずに済み、足りない6万円をどこから持ってくるかを考える側に回れます。
「生活費」とは、家賃・食費・光熱費のように、日本で暮らすために毎月出ていくお金のことです。この記事では学費も含めた合計で見ます。数字は日本学生支援機構(JASSO)の「令和5年度 私費外国人留学生生活実態調査」から取っています(日本学生支援機構「令和5年度私費外国人留学生生活実態調査」報告書(PDF))。有効回答は7,867人。回答者にはネパール796人、ベトナム1,185人、スリランカ205人が含まれていて、日本人の平均ではなく、同じ立場の人たちの数字です。
留学生の生活費は月いくらですか
全国平均で月17万円、東京で19万9千円です。中央値は15万円で平均より低く(同調査 第7-1表)、支出の多い一部の人が平均を押し上げていることが分かります。
この金額には学費が含まれます。だから合計より、内訳のほうが役に立ちます。

| 1か月 | 東京 | 全国平均 |
|---|---|---|
| 学習研究費(学費など) | 56,000円 | 52,000円 |
| 住居費 | 57,000円 | 41,000円 |
| 食費 | 37,000円 | 32,000円 |
| 電気・ガス・水道 | 7,000円 | 8,000円 |
| 通学費 | 6,000円 | 4,000円 |
| 趣味・娯楽費 | 10,000円 | 8,000円 |
| 保険・医療費・その他 | 13,000円 | 12,000円 |
| 残額 | 13,000円 | 13,000円 |
| 合計 | 199,000円 | 170,000円 |
目につくところが2つあります。東京が高い分(2万9千円)のうち、1万6千円が住居費です。そしてどこに住んでいても、残額は1万3千円しかありません。貯金が1万3千円という意味ではなく、月末に「残っている」のがその額だということです。
通学費(東京で月6,000円)は、学校の学科がJRの指定を受けていれば、学生証ではなく学校の通学証明書で買う通学定期に切り替えて下げられます。
学費だけだといくらですか
学習研究費5万2千円のなかに授業料が入っていて、学校の種類で大きく変わります。生活費の内訳を、お金の古典の7つの教えに置き換えるなら、バビロンの大富豪の7つの教え2026|日本で暮らす外国人は5つの力に当てはめるで、7つの教えごとに読む記事を選べます。
| 学校の種類 | 授業料(月額) |
|---|---|
| 国立大学 | 40,000円 |
| 公立大学 | 36,000円 |
| 私立大学 | 73,000円 |
| 短期大学 | 62,000円 |
| 専修学校(専門課程) | 61,000円 |
| 日本語教育機関 | 56,000円 |
私立大学は公立のほぼ2倍です。進学先をこれから選ぶなら、この差は在学中ずっと月3万7千円で、どんな節約よりも大きい。日本語学校の費用にそちら側をまとめています。

週28時間で、生活費はまかなえますか
ここから、数字は慰めをやめます。
来る前は、足りない分はアルバイトを増やせば埋まる、と計算していた。あなたの国では、学生でも働く時間を自分で決められるのかもしれません。日本の留学生には、働ける時間に上限があります。時間を足して埋める道は、最初から閉じています。
留学の在留資格で働けるのは週28時間まで(出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」)。東京都の最低賃金は1,280円です(2026年10月1日から。東京労働局が9月1日に官報公示/東京労働局「東京都最低賃金を1,280円に引上げます」)。9月30日までは1,226円でした。28時間×4週で月112時間です。
112時間×1,280円=14万3,360円。これが上限です。許された時間を毎週すべて働いて、一度も体調を崩さなかった場合の数字です。

東京の19万9千円に対して、毎月5万5,640円(19万9,000円−14万3,360円)が足りません。
学費を丸ごと外して——年に一度、貯金から払うものとして——計算すると、東京は14万3千円です。上限の14万3,360円とほぼ同じ額で、余りはほとんどありません。許された時間を毎週すべて働いて、やっと届く額です。
これはやりくりが下手だという話ではありません。調査そのものが、収入の主なものとして「仕送り」と「アルバイト」を並べています。そもそもアルバイトをしている人は65.2%で、いちばん多い労働時間は週20〜25時間。28時間いっぱいではありません。
自分のどこが悪いのかと考えていたなら、答えは「どこも悪くない」かもしれません。留学後の苦労の第1位は「物価が高い」で、7,867人のうち71.4%が挙げています。
実際に変えられるのはどこですか
もう一度、内訳を見てください。ほとんどの行は動きません。光熱費は7千円、保険・医療費は3千円。光熱費は冬に上がる月があるので、冬の電気代が上がる仕組みと下げ方も見ておくと、12月から3月の予算を立てやすくなります。ここを削っても、見つかるのは数千円です。
住居費だけが違います。いちばん大きく、いちばん幅がある。全国4万1千円に対して東京5万7千円、そしてシェアハウスはそのどちらよりも下から始まります。8万円の部屋からシェアハウスのドミトリー(オークハウスの平均家賃3万5千円・オークハウス公式の費用ページ)に移れば、月4万5千円。足りない5万5,640円の、ほとんどがここで埋まります。
時給に直すと重さが分かります。4万5千円÷112時間=402円。働いて同じ額を作るには、1,280円から1,682円(1,280円+402円)の仕事に移らないといけません。その交渉は通りません。引っ越しはできます。

もうひとつ、働かずに入るお金があります。学習奨励費は、日本語学校でも月30,000円、大学・専門学校なら月48,000円(日本学生支援機構「留学生受入れ促進プログラム(文部科学省外国人留学生学習奨励費)について」)。返済はいりません。月30,000円は時給1,280円の約23時間分(30,000円÷1,280円=23.4時間)——週28時間の上限、月112時間の約21%にあたります。自分で応募する制度ではなく、学校からの推薦です。事務室に聞かないと始まりません。
あと2つ、知らずに満額払っている人が多い固定費があります。
- 国民年金は月17,920円(日本年金機構「国民年金保険料」)。払えない学生は、未納にせず猶予できます——学生納付特例
- 国民健康保険には減免の制度があります——保険料の決まり方
- 大手キャリアのデータ無制限は割引前で月8,448円(ドコモ公式「ドコモ MAX」)、格安SIMなら3GBまで月1,078円(楽天モバイル公式の料金)
固定費を下げる前に、確かめたほうが早いものがあります。国民健康保険料の軽減です。東京23区なら年65,200円が19,560円まで下がります。交渉も乗り換えも要らず、役所に申告するだけです。
調査に埋もれている、もう1つの数字
宿舎の項目に、部屋を探す前に知っておくといい数字があります。入居のときに保証人を求められた人は3,829人、48.7%でした。
ほぼ半分です。あなたに起きても、あなたに理由があるわけではありません。保証人がいなくても借りられる3つの道にまとめています。
支出と収入の数字は、日本学生支援機構「令和5年度 私費外国人留学生生活実態調査」を2026年8月25日に確認したものです。賃金は東京労働局の発表によります(2026年10月1日確認)。出典:JASSO「私費外国人留学生生活実態調査」/日本学生支援機構「令和5年度私費外国人留学生生活実態調査」報告書(PDF)/東京労働局「東京都最低賃金を1,280円に引上げます」/出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」/日本学生支援機構「留学生受入れ促進プログラム(文部科学省外国人留学生学習奨励費)について」/日本年金機構「国民年金保険料」/東京労働局「東京都最低賃金を1,280円に引上げます」(2026年9月26日確認)
年末年始は12月29日ごろから1月3日ごろまで店も役所も閉まり、出費の形も変わります。おせちと年末年始に何が閉まるかは別に書きました。
よくある質問(FAQ)
Q. 留学生の生活費は月いくらですか?
全国平均で月17万円、東京で19万9千円です(学費を含む)。中央値は15万円。いちばん差が出るのは住居費で、全国4万1千円に対して東京は5万7千円です。
Q. 週28時間のアルバイトで生活費はまかなえますか?
東京で最低賃金なら、まかなえません。週28時間は月112時間で、1,280円なら14万3,360円。東京の平均支出19万9千円には届きません。調査でも収入の主なものとして「仕送り」と「アルバイト」が並んでいます。
Q. 留学生の家賃の平均はいくらですか?
全国平均で月4万1千円、東京で5万7千円です(同調査 第7-4表)。70.1%の学生が学生寮ではなく民間のアパート・マンションに住んでいます。
Q. 学費は月いくらですか?
国立大学4万円、公立大学3万6千円、私立大学7万3千円、専修学校6万1千円、日本語教育機関5万6千円です。
Q. いちばん削れるのはどこですか?
住居費です。光熱費は月7千円、医療費は3千円なので、そこを削っても見つかるのは数千円です。8万円の部屋から平均家賃3万5千円(オークハウスのドミトリー)のシェアハウスに移れば月4万5千円で、これは時給402円ぶんにあたります。
Q. 日本を高いと感じるのは普通ですか?
普通です。留学後の苦労として最も多く挙げられたのが「物価が高い」で、回答した7,867人のうち71.4%でした。
まとめ
- 全国平均で月17万円、東京は19万9千円(学費を含む)
- 東京が高い分は家賃——5万7千円と4万1千円の差
- 週28時間の上限は14万3,360円。東京では5万5,640円足りない
- どこに住んでも、残額は1万3千円しかない
- 本当に動くのは住居費だけ。4万5千円下げるのは時給402円ぶん
- 71.4%が「物価が高い」と答えている。きついのは構造のほう
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