この記事は2026年9月23日に、出入国在留管理庁の「日本語教育機関の告示基準」「告示基準解釈指針」(2026年9月1日改定版)と、在留資格「留学」の在留期間更新の提出書類一覧で確かめて書いています。
先に結論
- 出席率とは、その月に出席した授業の時間数を、出席すべき時間数で割った割合のことです。日本語学校には、国の基準でこの出席率の線が2本あります。1か月の出席率が8割を下回ると学校が改善を指導し、5割を下回ると翌月末までに入管へ報告されます。アルバイト先の名前も一緒にです。
- 8割は「目標」ではなく「最低ライン」です。入管の解釈指針が、そう書いています。
- 「何割あればビザ更新が通る」という合格ラインは、入管は公表していません。ただ、更新の提出書類には出席証明書と成績証明書が入っています。
- 病気などやむを得ない欠席は、この計算から外せます。判断は学校です。診断書を必ず出してください。
- 大学・専門学校には数字の線はありません。それでも学校は出席を管理する義務があり、更新では成績や単位も見られます。
これが分かると、「何割までなら休んでいいか」を探すのをやめて、8割を割りそうな月にシフトを減らすという今日の一手が打てます。病気で休んだ人は、診断書で自分の出席率を守れます。
先月はシフトを増やした。朝の授業に2回遅れて、3日休んだ。月末、学校の事務室に呼ばれて「出席率が77%です」と言われる。友達は「8割あれば大丈夫」と言い、別の友達は「9割ないとビザが危ない」と言う。日本人の友達に聞いても分かりません。日本人の学生にとって、出席はビザの話ではないからです。
留学生の出席率は何割必要?——国の基準にあるのは「8割」と「5割」

数字の線があるのは、日本語学校です。出入国在留管理庁の「日本語教育機関の告示基準」は、学校に次のことを義務づけています。
- 1か月の出席率が8割を下回った留学生——8割以上に戻るまで、学校が改善のための指導をして、その記録を残す
- 1か月の出席率が5割を下回った留学生——翌月末までに、学校が地方の入管に報告する。資格外活動の許可を受けている人は、アルバイト先の名前も一緒に
- 全員の6か月間の出席率——4月〜9月と10月〜3月の2回、期間が終わってから3か月以内に入管へ報告する
5割の報告について、入管の解釈指針ははっきり書いています。出席率が5割を下回る人には、本当の目的が勉強ではない人が含まれている可能性が高い。だから入管が報告を受けて、必要に応じて調査する、と。
そして8割については、「8割を目標にする趣旨ではない」とあります。8割すら下回ったら学校が手を打つ、という最低ラインです。8割ちょうどを狙って休みを数えるのは、国の基準が想定している学生の姿ではありません。
なお、この基準は法務省の告示を受けた日本語学校のものです。日本語学校は2029年3月31日までに文部科学大臣の認定(認定日本語教育機関)に移ることになっていて、移行が進んでいます。自分の学校がどちらで、出席の規則が学則でどう書かれているかは、学校に確認してください。
出席率の計算方法は?——「日」ではなく授業の時間で数える
告示基準の定義では、1か月の出席率はその月に出席した単位時間数 ÷ 出席すべき単位時間数です。単位時間は、授業の1コマのことです。

たとえば、その月の授業が80コマで、64コマ出たなら64÷80=8割。1日4コマの学校なら、丸1日休むと4コマ減ります。「3日休んだだけ」でも、月の授業日が少ない月には一気に下がります。
学校は1コマごとの出欠を記録し、在籍しなくなってから少なくとも1年保存することになっています。遅刻や早退を何コマとして数えるかは、国の基準には書かれていません。学則で決まっているので、入学時の書類か事務室で確かめてください。
出席率が低いとビザ更新はどうなる?——合格ラインは非公表、でも書類で見られる
「出席率が何割あれば更新が通るか」を、入管は公表していません。「8割あれば大丈夫」も「9割ないと危ない」も、公式の数字ではありません。
公式に分かっているのは、出席が審査の材料になっていることです。入管の在留期間更新の提出書類一覧には、日本語学校・専門学校・大学のどれにも「出席証明書、成績証明書及び卒業証明書」の欄があります(大学・専門学校は「発行可能な場合」)。前回の申請から今までに通った、すべての学校の分です。審査の途中で、一覧にない資料を求められることもあります。
大学の案内も同じ方向です。京都大学は、成績不良、修得単位が非常に少ない、学費の未納で、更新が許可されない場合があると書いています。東京大学は、単位の修得が良くない人や留年した人に、更新のとき理由書と指導教員の推薦状を出すよう案内しています。
出席は、更新のあとにも効きます。留学から就労ビザへ変えるときも、在学中の状況が見られます。海外で大学を出て日本語学校を卒業した人が卒業後の就活ビザを使うには、出席率おおむね9割以上が条件です。そして学校に行かない状態が3か月続けば、在留資格の取消しの対象になります。
病気で休んだら?——やむを得ない欠席は外せる。診断書を出す
8割の指導も5割の報告も、病気その他のやむを得ない事由による欠席は除く、となっています。どれが「やむを得ない」かは学校が判断しますが、解釈指針は例を挙げています。
- 感染症にかかり、医師が出席停止とした期間
- 災害などで通学がとても難しいとき
- 親族の冠婚葬祭に出るとき
- 学校の代表として、学校が特に認める行事や大会に出るとき
- 自分のせいではない理由で、日本への入国が遅れたとき
自分から言わなければ、学校は理由を知りません。病院に行ったら診断書をもらい、休んだ日の分を学校に出してください。解釈指針には、病気で休んでいる間にアルバイトをしていると疑われたら、学校が診断書を求めたり本人から事情を聞いたりする、とも書かれています。病気で休んだ日は、働かないでください。
休学中や一時帰国中も数えられる?——「留学」のままなら数えられる
数えられます。解釈指針は、5割の報告について、休学や一時帰国をしていても、「留学」の在留資格のまま(再入国許可で出国中も含む)なら報告の対象になる、としています。病気などのやむを得ない場合は除かれます。
長く国に帰るときや休学するときは、出席率より先に在留資格そのものの扱いを決める必要があります。休学したらビザがどうなるかを先に読んでください。
大学・専門学校は?——数字の線はないが、出席は管理されている
8割・5割の線は日本語学校の基準で、大学と専門学校に同じ数字の基準は公表されていません。
ただ、2024年度からの見直しで、留学生を受け入れるどの学校にも、出席の状況・アルバイトの状況・学習の状況を適正に管理する体制が求められています(「留学」の上陸基準)。出席を管理できず、学んでいるとは言えない留学生が大勢出た学校は、この体制が無いと判断されます。専門学校や大学でも、出席は記録され、更新では出席証明書(出せる場合)と成績証明書が見られます。
いくらかかる?——出席証明書は学校で、更新は10月から値上がり
出席証明書と成績証明書は、在籍している学校で出してもらいます。発行の手数料は学校ごとなので、事務室で確認してください。申請に使う証明書は、発行から3か月以内のものです。
在留期間の更新そのものの手数料は、2026年10月1日から許可される期間で額が決まる仕組みに変わります。在留許可手数料の値上げの記事で、自分の期間の額を確認できます。
出席率が下がったら?——今月のうちに、原因のほうを止める
たとえば、アルバイトを増やして、朝の授業に出られなくなる。入管は、制限時間を超えるアルバイトは退去強制や更新不許可の理由になると明記しています。出席率が下がるのは、その手前の合図です。
- 8割を割りそうな月——シフトを減らす。週28時間の内側に収まっていても、授業に出られない働き方は続けない
- 病気で休んだ——診断書を学校に出す。休んだ日は働かない
- すでに8割を割った——学校の指導を受け、翌月に8割以上に戻す。記録は学校に残る
- 更新が近い——出席率が低かった理由を、学校の先生と整理しておく。自分の出席証明書を先に見ておく
終わりの判断——自分はどれか
- 日本語学校で、毎月8割以上ある——いまの働き方でいい。更新の前に出席証明書を確認するだけ。
- 日本語学校で、今月8割を割りそう——今週のシフトを減らし、遅刻をやめる。病気の欠席なら診断書を出す。
- 日本語学校で、5割を割った月がある——入管に報告されている前提で動く。学校と面談し、理由と改善を記録に残す。働きすぎなら今日から時間を減らす。
- 大学・専門学校の学生——数字の線はないが、出席と単位は更新で見られる。落とした単位があれば、更新の前に指導教員に相談する。
よくある質問(FAQ)
Q. 留学生の出席率は何割必要ですか?
日本語学校の国の基準では、1か月8割を下回ると学校が改善を指導し、5割を下回ると入管に報告されます。8割は目標ではなく最低ラインです。ビザ更新の合格ラインとしての割合は、入管は公表していません。
Q. 出席率はどうやって計算しますか?
その月に出席した授業の時間数(コマ数)を、出席すべき時間数で割ります。80コマ中64コマ出れば8割です。遅刻・早退の数え方は学則で決まるので、学校に確認してください。
Q. 出席率が低いとビザ更新はできませんか?
必ず不許可になるという公式の線はありませんが、審査の材料になります。更新の提出書類に出席証明書と成績証明書があり、大学の案内も成績不良や単位不足で更新が許可されない場合があるとしています。
Q. 病気で休んだ日も出席率に入りますか?
病気などやむを得ない事由の欠席は、8割の指導と5割の報告の対象から外されます。判断するのは学校なので、診断書を出してください。
Q. 出席率が5割を下回るとどうなりますか?
学校が翌月末までに入管へ報告し、アルバイト先の名前も伝えます。入管は必要に応じて調査します。
Q. 大学や専門学校にも出席率の基準はありますか?
8割・5割のような数字の基準は公表されていません。ただ、学校には出席を適正に管理する体制が求められていて、更新では出席証明書(出せる場合)と成績証明書が見られます。
まとめ
日本語学校の国の基準には、1か月の出席率で8割(学校が指導)と5割(入管へ報告)の2本の線があります。8割は目標ではなく最低ラインで、ビザ更新の合格ラインは公表されていません。だから「何割まで休めるか」ではなく、8割を割りそうな月に働き方を変えるほうが確実です。
病気の欠席は診断書で外せます。休学や一時帰国の間も、「留学」のままなら数えられます。大学・専門学校に数字の線はありませんが、出席と成績は更新の書類で見られます。
出典(公式):出入国在留管理庁「日本語教育機関の告示基準に基づく各種報告について」(告示基準・告示基準解釈指針のPDFを含む)/同「在留資格『留学』」(在留期間更新の提出書類一覧)/同「留学生の在籍管理の徹底に関する新たな対応方針に基づく措置について」/京都大学「在留資格変更・在留期限更新・再入国・休学・復学・退学等」。2026年9月23日に確認したものです。出席の数え方は学校の学則で必ず確かめてください。
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