この記事は2026年9月23日に、出入国在留管理庁の「大学等を卒業後就職活動のための滞在をご希望のみなさまへ」「本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合」「内定者のための特定活動」の各ページで確かめて書いています。
先に結論
- 卒業後の就活ビザとは、卒業までに内定が出なかった留学生が、日本に残って就職活動を続けるための在留資格「特定活動」のことです。6か月、1回更新できて最長1年。
- 対象は大学・短大・大学院・高専の卒業生と、専門士を取った専門学校の卒業生。日本語学校だけを出た人は対象外です(例外は、母国で大学を出ていて、条件を満たす日本語学校を出た人だけ)。
- 申請には卒業した学校の推薦状が要ります。卒業前から就活をしていたことも条件です。学校の就職課に、卒業前に相談してください。
- その間のアルバイトは、許可を受ければ週28時間まで。内定が出たら、採用日まで残れる別の「特定活動」に切り替えます(卒業から1年6か月以内に採用されること)。
- 2026年10月1日から手数料が上がり、6か月の許可で窓口18,000円(オンライン15,000円)。更新も同じ額なので、1年で最大36,000円です。
これが分かると、内定が無いまま卒業が近づいても「帰国するしかない」と決めつけずに、卒業前に学校の推薦状を頼むという今日の一手が打てます。日本語学校の人は、自分が対象外だと先に分かるので、進学かほかの道かを卒業前に選べます。
卒業式まであと2か月。同級生の日本人はみんな内定が出ている。自分はまだ面接が続いている。在留カードの期限は卒業のすぐあと。「卒業したら帰らないといけないのかな」と日本人の友達に聞いても、「就職浪人すればいいんじゃない?」で終わります。日本人には、就活を続けるためのビザが要らないからです。
卒業後の就活ビザとは?——「特定活動」で6か月、更新して最長1年
卒業後の就活ビザとは、留学生が卒業後も日本に残って就職活動を続けるための在留資格「特定活動」のことです。入管は「継続就職活動」と呼んでいます。「留学」の在留資格は卒業すれば役目が終わるので、そのままでは就活を続けられません。そこでこの在留資格に変更します。
在留期間は6か月です。1回だけ更新でき、合わせて1年、日本で就活を続けられます(出入国在留管理庁)。
さらに2年目もあります。住んでいる自治体が入管の認めた「就職支援事業」を行っていて、その対象者として証明書をもらえた場合は、もう6か月+1回更新=さらに1年残れます。ただし、どの自治体が対象かを入管は一覧にしていないので、2年目を考えるなら、住んでいる都道府県や市の国際交流の窓口に「既卒留学生の就職支援事業があるか」を聞いてください。
誰が対象?——大学・専門士の卒業生。日本語学校だけでは対象外

入管が挙げている対象は、次の4つです。
- 大学を卒業した人(短期大学・大学院・高等専門学校を含む)。ただし別科生・聴講生・科目等履修生・研究生は含みません
- 専修学校の専攻科を卒業した人で、学んだ内容が就労の在留資格(技術・人文知識・国際業務など)の仕事と関連がある人
- 専門学校(専修学校専門課程)で「専門士」を取って卒業した人で、学んだ内容が就労の在留資格の仕事と関連がある人
- 海外の大学を出たうえで、日本語学校を卒業した人(条件を満たす日本語学校に限る)
ここで分かれるのが、日本語学校の人です。日本語学校だけを卒業した人は、この就活ビザを使えません。対象になるのは、母国などで学士以上の学位を取っていて、文部科学大臣の認定を受けた日本語学校を出席率おおむね9割以上で卒業し、学校の推薦状をもらえる人だけです。
日本語学校だけの人が日本で就職したいなら、道は専門学校(専門士の付く課程)か大学に進むことです。卒業後の就活ビザという「待ち時間」が無いぶん、進学するかどうかを日本語学校にいる間に決める必要があります。
専門学校の人も注意が要ります。専門士が付かない課程だと対象外です。そして専門士があっても、学んだ内容が就職したい仕事と関係ないと認められないことがあります。申請の書類に「修得内容の詳細」が入っているのは、そこを見るためです。
申請はいつ・何が要る?——卒業前に推薦状を頼む
申請は、今の「留学」から「特定活動」への在留資格変更許可申請です。卒業前でも、学校の推薦状と卒業見込み証明書があれば申請できます(許可のときに卒業証書か卒業証明書を出します)。
| 書類 | どこで・注意 |
|---|---|
| 在留資格変更許可申請書・写真1枚 | 入管のサイトから。写真は縦4cm×横3cm |
| パスポート・在留カード | 提示 |
| 生活費を払えることの証明 | 預金残高など。自分以外が払うなら、その人の証明と経緯 |
| 卒業証書(写し)か卒業証明書 | 卒業前の申請なら卒業見込み証明書 |
| 学校の推薦状 | 入管に様式があります。学校の就職課・留学生課に頼む |
| 就活を続けていることが分かる資料 | 応募や面接の記録など。公式の指定は「適宜」 |
| (専門学校の人だけ)専門士の証明書・成績証明書・学んだ内容の詳細 | 学校で発行 |
いちばん大事なのは推薦状です。これは学校が出すもので、自分では用意できません。しかも入管の要件は「卒業前から引き続き行っている就職活動」です。卒業してから慌てて就活を始めた人向けの制度ではありません。在学中から応募していた記録を残しておくことと、卒業の1〜2か月前に就職課へ推薦状を頼むことが、ここで効きます。
6か月後の更新にも、推薦状と就活を続けている資料がもう一度要ります。
その間アルバイトはできる?——許可を取れば週28時間まで
できます。ただし許可が要ります。入管の案内は、特定活動の人が資格外活動の許可を受けて、週28時間以内で働ける、としています。「留学」のときの許可のまま働き続けるのではなく、特定活動に変わるときに、あらためて許可を受けてください。
留学生のときにあった「長期休業中は1日8時間」は、「留学」の在留資格だけの扱いです。卒業して学生ではなくなったので、夏休みも冬休みもありません。いつでも週28時間です。数え方はアルバイトの28時間の記事と同じです。
就活の一環のインターンシップなら、週28時間を超える許可を受けられることもあります。
内定が出たら?——採用日まで残れる「特定活動」に切り替える

内定が出たら、行き先は2つです。
- すぐ働き始める——就労の在留資格(技術・人文知識・国際業務など)への変更を申請します。落ちる理由と準備は留学から就労ビザへの変更の記事にまとめています。
- 採用日(入社日)まで間がある——たとえば秋に内定して入社は4月、という場合です。その間は、内定者のための「特定活動」に変更して待てます。条件は、内定から1年以内、かつ卒業から1年6か月以内に採用されること、そして内定先の会社が、定期的に連絡をとることと、内定を取り消したら入管に連絡することを誓約することです。この間も、許可を取れば週28時間まで働けます。
「卒業から1年6か月」は、就活ビザで1年使ったあとに内定しても、採用が卒業から1年半を超えると使えない、ということです。就活が長引いた人ほど、入社日の相談を早めに会社としてください。
いくらかかる?——10月1日から、6か月で18,000円
在留資格の変更と更新には手数料がかかります(許可されたときに払います)。2026年9月30日までに受け付けられた申請は6,000円(オンライン5,500円)です。
2026年10月1日からは、許可される期間で額が決まります。就活ビザの6か月は「3か月超6か月以下」の区分で、窓口18,000円、オンライン15,000円。更新でもう6か月もらうと同じ額がかかるので、1年で最大36,000円です。値上げの全体は在留許可手数料の値上げの記事にあります。
これに加えて、その間の家賃と生活費がかかります。申請書類に「生活費を払えることの証明」があるのはそのためです。アルバイト週28時間の収入だけで1年を暮らせるかは、先に計算しておいてください。
1年で決まらなかったら?——帰国するか、別の在留資格へ
就活ビザの期間(自治体の事業に乗れれば2年)が終わっても就職が決まらなければ、日本に残る根拠がなくなります。帰国するか、進学など別の在留資格に変えることになります。期限を過ぎて残ると不法残留です。
帰国する場合は、年金や住民税の手続きに順番があります。帰国前のチェックリストを見て、払った年金の一部を取り戻す脱退一時金まで含めて済ませてください。
終わりの判断——自分はどれか
- 大学・専門学校(専門士)の最終学年で、まだ内定が無い——今月中に就職課へ「卒業後の継続就職活動の推薦状」を頼む。応募・面接の記録を残し始める。
- 日本語学校の学生(母国で大学を出ていない)——就活ビザは使えない。日本で就職したいなら、専門学校か大学への進学を在学中に決める。
- 日本語学校の学生(母国で大学を出ている)——出席率9割以上を守り、学校が認定校か、就職支援の要件を満たすかを学校に確かめる。
- もう内定がある——入社日までの期間を確認。すぐなら就労ビザへ、間が空くなら内定者の特定活動へ。
よくある質問(FAQ)
Q. 卒業後も就活のために日本に残れますか?
残れます。在留資格「特定活動」(継続就職活動)に変更すれば6か月、1回更新して最長1年です。自治体の就職支援事業の対象になれば、さらに1年残れます。
Q. 日本語学校を卒業した人も対象ですか?
日本語学校だけを出た人は対象外です。対象になるのは、海外で学士以上の学位を取ったうえで、条件を満たす日本語学校を出席率おおむね9割以上で卒業した人だけです。
Q. 就活ビザの間、アルバイトはできますか?
資格外活動の許可を受ければ、週28時間以内でできます。特定活動に変わるときに、あらためて許可を受けてください。長期休業中の1日8時間の扱いはありません。
Q. 専門学校の卒業生も使えますか?
専門士を取って卒業し、学んだ内容が就労の在留資格の仕事と関連がある場合は使えます。専門士が付かない課程は対象外です。
Q. 何が一番必要ですか?
卒業した学校の推薦状です。入管に様式があり、学校が出します。卒業前から就活をしていたことも条件なので、応募や面接の記録を残してください。
Q. 内定が出たあと、入社まで日本にいられますか?
いられます。内定者のための「特定活動」に変更できます。内定から1年以内、かつ卒業から1年6か月以内に採用されることが条件です。
Q. 費用はいくらですか?
2026年10月1日からは、6か月の許可で窓口18,000円、オンライン15,000円です。更新でも同じ額がかかります。9月30日までに受け付けられた申請は6,000円(オンライン5,500円)です。
まとめ
卒業までに内定が無くても、すぐに帰国しなくていい人がいます。大学・短大・大学院・高専の卒業生と、専門士を取った専門学校の卒業生は、「特定活動」で6か月、更新して最長1年、就活を続けられます。日本語学校だけの人は対象外なので、進学を在学中に決めてください。
鍵は卒業前に頼む学校の推薦状と、在学中から残す就活の記録。その間のアルバイトは許可を受けて週28時間まで。内定が出たら就労ビザへ、入社まで間があれば内定者の特定活動へ。10月1日からは6か月ごとに18,000円(オンライン15,000円)かかります。
出典(公式):出入国在留管理庁「大学等を卒業後就職活動のための滞在をご希望のみなさまへ」/同「本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合」/同「内定者のための特定活動」/同「留学生の就職」。制度と金額は2026年9月23日に確認したものです。申請の前に必ず公式と学校の就職課で確かめてください。
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