最終更新:2026年9月3日
この記事の結論(Summary)
- 家族を呼ぶとは、家族に「家族滞在」という在留資格を取ってもらうことです。
- 呼べるのは配偶者と子だけです。親は、法律の条文に入っていません。
- 特定技能1号と技能実習では呼べません。条文に書かれていないからです。
- 特定技能2号なら呼べます。この1号と2号の差は、家族にとって決定的です。
- 留学でも呼べます。意外に知られていませんが、条文に入っています。
- 留学生の収入の証明は、預金残高証明書でかまいません。公式にそう書かれています。
- ネパール国籍の家族は、結核の証明書が必要です。2025年6月23日から義務になりました(スリランカは対象外)。
家族と離れて何年も経つ。仕送りは続けている。そろそろ日本に呼びたい。
でも調べ始めると、書いてあることがばらばらです。呼べると書いてあるサイトと、呼べないと書いてあるサイトがある。どちらも正しいことがあります。あなたの在留資格によって、答えが変わるからです。
この記事は、法律の条文と入管庁・外務省・厚生労働省の資料だけで組み立てています。
家族を呼ぶとは?——「家族滞在」を取ってもらうことです
家族を日本に呼ぶとは、家族に「家族滞在」という在留資格を取ってもらうことです。あなたが日本で持っている在留資格に、家族がぶら下がる形になります。
入管法の条文はこう書いています。家族滞在とは、決められた在留資格を持つ人の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動です。
ここに、この記事の答えのほとんどが入っています。「配偶者又は子」と「決められた在留資格」の2つです。
呼べるのは配偶者と子だけです

条文にあるのは配偶者と子だけです。つまり——
- 呼べる:配偶者(夫・妻)、子
- 家族滞在では呼べない:親、兄弟姉妹、祖父母、おじ・おば
親を呼びたい人が、いちばん多く突き当たるのがここです。親は家族滞在の対象ではありません。「まだ知らないだけで方法があるのでは」と探し続けている人がいますが、条文に無いものは無いのです。別の道はこの記事の後半に書きます。
あなたの在留資格で、呼べますか
次に「決められた在留資格」のほうです。条文に名前が挙がっている在留資格でなければ、配偶者や子でも呼べません。

| あなたの在留資格 | 配偶者・子を呼べるか |
|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | ◯ 呼べます |
| 高度専門職/経営・管理/法律・会計業務/医療/研究/教育/企業内転勤/介護/興行/技能 | ◯ 呼べます |
| 教授/芸術/宗教/報道/文化活動 | ◯ 呼べます |
| 特定技能2号 | ◯ 呼べます |
| 留学 | ◯ 呼べます |
| 特定技能1号 | × 呼べません |
| 技能実習 | × 呼べません |
留学が入っていることに驚く人が多いと思います。学生でも、配偶者と子は呼べます。条文にはっきり書かれています。
なお、永住者や日本人の配偶者の家族は「家族滞在」ではなく、別の在留資格になります。この記事の範囲の外です。
特定技能1号だと、なぜ呼べないのですか
理由は単純で、家族滞在の条文に「特定技能1号」が書かれていないからです。書かれているのは特定技能2号のほうだけです。
だから1号から2号へ上がることは、給料の話であると同時に、家族の話でもあります。特定技能1号は在留できる期間が通算で原則5年以内と決まっていますが、2号にはその制限がありません。家族と暮らせるかどうかが、ここで分かれます。
技能実習も同じで、条文に入っていません。在留資格ごとの給料を見ると、この差はお金にも出ています。
手続きは、どういう順番ですか
家族はまだ海外にいます。日本国内では手続きが完結しません。順番はこうです。
- あなたが日本の入管で「在留資格認定証明書」を申請する。家族の代わりに、日本にいるあなたが出します
- 交付されたら、その証明書を家族に送る
- 家族が、住んでいる国の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)を申請する。外務省は「日本国内では申請できません」と明記しています
- 査証が出たら来日。空港で「家族滞在」の在留カードが出ます
外務省によると、査証の審査は問題がなければ受理から概ね1週間です。ただし在留資格認定証明書のほうに時間がかかります。早めに動いてください。
よくある間違い
書類を外務省や大使館に送らないでください。外務省は「招へい人及び身元保証人は、書類が整いましたら、それらの書類を査証申請人に送付してください」と書いています。送る先は家族本人です。
必要な書類——留学生は預金残高証明書でいい
在留資格認定証明書の申請で出すものは、入管庁のページに一覧があります。主なものはこれです。
- 申請書1通と写真1葉
- 返信用封筒(簡易書留の切手を貼ったもの)
- 身分関係を証する文書——戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書の写し、出生証明書の写しなど
- 扶養者(あなた)の在留カードか旅券の写し
- 扶養者の職業と収入を証する文書
最後の「収入を証する文書」で、多くの人が止まります。ここが在留資格で分かれます。
収入をどう証明するか
働いて収入がある人(就労の在留資格)
在職証明書などと、住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書。1年間の総所得と納税状況が書かれたもので、市区町村の役所で出してもらいます。
それ以外の人(留学生など)
あなた名義の預金残高証明書、または奨学金の給付額と期間を書いた証明書。入管庁が公式にそう書いています。収入が無くても、扶養できることを示せばよいということです。
ほかに2つ、見落としやすい決まりがあります。日本で発行される証明書は、発行日から3か月以内のもの。そして外国語の書類には日本語の訳を付けることです。
ネパールの家族には、結核の証明書が要ります
これは新しい決まりで、知らずに進めると申請が止まります。
厚生労働省の入国前結核スクリーニング(JPETS)により、2025年6月23日から、フィリピンとネパールでは、在留資格認定証明書またはビザの申請時に「結核非発病証明書」の提出が義務になりました。ベトナムは2025年9月1日からです。
対象になるのは、フィリピン・ベトナム・インドネシア・ネパール・ミャンマー・中国の国籍で、中長期在留者として日本に入国しようとする人です。家族滞在は中長期在留者にあたるので、対象になります。
3つだけ、覚えてください
① 指定された医療機関(Panel Clinic)の証明書だけが有効です。近所の病院では認められません
② 厚労省は証明書の偽造などの不正行為は申請に重大な影響を及ぼすと警告しています
③ スリランカは対象国ではありません。インドネシア・ミャンマー・中国は開始日が未定です
ネパールの指定医療機関は、JPETSの公式サイトに一覧があります。サイトはネパール語にも対応しているので、家族に直接見てもらえます。検査には日数がかかるので、証明書を取ってから申請の予定を立ててください。
親を呼びたいときは、どうしますか
くり返しになりますが、親のための在留資格は用意されていません。ここは正直に書きます。長く一緒に住んでもらう方法は、制度としてありません。
できるのは短期滞在で来てもらうことです。外務省は短期滞在を「観光、商用、知人・親族訪問等90日以内の滞在」と定めています。90日まで一緒に過ごせます。
ただし収入を伴う事業を運営する活動や、報酬を得る活動は認められません。働いてもらうことはできません。
短期滞在の査証では、日本にいるあなたが招へい人になります。外務省のサイトから身元保証書と招へい理由書と滞在予定表の様式をダウンロードして記入し、家族に送ります。押印は不要です。必要書類は国籍と在外公館によって違うので、家族が住んでいる国の日本大使館のページを必ず見てください。
呼んだあと、家族は働けますか
そのままでは働けません。家族滞在は「日常的な活動」をするための在留資格だからです。
働くには資格外活動許可が必要で、許可が出ても週28時間までです。数え方が留学生とは違うところがあり、超えたときの影響も含めて、家族滞在で働くルールに詳しく書きました。呼ぶ前に読んでおいてください。「来てから働けばいい」という前提で家計を組むと、足りなくなります。
終わりの判断——今週やること
- 自分の在留カードを見て、在留資格を確かめる。特定技能なら1号か2号かを確認してください。ここで結論が変わります
- 呼べるなら、身分関係の書類を家族に頼む(結婚証明書・出生証明書など)。取り寄せに時間がかかります
- 収入の証明を用意する。働いているなら役所で課税証明書と納税証明書、学生なら預金残高証明書
- 家族がネパール国籍なら、JPETSの指定医療機関を調べて予約する
- 親を呼びたいなら、短期滞在の様式を外務省のサイトからダウンロードする
1は今日、5分で終わります。ここで「特定技能1号だった」と分かれば、2号を目指す計画に切り替えられます。
よくある質問(FAQ)
Q. 特定技能で家族を呼べますか。
特定技能2号なら呼べます。特定技能1号は呼べません。家族滞在の条文に挙げられている在留資格に特定技能2号は入っていますが、特定技能1号は入っていないためです。技能実習も同じ理由で呼べません。
Q. 親を日本に呼んで一緒に住めますか。
家族滞在で呼べるのは配偶者と子だけで、親は条文に入っていません。長期間一緒に住むための在留資格は用意されていません。短期滞在(親族訪問)なら90日以内で来てもらえますが、報酬を得る活動はできません。
Q. 留学生でも家族を呼べますか。
呼べます。家族滞在の条文に「留学」が入っています。収入を証明する書類は、在職証明書や課税証明書の代わりに、あなた名義の預金残高証明書または奨学金の給付証明書でかまいません。
Q. 手続きはどこから始めますか。
日本にいるあなたが、日本の地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付を申請します。交付されたら家族に送り、家族が住んでいる国の日本大使館・総領事館で査証を申請します。査証の申請は日本国内ではできません。
Q. 結核の証明書は誰に必要ですか。
フィリピン・ベトナム・インドネシア・ネパール・ミャンマー・中国の国籍で、中長期在留者として日本に入国する人です。フィリピンとネパールは2025年6月23日から、ベトナムは2025年9月1日から義務になりました。指定された医療機関が発行した証明書だけが有効です。スリランカは対象国ではありません。
Q. 呼んだあと、配偶者はすぐ働けますか。
そのままでは働けません。資格外活動許可を取る必要があり、許可が出ても原則として週28時間までです。
Q. 書類は大使館に送ればいいですか。
いいえ。外務省は、招へい人と身元保証人が用意した書類は査証申請人本人に送るように、と案内しています。外務省や在外公館には送らないでください。
まとめ
- 家族を呼ぶとは、家族に「家族滞在」の在留資格を取ってもらうこと
- 呼べるのは配偶者と子だけ。親・兄弟姉妹は条文に入っていない
- 技術・人文知識・国際業務、特定技能2号、留学などは呼べる
- 特定技能1号と技能実習は条文に無いので呼べない。1号から2号は家族の話でもある
- 手続きは、日本で認定証明書 → 家族に送る → 現地の大使館で査証、の順
- 収入の証明は、働いていれば課税証明書と納税証明書、学生なら預金残高証明書でよい
- 日本発行の証明書は3か月以内。外国語の書類には日本語訳を付ける
- ネパール国籍の家族は2025年6月23日から結核非発病証明書が必須。スリランカは対象外
- 親は短期滞在で90日まで。報酬を得る活動はできない
- 呼んだあと働くには資格外活動許可が要り、週28時間まで
参照:出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」/同「在留資格『特定技能』」/同「在留資格認定証明書交付申請」/外務省「査証(ビザ)」/厚生労働省「入国前結核スクリーニング(JPETS)」
役に立ったら、友達にも教えてください
Found this useful? Share it with a friend who lives in Japan.
ほかのことを探していますか

