家族滞在のアルバイト|28時間の数え方と、超えたらどうなるか

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家族滞在と留学の資格外活動許可を比べ、長期休業の1日8時間の例外が家族滞在には無いことを示した図解 守る力
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最終更新:2026年8月27日

この記事の結論(Summary)

  • 家族滞在は、そのままでは1円も稼げません。先に資格外活動許可を取って、はじめて週28時間まで働けます。
  • ★留学生にある「長期休業中は1日8時間」が、家族滞在にはありません。夏休みに友達と同じだけ働くと、あなただけが超えます。
  • 超えたときの分かれ目は「専ら(もっぱら)」です。少し超えた場合と、働くことが生活の中心になっている場合とで、法律上の扱いが変わります。
  • 配達の仕事は、稼働時間が記録で確認できるなら、ふつうの許可(包括許可)のままで大丈夫です。
  • 28時間と「扶養から外れる」は、別の制度です。28時間を守っていても外れることがあります。

「夫(妻)の扶養で来ているだけだから、少し働くくらい平気だろう」——これがいちばん危ない思い込みです。家族滞在は、許可を取るまで働くこと自体が禁止されています。

この記事では、28時間の数え方、留学生との違い、超えてしまったときに何が起きるかを、出入国在留管理庁の説明と入管法の条文にもとづいて書きます。

家族滞在は、そのままでは働けません

入管法第19条第1項は、在留資格ごとに決められた活動以外で収入を得ることを禁じています。家族滞在の活動は「扶養を受ける配偶者または子として行う日常的な活動」です。働くことは、ここに入っていません。

働くには「資格外活動許可(しかくがいかつどうきょか / shikakugai katsudo kyoka)」が要ります。これは、決められた活動以外のことをしてよい、という入管の許可です。在留カードの裏に記載され、カードの表にも「就労不可」から変わったことが分かるようになります。

在留カードに「就労不可」と書いてありますか

許可を取る前は、そう書かれています。その状態で働くと、金額に関係なく違反です。1日だけの手伝いでも、報酬を受け取れば同じです。まず許可を取ってください。手数料はかかりません。

「特定活動」で家族の扶養を受けている配偶者や子も、原則として家族滞在と同じ扱いになります。自分の在留資格がどちらでも、この記事の内容は当てはまります。

28時間の数え方——留学生と同じではありません

許可を取ると、1週について28時間以内で働けます。ここまでは留学生と同じです。

家族滞在と留学の資格外活動許可を比べた図解。どちらも1週について28時間以内だが、留学には教育機関の長期休業期間は1日について8時間以内という例外があり、家族滞在にはこの例外がない。夏休みに留学生の友達と同じだけ働くと家族滞在の人だけが上限を超える。

違うのは、長期休業のときです。

留学の資格外活動許可には、こう書かれています。

1週について28時間以内(教育機関の長期休業期間にあっては、1日について8時間以内)

出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」

家族滞在のページに、このかっこ書きはありません。1週について28時間以内、それだけです。

つまり——夏休みや春休みに、留学生の友達が1日8時間働いているのを見て、同じように入ると、あなただけが上限を超えます。同じ職場で、同じシフトで、片方だけが違反になります。ここに気づいていない人がとても多いところです。

「1週」の数え方は、どの曜日から数えても28時間を超えないことが必要です。月曜からの1週間で28時間に収まっていても、水曜からの1週間で超えていれば違反になります。アルバイトの28時間ルールに、この数え方を詳しく書いています。

超えたら、どうなりますか

ここが読者のいちばんの不安だと思います。結論から言うと、少し超えたことと、働くことが生活の中心になっていることは、法律上まったく別の扱いです。

資格外活動の違反で扱いが二つに分かれることを示した図解。専らとまでは言えない場合は入管法第73条で1年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金。専ら行っていると明らかに認められる場合は第70条第1項第4号で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金となり、さらに第24条第4号イの退去強制事由にも当たる。退去強制の要件にも専らが入っている。

「専ら」とまでは言えない場合は、入管法第73条です。1年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその両方と定められています。

「専ら行つていると明らかに認められる」場合は、第70条第1項第4号になります。3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です。

そして重いのはここです。退去強制の事由(第24条第4号イ)にも、「専ら行つていると明らかに認められる者」と書かれています。条文が同じ言葉を使っています。

分かれ目は「専ら」です

数時間超えたことが、そのまま強制送還につながるわけではありません。退去強制の条文には「専ら」が入っています。ただし何時間までなら「専ら」に当たらないか、という線は公表されていません。安全な数字は存在しないので、28時間を守るのが唯一の答えです。

いま超えている自覚があるなら、まずシフトを減らしてください。次の在留期間の更新のときに、働き方は見られます。減らした実績があるのと、超えたまま申請するのとでは、まったく違います。

配達やフリーランスは、どちらの許可が要りますか

資格外活動許可には、包括許可個別許可の2つがあります。ふつうのアルバイトは包括許可です。

配達の仕事は、包括許可のままで大丈夫です。出入国在留管理庁は、包括許可の対象に次のものを含めています。

個人事業主として配達等の依頼を受注し、成果に応じた報酬を得る活動で、稼働時間を客観的に確認することができるもの

出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格に係る資格外活動許可について」

条件は「稼働時間を客観的に確認することができる」ことです。アプリに稼働時間の記録が残るタイプの仕事なら、これに当たります。

個別許可が要るのは、時間が記録に残らない働き方です。業務委託や請負の契約で、標準的に何時間働くのかが契約から分からない場合が、これに当たります。

なお、法人をつくる、人を雇う、事務所を借りる——ここまで行くと、資格外活動許可では足りません。「経営・管理」の在留資格への変更が必要になります。

許可があっても、できない仕事があります

資格外活動許可を持っていても、風俗営業に関わる仕事は全面的に禁止です。

対象は、風俗営業・店舗型性風俗特殊営業・特定遊興飲食店営業が行われている店での活動、および無店舗型性風俗特殊営業などに従事する活動です。キャバクラやパチンコ店では、皿洗いや清掃であっても働けません。店の中でする仕事は、職種を問わず対象になります。

「時給が高いから」と誘われることがありますが、ここは例外がありません。

「扶養から外れる」のは、別の話です

28時間のルールと、税金や健康保険の「扶養」は、まったく別の制度です。混ぜて考えると間違えます。

28時間は入管のルールで、破ると在留資格の問題になります。扶養は税金と社会保険のルールで、外れると自分で保険料を払うことになります。

28時間を守っていても、収入によっては扶養から外れます。逆に、扶養の中に収まっていても、28時間を超えていれば入管の違反です。2つの線を、別々に見てください。

扶養の基準(金額と条件)は、扶養している人が入っている健康保険によって扱いが違います。勤め先の健康保険組合か、協会けんぽに確認してください。この記事では金額を書きません。確かめずに書ける数字ではないためです。

収入が増えて扶養から外れたときは、自分で国民健康保険に入るか、勤め先の社会保険に入ることになります。所得税と確定申告の扱いも変わります。

終わりの判断——今日やることは3つです

  1. 在留カードの裏を見てください。資格外活動許可の記載がなければ、まだ働けません。入管で申請します。手数料はかかりません
  2. 先月のシフトを、どの曜日から数えても28時間以内か確かめてください。月曜起算だけで見ていると見落とします
  3. 長期休業の予定を、今のうちに立て直してください。家族滞在に1日8時間の例外はありません

働き方を変えて、扶養を外れて自分で働くことを考えるなら、就労ビザへの変更という道もあります。28時間の上限そのものが無くなります。

よくある質問(FAQ)

Q. 家族滞在で、資格外活動許可なしに働けますか。
働けません。在留カードに「就労不可」と書かれている状態で報酬を受け取ると、金額や日数に関係なく入管法第19条第1項の違反になります。許可の申請に手数料はかかりません。

Q. 家族滞在も、長期休業中は1日8時間働けますか。
できません。1日8時間の例外は「留学」の資格外活動許可にだけ書かれていて、家族滞在のページにはありません。家族滞在は、休みの期間も1週について28時間以内です。

Q. 28時間を超えてしまいました。すぐ強制送還されますか。
退去強制の条文(入管法第24条第4号イ)には「専ら行つていると明らかに認められる者」と書かれています。数時間超えたことが直ちにこれに当たるわけではありません。ただし何時間までなら安全か、という線は公表されていません。まずシフトを減らしてください。

Q. ウーバーイーツのような配達の仕事はできますか。
稼働時間を客観的に確認できるものであれば、包括許可のままでできます。出入国在留管理庁が包括許可の対象として明記しています。時間が記録に残らない働き方の場合は個別許可が要ります。

Q. 28時間を守っていれば、扶養から外れませんか。
別の制度なので、そうとは限りません。28時間は入管のルール、扶養は税金と社会保険のルールです。扶養の基準は、扶養している人が入っている健康保険に確認してください。

Q. 家族滞在で社会保険に入れますか。
勤め先の加入条件を満たせば入ります。在留資格ではなく、労働時間や賃金などの条件で決まります。加入すると扶養からは外れます。

まとめ

  • 家族滞在は資格外活動許可を取るまで働けない。手数料は無料
  • 許可を取ると1週について28時間以内留学生にある「長期休業中は1日8時間」は無い
  • 「1週」はどの曜日から数えても28時間以内であること
  • 超えたときの分かれ目は「専ら」。第73条(1年以下・200万円以下)と、第70条第1項第4号+退去強制(3年以下・300万円以下)で扱いが変わる
  • 配達は包括許可のままでよい(稼働時間が客観的に確認できる場合)。風俗営業関係は全面禁止
  • 28時間と「扶養から外れる」は別の制度。2つの線を別々に見る

出典(公式):出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格に係る資格外活動許可について」「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」「資格外活動許可申請」e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」

条文と条件は2026年8月27日時点で出入国在留管理庁のページとe-Gov法令検索を確認したものです。制度は変わることがあるので、手続きの前に必ず最新の内容をご自身で確かめてください。個別の事情の判断は、地方出入国在留管理局か行政書士にご相談ください。

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