この記事は2026年9月23日に、日本年金機構の「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「免除等の申請が可能な期間」「強制徴収」「延滞金」「脱退一時金」、国民年金法(e-Gov)、出入国在留管理庁の在留期間更新・永住許可のガイドラインで確かめて書いています。
先に結論
- 日本に住む20歳から60歳未満の人は、国籍に関係なく国民年金に入ります。会社の厚生年金に入っていない人は、2026年度は月17,920円を自分で払います。
- 払えないなら、国民年金の免除を申請します。国民年金の免除とは、前年の所得が少ないときや失業したときに、保険料の全部か一部を払わなくてよくする制度です。全額・4分の3・半額・4分の1の4段階と、50歳未満の納付猶予があります。
- 会社を辞めた人は「失業の特例」で、前年の所得に関係なく免除を受けられます。離職票のコピーを付けて出します。
- 申請は2年1か月前の分までさかのぼれます。市区町村の国民年金窓口、年金事務所、郵送、マイナポータルのどれでも出せます。
- 何もしないで未納にするのが、いちばん損です。督促・延滞金・差押えの対象になり、障害年金を受けられないことがあり、在留期間の更新や永住の審査でも見られます。
これが分かると、月17,920円の納付書を前にして「払う・免除を申請する・放っておく」のどれが自分に合うかを今日決められ、在留資格に響く未納を作らずに済みます。
会社を辞めて1か月。日本年金機構から、国民年金の納付書が届きました。1か月17,920円。失業保険はまだ振り込まれていません。日本人の友達に「これ、払わないとどうなるの?」と聞いても、はっきりした答えは返ってきません。会社で働いている友達は、年金が給料から引かれているので、納付書を自分で払ったことがないのかもしれません。
この記事は、学生ではない外国人のための国民年金の話です。会社を辞めた人、パートや個人の仕事で収入が少ない人、家族と暮らしている人。留学生の人は学生納付特例の記事を読んでください。制度が別です。
- 外国人も国民年金を払うの?——20〜60歳で日本に住めば、国籍は関係ない
- 国民年金の保険料はいくら?——2026年度は月17,920円
- 国民年金の免除とは?——全額・4分の3・半額・4分の1と、納付猶予
- 国民年金の免除の条件は?——前年の所得で決まる
- 失業したら国民年金は免除される?——前年の所得に関係ない特例がある
- 国民年金の免除申請のやり方と期限——2年1か月前までさかのぼれる
- 国民年金を未納のままにするとどうなる?——督促・延滞金・差押え
- 未納はビザの更新や永住に響く?——入管のガイドラインに書かれている
- 免除のデメリットは?——年金額と脱退一時金が減る
- 終わりの判断——自分はどれか
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- あわせて読みたい
外国人も国民年金を払うの?——20〜60歳で日本に住めば、国籍は関係ない
払います。日本年金機構は、日本に住む20歳以上60歳未満の人で、厚生年金に入っていない人は「すべて」国民年金の第1号か第3号の被保険者になると案内しています。英語の案内には、国籍に関係なく(regardless of nationality)とはっきり書かれています。法律(国民年金法7条)の加入の条件にも、国籍は出てきません。
自分で保険料を払うのは「第1号」の人です。たとえば次のような人です。
- 会社を辞めて、次の会社にまだ入っていない人
- 個人で仕事をしている人、会社の社会保険に入らない短い時間のパートの人
- 配偶者が会社員ではない(自営業・無職など)、または配偶者の扶養に入っていない人
会社で厚生年金に入っている人は、国民年金の分も給料から引かれているので、納付書は来ません(厚生年金の仕組み)。会社員の配偶者に扶養されている人は「第3号」で、自分では払いません。社会保障協定を結んでいる国から来た人は、加入が免除されることがあります。
会社を辞めたときは、退職日の翌日から14日以内に市区町村で国民年金に切り替えます。切替えの手続き全体は外国人の退職手続きにまとめています。
国民年金の保険料はいくら?——2026年度は月17,920円
2026年4月から2027年3月までの保険料は、1か月17,920円です。4月分は5月末まで、というように、納付期限は翌月の末日です。銀行・郵便局・コンビニ、口座振替、クレジットカード、スマートフォンのアプリで払えます。市役所の窓口では払えません。
1年分にすると215,040円です。一部だけ免除されたときに払う額は、次のとおりです。
| 区分 | 1か月に払う額(2026年度) |
|---|---|
| 免除なし | 17,920円 |
| 4分の1免除 | 13,440円 |
| 半額免除 | 8,960円 |
| 4分の3免除 | 4,480円 |
| 全額免除・納付猶予 | 0円 |
一部免除は、残りの額を払って初めて免除として扱われます。払わなければ、その月は未納です。どの段階になるかは、前年の所得で決まります。
国民年金の免除とは?——全額・4分の3・半額・4分の1と、納付猶予

払えない人のための正式な道は5つあります。どれも自分で申請し、承認されて初めて効きます。
免除(全額・4分の3・半額・4分の1)は、払わなかった分があっても、将来の年金に一部が反映されます。国が税金で半分を持っているからです。全額免除の月でも、年金額は払った月の2分の1になります。
納付猶予は、20歳以上50歳未満の人だけの制度です。「払うのを待ってもらう」もので、年金額には反映されません。そのかわり審査されるのは本人と配偶者の所得だけで、世帯主の所得は見られません。世帯主の収入が多くて免除が通らない人でも、猶予なら通ることがあります。
免除と猶予の月は、どちらも年金を受け取るのに必要な「10年」(受給資格期間)に数えます。未納の月は数えません。ここが、申請するかしないかの一番大きな違いです。
赤ちゃんがいる人には、2026年10月から別の制度も始まります。子が1歳になるまで、国民年金の第1号の親は、届け出れば所得に関係なく保険料が免除され、その期間は払ったものとして年金額に入ります(育児免除制度)。
国民年金の免除の条件は?——前年の所得で決まる
審査されるのは、本人・配偶者・世帯主の前年の所得です。所得とは、収入から経費や給与所得控除を引いた額のことです。基準は次の計算式です。
- 全額免除・納付猶予:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
- 4分の3免除:88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 半額免除:128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 4分の1免除:168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
一人暮らしで扶養する家族がいなければ、全額免除の線は所得67万円です。扶養する家族が1人いれば102万円になります。給料だけの人なら、2025年の給与所得控除は収入190万円まで65万円なので、所得67万円は年収およそ132万円にあたります(国税庁)。
数え方で間違えやすい点が3つあります。
- 免除の「年度」は7月から翌年6月です。2026年7月から2027年6月の分は、2025年の所得で審査されます
- 配偶者や世帯主の所得が多いと、本人の所得がゼロでも通らないことがあります
- 前年に日本で税の申告をしていない人は、先に市区町村で住民税の申告をします。所得がゼロでも申告が要ります(国民健康保険の軽減と同じ理由です)
前年の1月1日に海外に住んでいた人は、申請書の「特記事項」欄に国名と日本に来た日を書きます。日本での所得の記録が無い年の分を申請するときに必要です。
失業したら国民年金は免除される?——前年の所得に関係ない特例がある
会社を辞めた人には「失業等による特例免除」があります。前年の所得が多くても、失業した事実が書類で確認できれば、所得に関係なく免除や納付猶予を受けられます。
付ける書類は、雇用保険に入っていた人なら次のどれかのコピーです。
- 会社から届く「雇用保険被保険者離職票」
- ハローワークでもらう「雇用保険受給資格者証」「雇用保険受給資格通知」
免除が始まるのは、失業した月の前月からです。失業した日は、離職日の翌日として数えます。
気をつける点が2つあります。まず、配偶者や世帯主がいる人は、その人も所得の基準を満たすか、同じく失業の特例に当たる必要があります。次に、失業の特例は翌年度も申請し直します。全額免除や納付猶予のように、自動で続く「継続審査」はありません。
失業保険(基本手当)をもらっていても、この特例は使えます。外国人の失業保険で最初の振込みまでの期間を確かめて、その間の保険料を免除にしておくと、手元のお金が持ちます。
国民年金の免除申請のやり方と期限——2年1か月前までさかのぼれる
出す場所は4つあり、どれでもかまいません。
- 住所地の市区町村の国民年金の窓口
- 近くの年金事務所
- 郵送(必要な書類と一緒に送る)
- マイナポータルからオンライン(マイナンバーカードが要る)
必要なものは、「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」と、基礎年金番号通知書かマイナンバーカードです。マイナンバーカードが無い人は、マイナンバーが分かる書類と、在留カードなどの本人確認書類を持っていきます。失業の特例を使う人は、離職票などのコピーも付けます。所得の証明は、原則として要りません。
申請できるのは、保険料の納付期限から2年たっていない月です。申請した時点から数えて、2年1か月前の分までさかのぼれます。2年を過ぎた月は、時効でもう免除を申請できません。遅れている人ほど、1か月ごとに申請できる月が消えていきます。
言葉が心配な人は、日本年金機構の「ねんきん加入者ダイヤル」0570-003-004に電話できます。英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語・ベトナム語・インドネシア語・タイ語・ネパール語・ミャンマー語の通訳が無料です。最初に使いたい言葉を伝えます。050で始まる電話からは03-6630-2525にかけます。
国民年金を未納のままにするとどうなる?——督促・延滞金・差押え

払わないでいると、まず電話や手紙で納付の案内が来ます。日本年金機構は、この案内を民間の会社に任せています。払える力があるのに払わない人には、最終催告状が届き、その次が督促状です。
督促状の期限までに払わないと、財産の差押えが行われます。対象は本人だけではありません。法律で世帯主と配偶者にも連帯して払う義務があり、その人たちにも督促状が送られ、差押えの対象になります。
督促状の期限を過ぎてから払うと、延滞金がかかります。計算は元の納付期限の翌日からです。2026年の割合は、納付期限から3か月までが年2.8%、それを過ぎると年9.1%です。日本年金機構の例では、2026年4月分を10月1日に払うと延滞金は250円です。
お金より重いのは、年金を受け取る権利です。事故や病気で障害が残ったとき、初診日の前々月までの1年間に未納があると、障害基礎年金を受け取れないことがあります。事故のあとでさかのぼって申請しても、この条件には間に合いません。
未納はビザの更新や永住に響く?——入管のガイドラインに書かれている
響くことがあります。出入国在留管理庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(2026年6月改正)は、国民健康保険料など法令で払うことになっているものについて、高額や長期の未納で悪質なものは消極的な要素として扱うとしています。関係機関から受け取った納付の情報を踏まえて判断することがある、という注も、この改正で足されました。
永住許可のガイドラインは、もっと直接的です。公的義務として「公的年金及び公的医療保険の保険料の納付」をあげ、申請の時点で払っていても、本来の期限内に払っていなければ原則として消極的に評価するとしています。日本年金機構のパンフレットにも、手続きをしないと在留資格の更新などに影響が出ることがある、と書かれています。
では、免除なら安心か。入管の文書に「免除を受けていれば問題ない」と書いたものはありません。確かなのは、年金機構の記録で免除と納付猶予は未納とは別の区分になる、ということです。2027年4月に始まる永住者の取消し制度については、分納や猶予を受けている場合は該当しない、とするガイドライン案が出ています。意見募集は9月4日に締め切られ、9月23日の時点で結果はまだ公示されていません(永住権の取り消しの条件)。
免除のデメリットは?——年金額と脱退一時金が減る
免除は未納より得ですが、払ったのと同じではありません。40年すべて払った人の老齢基礎年金は年847,300円、40年すべて全額免除だった人は年423,650円です(2026年度の目安)。
取り戻す方法が「追納」です。免除や猶予を受けた月は、10年以内ならあとから払えます。1年分を追納すると、全額免除の期間なら将来の年金が年約1万円、納付猶予なら年約2万円増えます。承認された年度の翌年度から数えて3年度目以降は、加算額が上乗せされます。
日本を離れる予定がある人は、脱退一時金との関係も見てください。脱退一時金の計算に入るのは、払った月と一部免除の月(4分の1免除は4分の3、半額免除は2分の1、4分の3免除は4分の1として数える)だけです。全額免除と納付猶予の月は入りません。未納の月も入りません。
2026年度に最後の保険料を払った人なら、脱退一時金は6か月ごとに53,760円、上限の60か月で537,600円です。請求には、払った月などが6か月以上あることと、日本に住所がなくなってから2年以内であることが条件です。
終わりの判断——自分はどれか
- 会社を辞めて、次の仕事がまだ決まっていない——退職日の翌日から14日以内に市区町村で国民年金に切り替え、同じ窓口で失業の特例免除を申請する。今日、離職票のコピーを取る。
- 収入が少なくて、月17,920円が重い——前年の所得を源泉徴収票や住民税の通知で確かめ、4段階のどれに当たるかを見る。申告していないなら住民税の申告からする。今日、市区町村の国民年金窓口に申請書をもらいに行くか、マイナポータルを開く。
- もう未納の月がある——2年1か月以内の月は、さかのぼって免除を申請できる。督促状が来ているなら、期限の前に年金事務所へ連絡する。今日、0570-003-004に電話して、未納の月を聞く。
- 数年のうちに帰国するつもり——払える月は払うか一部免除にすると、脱退一時金に数えられる。全額免除と猶予の月は数えられない。今日、帰国の予定日と、払った月の合計を書き出す。
よくある質問(FAQ)
Q. 外国人も国民年金を払う必要がありますか?
あります。日本に住む20歳以上60歳未満の人は、国籍に関係なく国民年金の対象です。会社の厚生年金に入っていない人は、2026年度は月17,920円を自分で払います。払えない場合は免除や納付猶予を申請できます。
Q. 国民年金の免除の条件は何ですか?
本人・配偶者・世帯主の前年の所得が基準以下であることです。全額免除なら(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円で、一人暮らしで扶養する家族がいなければ所得67万円です。4分の3・半額・4分の1免除は、88万円・128万円・168万円に控除額を足した額が線です。
Q. 会社を辞めたら国民年金は免除されますか?
申請すれば、前年の所得に関係なく免除を受けられる特例があります。離職票や雇用保険受給資格者証のコピーを付けて申請します。配偶者や世帯主がいる人は、その人も所得の基準か失業の特例に当たる必要があります。翌年度も申請し直します。
Q. 国民年金の免除申請は、いつまでさかのぼれますか?
申請した時点から2年1か月前の分までです。納付期限から2年たった月は、時効で申請できません。申請先は市区町村の国民年金窓口、年金事務所、郵送、マイナポータルです。
Q. 国民年金を払わないと、ビザの更新に影響しますか?
影響することがあります。入管の更新のガイドラインは、法令で払うことになっている保険料の高額・長期の未納で悪質なものを消極的な要素としています。永住許可のガイドラインは、公的年金の保険料の納付をはっきり条件にあげています。
Q. 免除を受けると、帰国のときの脱退一時金は減りますか?
減ります。脱退一時金に数えられるのは払った月と一部免除の月だけで、全額免除と納付猶予の月は入りません。10年以内に追納すれば、払った月として数えられるようになります。
まとめ
日本に住む20歳から60歳未満の外国人は、会社の厚生年金に入っていなければ、国民年金の保険料を自分で払います。2026年度は月17,920円です。払えないときは、前年の所得に応じて免除の4段階か納付猶予を、会社を辞めた人は失業の特例を申請します。2年1か月前の分までさかのぼれます。
いちばん避けたいのは、何もしないで未納にすることです。督促と延滞金、世帯主や配偶者まで含めた差押え、障害年金が受けられない可能性、そして在留の審査。免除には年金額と脱退一時金が減るという代償がありますが、未納の代償はそれより重く、あとから取り戻せません。
出典(公式):日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」/同「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」/同「国民年金保険料」/同「国民年金保険料の強制徴収」/同「国民年金保険料の延滞金」/同「脱退一時金」/同「多言語での相談」/出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」/同「永住許可に関するガイドライン」。2026年9月23日に確認したものです。申請の前に、市区町村の窓口か年金事務所で確かめてください。
あわせて読みたい
役に立ったら、友達にも教えてください
Found this useful? Share it with a friend who lives in Japan.
ほかのことを探していますか

