配偶者ビザと離婚|6か月で取り消される?正当な理由の4つの例

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配偶者ビザで離婚したあとの流れと、在留資格が取り消されない正当な理由を示した図解 守る力
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最終更新:2026年8月28日

この記事の結論(Summary)

  • 離婚・死別したら、14日以内に入管へ届け出る義務があります。これは在留資格が変わるかどうかとは関係なく、全員の義務です。
  • 離婚しても、すぐに在留資格がなくなるわけではありません。取消しの対象になるのは「配偶者としての活動を6か月以上していない」場合です。
  • ★その6か月にも「正当な理由」があれば取り消されません。公式に4つの例が公表されていて、そのひとつが「離婚調停または離婚訴訟中の場合」、もうひとつが「配偶者からの暴力(DV)による避難」です。
  • 取り消そうとするとき、入管には在留資格の変更か永住許可の申請の機会を与えるよう配慮する法律上の義務があります(入管法第22条の5)。
  • 仮に取り消されても、直ちに強制送還にはなりません。30日を上限に出国のための期間が指定されます。

婚姻が終わりそうなとき、いちばん怖いのは「明日から日本にいられなくなるのではないか」という思いだと思います。そうはなりません。制度には、あなたが思っているより時間と手順があります。

この記事では、届出の期限、6か月という数字の意味、そして「正当な理由」として公式に挙げられている4つの例を、入管法の条文と出入国在留管理庁の公表資料にもとづいて書きます。

まず14日以内に、届出をしてください

配偶者と離婚または死別したときは、その日から14日以内に、出入国在留管理庁へ届け出る義務があります。入管法第19条の16第3号です。

対象になるのは、日本人の配偶者等永住者の配偶者等、そして家族滞在(配偶者として来ている人)です。家族滞在で来ている人も同じ条文の対象です。

届出は「出ていってください」という意味ではありません

届け出ると在留資格が取り消される、と思って出さない人がいます。逆です。届出は事実を知らせる手続きで、それ自体があなたの立場を悪くすることはありません。出さないことのほうが、あとで不利にはたらきます。

離婚したら、すぐ在留資格がなくなりますか

なくなりません。条文をそのまま読むと、こうなっています。

その配偶者の身分を有する者としての活動を継続して六月以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)

入管法第22条の4第1項第7号

配偶者ビザで離婚したあとの流れを示した図解。離婚や死別から14日以内に届出の義務がある。配偶者としての活動を6か月以上していないと在留資格取消しの対象になるが、正当な理由があれば取り消されない。取り消そうとするときは在留資格の変更か永住許可の申請の機会を与えるよう配慮する義務が入管にあり、仮に取り消されても30日を上限に出国のための期間が指定される。

読みどころが3つあります。

1つめ。「離婚から6か月」ではありません。「配偶者としての活動を行わないで在留している」期間が6か月です。離婚届を出していなくても、実体のない状態が続いていれば数え始めることがあります。逆に、離婚が成立していても正当な理由があれば当たりません。

2つめ。取消しの「対象になる」のであって、取消しが決まるわけではありません。判断は個別・具体的な状況にもとづいて行われます。

3つめ。日本人の子・特別養子として在留している人は、この条文の対象外です。配偶者として在留している人だけが対象です。

なお、期間は在留資格によって違います。家族滞在などの別表第一の在留資格は3か月、日本人の配偶者等・永住者の配偶者等は6か月です。

「正当な理由」として公表されている4つの例

ここがこの記事のいちばん大事なところです。法務省は「取消しを行わない具体例」を公表しています。

法務省が公表した在留資格の取消しを行わない具体例4つを並べた図解。配偶者からの暴力による一時的な避難または保護、子供の養育などやむを得ない事情で別居しているが生計を一にしている場合、本国の親族の傷病等による再入国許可での長期間の出国、離婚調停または離婚訴訟中の場合。これらに限定されないと明記されている。
  1. 配偶者からの暴力(DV)を理由として、一時的に避難または保護を必要としている場合
  2. 子供の養育等やむを得ない事情のために配偶者と別居して生活しているが、生計を一にしている場合
  3. 本国の親族の傷病等の理由により、再入国許可(みなし再入国許可を含む)による長期間の出国をしている場合
  4. 離婚調停または離婚訴訟中の場合

4つめに注目してください。話し合いがまとまらず、調停や裁判をしている間は、それ自体が正当な理由です。「早く決着させないと在留資格が消える」と焦って、不利な条件を飲む必要はありません。

1つめも重要です。暴力から逃げるために家を出たことは、あなたの落ち度ではなく、正当な理由として公式に挙げられています。

この4つだけ、ではありません

公表資料には「必ずしも後記の具体例に限定されるものではありません」と書かれています。判断は個別・具体的な状況にもとづいて行われます。自分の事情がこの4つに入らなくても、あきらめて黙る理由にはなりません。説明できる材料を用意してください。

取り消そうとするとき、入管には義務があります

あまり知られていませんが、法律にこう書かれています。

法務大臣は、(中略)同項第七号に掲げる事実が判明したことにより在留資格の取消しをしようとする場合には、(中略)在留資格の変更の申請又は(中略)永住許可の申請の機会を与えるよう配慮しなければならない。

入管法第22条の5

「配慮しなければならない」——義務として書かれています。いきなり取り消して終わり、という手続きにはなっていません。

公表資料にも、こう注記されています。6か月以上になっていても、日本国籍を有する実子を監護・養育しているなどの事情がある場合には、他の在留資格への変更が認められる場合があります。

変更先として実際に検討されるのは「定住者」です。ただしこれは必ず認められるものではありません。婚姻期間、日本での生活の状況、子どもの有無と養育の実態などを見た個別の判断になります。「離婚したら定住者になれる」と書いてある情報は、正確ではありません。

仮に取り消されたら、その日に出国ですか

違います。出入国在留管理庁は、取消しの効果をこう説明しています。

不正な手段で上陸許可を受けた場合((1)(2))は直ちに退去強制の対象になりますが、配偶者としての活動の件を含む(3)〜(10)に当たるときは、30日を上限として出国のために必要な期間が指定され、その期間内に自主的に出国することになります。

また、取消しの前には「意見の聴取」があります。あなたは意見を述べ、証拠を提出し、資料の閲覧を求めることができます。黙って結果を待つ手続きではありません。

ただし、指定された期間内に出国しなかった場合は、退去強制の対象になるほか、刑事罰の対象にもなります。期間が示されたら、その中で動いてください。

終わりの判断——順番はこうです

  1. 離婚・死別から14日以内に届出。これは義務で、あなたの立場を悪くしません
  2. いまが4つの例のどれかに当たるか確かめる。調停中・訴訟中なら、それ自体が正当な理由です
  3. 当たらない場合も、6か月になる前に在留資格の変更を相談する。入管には申請の機会を与える配慮義務があります。待つより先に動くほうが選択肢は多い
  4. 意見の聴取の通知が来たら、必ず出席して説明する。証拠を出せます

DVから避難している場合は、相談窓口の一覧にある窓口へ先に相談してください。在留資格の手続きと、身の安全の確保は、同時に進められます。

働いて生活を立て直す段階に入ったら、就労ビザへの変更国民健康保険の切り替えも見ておいてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 配偶者ビザで離婚したら、在留資格はどうなりますか。
すぐには変わりません。取消しの対象になるのは「配偶者としての活動を継続して6か月以上行わないで在留している」場合で、しかも正当な理由があれば対象外です。まず14日以内の届出をして、6か月になる前に変更を相談してください。

Q. 離婚調停をしている間に、6か月が過ぎてしまいます。
法務省が公表した「取消しを行わない具体例」に、離婚調停または離婚訴訟中の場合が挙げられています。調停や訴訟をしていることが分かる書類を用意しておいてください。

Q. 配偶者の暴力から逃げて別居しています。取り消されますか。
配偶者からの暴力を理由として一時的に避難または保護を必要としている場合は、公表された具体例の1つめに挙げられています。逃げたことがあなたの不利にはたらく仕組みにはなっていません。

Q. 離婚したら「定住者」に変更できますか。
必ず認められるものではありません。婚姻期間や日本での生活の状況、子どもの養育の実態などを見た個別の判断です。ただし入管には、変更または永住の申請の機会を与えるよう配慮する義務があります(入管法第22条の5)。

Q. 死別の場合も同じですか。
届出の義務は同じで、離婚または死別から14日以内です。6か月の規定も、配偶者としての活動を行っていない状態として同じように扱われます。

Q. 在留資格が取り消されたら、その日に日本を出ないといけませんか。
違います。この事由の場合は30日を上限として出国のために必要な期間が指定され、その中で自主的に出国することになります。ただし期間内に出国しないと、退去強制と刑事罰の対象になります。

まとめ

  • 離婚・死別から14日以内に届出(入管法第19条の16第3号)。家族滞在も同じ対象
  • 取消しの対象は「配偶者としての活動を継続して6か月以上行わない」場合(第22条の4第1項第7号)。離婚から6か月ではない
  • 正当な理由の公式な例は4つ。DV避難/生計を一にする別居/親族の傷病での長期出国/離婚調停・訴訟中この4つに限定されないと明記
  • 取り消そうとするとき、入管には変更または永住の申請の機会を与える配慮義務がある(第22条の5)
  • 取り消されても直ちに退去強制ではなく、30日を上限に出国期間が指定される。意見の聴取で反論できる

出典(公式):出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」法務省入国管理局「配偶者の身分を有する者としての活動を行わないことに正当な理由がある場合等在留資格の取消しを行わない具体例について」(PDF)e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」

条文と公表資料は2026年8月28日時点で確認したものです。取消しの判断は個別・具体的な状況にもとづいて行われます。自分の場合にどうなるかは、地方出入国在留管理局か行政書士・弁護士に相談してください。暴力から避難している場合は、先に配偶者暴力相談支援センターや警察に相談してください。

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