この記事は2026年10月11日に、国税庁のタックスアンサー(No.2020・1900・2030・2024・1923)と本人確認書類の一覧を本文まで開いて確かめました。2026年分の申告期間は2027年2月16日〜3月15日です。
先に結論
- 会社が年末調整をしてくれる人は、確定申告は要りません。給与が1か所で、他の所得が20万円以下なら。
- しなければならないのは3つ。給与が2か所以上で年末調整されない給与+他の所得が20万円超(給与の合計が少ない場合の例外あり)/副業などの所得が20万円超/給与2,000万円超。
- 年の途中で辞めて年末調整を受けていない人は、義務はないが「還付申告」で税金が戻ります。翌年1月1日から5年間、いつでも出せます。
- 期間は翌年2月16日〜3月15日。遅れると無申告加算税(自分から出せば5%、調査後は15%〜)。1か月以内なら免除の道があります。
- 帰国前に申告が要る人は、納税管理人を税務署に届け出ます。持ち物は源泉徴収票とマイナンバーカード(または通知カード+パスポート)。
これが分かると、2月に慌てなくなります。自分が「要る側」か「戻る側」かが決まれば、あとは源泉徴収票を1枚用意するだけです。

2月になると「確定申告」という言葉がテレビにも駅にも出てきます。自分もしなければいけないのか。しないと何が起きるのか。日本人の同僚に聞くと「会社員は関係ないよ」と言われる——それはその人の話です。年の途中で辞めた人、掛け持ちの人、帰国する人には、別の答えがあります。
確定申告とは何ですか?——1年の所得と税額を自分で計算して、税務署に出す手続です
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得と、それに対する所得税の額を自分で計算して確定させる手続です(国税庁 No.2020「確定申告」)。給料から引かれた税金(源泉徴収)があれば、ここで過不足を精算します。
会社員の多くは年末調整で会社が代わりに精算してくれるので、確定申告をしません。確定申告が出てくるのは、年末調整で拾えない所得や事情がある人です。

誰がしなければなりませんか?——3つの型です

給与をもらっている人で確定申告が必要なのは、国税庁 No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」が挙げる次の人です。
- 給与が2か所以上あり、年末調整されなかった給与の収入と、給与以外の所得を足して20万円を超える人——アルバイトの掛け持ちで、2社目の給与が年末調整されていない場合がこれです。ただし、給与の収入の合計から所得控除(雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除を除く)を引いた額が150万円以下で、給与以外の所得も20万円以下なら、申告は要りません
- 給与は1か所でも、給与以外の所得が20万円を超える人——副業、動画の収益、フリーランスの報酬など。来日5年以内の人が日本へ送金した母国の利息・配当も、ここに入ることがあります(非永住者の送金課税の数え方)
- 給与の年間収入が2,000万円を超える人
しなくていい人は、給与が1か所だけで、その全部が源泉徴収され、会社が年末調整をしていて、他の所得が20万円以下の人です(No.2020)。ほとんどの会社員と、バイト先が1つの学生はここに入ります。
義務はないけれど、したほうが得な人は?——「還付申告」です
春にバイトを辞めて、引かれていた税金のことは忘れる。あなたの国では、払いすぎた税金は、何もしなくても戻ってくるのかもしれません。日本では、12月に会社にいなかった人の払いすぎは、自分で申告しないと戻りません。
確定申告の義務がない人でも、給料から引かれた所得税が本来の税額より多ければ、申告すれば差額が戻ります。これを還付申告といいます(国税庁 No.2030「還付申告」)。
外国人の読者にいちばん多いのは、年の途中で会社やバイトを辞めて、12月に会社にいなかった人です。年末調整を受けていないので、引かれすぎた税金がそのまま残っています。ほかに、医療費が多かった年、災害や盗難で損害を受けた年も対象です。家族の分も合わせて1年で10万円を超えた医療費は、医療費控除で税金が戻ります。
還付申告は、翌年1月1日から5年間、いつでも出せます。2月16日〜3月15日の期間に縛られません。「去年辞めたのに何もしていない」人は、今からでも間に合います。ただし源泉徴収された税額が0円なら、戻るものもありません。源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄を見てください。

いつまでに、どうやって出しますか?
期間は、その年の翌年2月16日から3月15日まで。納付の期限も3月15日です(No.2020)。2026年の所得なら、2027年2月16日〜3月15日。
いちばん楽なのは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」です。画面の案内どおりに源泉徴収票の数字を入れれば税額が自動計算され、e-Taxで送るか、印刷して税務署に郵送できます。マイナンバーカード(または特定在留カード)とスマホがあれば、家から出さずに終わります。

持ち物・用意するもの:
- 源泉徴収票——辞めた会社にも請求できます。会社は発行しなければなりません。「給与所得控除後の金額」が空欄の源泉徴収票は、年末調整を受けていない印です
- 本人確認書類——マイナンバーカード1枚で足ります。無い人は番号確認書類(通知カード、または番号入りの住民票)+身元確認書類(パスポートなどの写真付き身分証明書)の2つ。国税庁の本人確認書類の一覧は、特定在留カードをマイナンバーカードとして扱うと明記しています
- 控除の証明——国民健康保険・国民年金の支払証明、生命保険の控除証明、医療費の領収書、ふるさと納税の受領証明書(ワンストップ特例を申請した分も全部)、母国の家族への送金記録と親族関係書類
- 還付を受け取る日本の銀行口座
窓口で見せるカード
スマホの画面を、そのまま税務署や確定申告の会場の職員に見せてください。
あなたが言う一文(ふりがな付き)
「確定申告をしたいです。源泉徴収票を持ってきました」
Say you want to file a tax return and that you brought your withholding slip.
職員の方へ
給与所得の確定申告(還付申告を含む)をしたいと考えています。源泉徴収票、本人確認書類、還付金の振込先の銀行口座を持ってきました。申告書の作り方と、提出の方法を教えていただけますか。
家からなら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でも出せます。
3月15日を過ぎたらどうなりますか?

出せます。「期限後申告」です。ただし納める税金があるときは、それに無申告加算税が上乗せされます(国税庁 No.2024「確定申告を忘れたとき」)。
- 税務署の調査の通知が来る前に、自分から出した:納める税金の5%
- 通知が来たあと(調査で決まる前):10%。50万円を超える部分は15%、300万円を超える部分は25%
- 調査を受けたあと:15%。50万円超は20%、300万円超は30%
- これに加えて、遅れた日数分の延滞税
ひとつ救いがあります。期限から1か月以内に自分から申告し、税金を納期限までに全額納めていて、過去5年に無申告加算税や重加算税を受けたことも、この免除を受けたこともなければ、無申告加算税はかかりません。3月15日を忘れたことに気づいたら、4月15日までが勝負です。
還付申告の人には、この話は関係ありません。納める税金がないので加算税もない。5年以内なら、いつ出しても戻ります。
帰国する人はどうしますか?
年の途中で帰国して日本に住所がなくなると、所得税法上の非居住者になります。その年の分で確定申告や還付を受ける必要があるなら、出国前に「納税管理人」を決めて、税務署に届出書を出します(国税庁 No.1923「海外勤務と納税管理人の選任又は解任」)。納税管理人は、日本に残る友人でも、会社でも、個人でも法人でもかまいません。あなたの代わりに書類を受け取り、申告書を出し、還付金を受け取ります。
会社員で、出国のときに会社が年末調整をしてくれるなら、確定申告そのものが要らないこともあります。「帰国します」と会社に早めに伝えるのが先です。帰国のチェックリストにも入っています。

確定申告の早見表(2026年分)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告の期間 | 翌年2月16日〜3月15日(2026年分は2027年2月16日〜3月15日) |
| 納付の期限 | 翌年3月15日 |
| しなければならない人(給与がある場合) | 給与の年収が2,000万円超/給与が1か所で、給与・退職以外の所得が20万円超/給与が2か所以上で、年末調整されなかった給与と他の所得の合計が20万円超 |
| しなくていい人の例 | 給与が1か所だけで年収2,000万円以下、給与以外の所得が20万円以下 |
| 還付申告(戻る人) | 翌年1月1日から5年間いつでも。2月16日〜3月15日に縛られない |
| 遅れたときの無申告加算税 | 調査の通知前に自分から出す:5%/通知後:10%(50万円超の部分15%、300万円超の部分25%)/調査後:15%(50万円超20%、300万円超30%)。ほかに延滞税 |
| 加算税がかからない条件 | 期限から1か月以内に自主的に申告し、税金を納期限までに全額納め、過去5年に無申告加算税・重加算税がない |
| 帰国するとき | 申告や還付の手続が要るなら納税管理人を定め、「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を税務署に出す。個人でも法人でも可 |
終わりの判断——自分はどれか
会社が1つで、年末調整を受けた人:何もしなくていい。この記事はここで閉じてかまいません。
年の途中で辞めた人・掛け持ちの人:源泉徴収票を全部集めて、作成コーナーへ。辞めた人は還付申告なので期限に追われません。掛け持ちで20万円を超える人は3月15日まで。
帰国が決まっている人:会社に伝える→年末調整で済むか確かめる→済まないなら納税管理人の届出。この順です。
よくある質問(FAQ)
Q. 会社員でも確定申告は要りますか?
給与が1か所で年末調整を受けていて、他の所得が20万円以下なら要りません。2か所以上の給与(合計が少ない場合の例外あり)、20万円を超える副業、2,000万円超の給与のどれかに当たれば、原則として必要です。
Q. 確定申告はいつまでですか?
翌年2月16日〜3月15日。納付期限も3月15日です。2026年分は2027年2月16日〜3月15日。
Q. 年の途中で辞めました。確定申告は必要ですか?
義務はありませんが、還付申告をすれば引かれすぎた税金が戻ります。翌年1月1日から5年間、いつでも出せます。
Q. 在留カードは本人確認書類になりますか?
マイナンバーカードがあればそれ1枚で足ります。無い人は、通知カードか番号入り住民票に、パスポートなどの写真付き身分証明書を組み合わせます。特定在留カードはマイナンバーカードとして扱われます。
Q. 3月15日を過ぎてしまいました。
今すぐ自分から出してください。調査の通知前なら無申告加算税は5%、期限から1か月以内で全額納付済みなら加算税なしの道もあります。放置して調査が入ると15%以上です。
Q. 帰国します。還付はどうやって受け取りますか?
出国前に納税管理人を税務署に届け出ます。その人があなたの代わりに申告し、日本の口座で還付を受け取ります。
まとめ
確定申告が要るのは、原則として掛け持ち・副業20万円超・給与2,000万円超の人。会社が年末調整をしてくれる人は要りません。年の途中で辞めた人は、義務はないが還付申告で戻ります。5年間いつでも。
期間は2月16日〜3月15日。遅れても1か月以内なら救いがある。帰国する人は納税管理人。持ち物は源泉徴収票とマイナンバーカード。作成コーナーに入力すれば、あとは自動です。
出典(公式):国税庁 タックスアンサー No.2020「確定申告」/No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」/No.2030「還付申告」/No.2024「確定申告を忘れたとき」/No.1923「海外勤務と納税管理人の選任又は解任」/本人確認書類の一覧(いずれも2026年10月11日に確認)
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