クーリングオフとは?2026|訪問・電話は8日、マルチ20日、ネット通販は対象外

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クーリングオフは訪問販売と電話勧誘が8日、マルチ商法が20日で、ネット通販にはないことを示すアイキャッチ 守る力
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この記事は2026年9月23日に、消費者庁の「特定商取引法ガイド」「消費者ホットライン」、国民生活センターの「クーリング・オフ」「在留外国人向けリーフレット」、総務省の「初期契約解除」と、e-Govの特定商取引法・電気通信事業法の条文で確かめて書いています。

先に結論

  • クーリングオフとは、契約したあとでも、決められた日数のうちなら理由を言わずに無条件でやめられる制度です。外国人かどうかは関係ありません。
  • 期間は、家に来た業者(訪問販売)と電話の勧誘が8日、マルチ商法が20日。契約の書面を受け取った日が1日目です。
  • ネット通販・お店での買い物・部屋の賃貸契約には、クーリングオフがありません。ネット通販は、サイトに書かれた返品のルールに従います。
  • スマホとネット回線は、別の制度「初期契約解除」で8日。お店で契約した場合も使えます。大手3社などは、条件つきの「確認措置」です。
  • やめるときは、はがきかメールで。8日目に出せば間に合います。迷ったら、消費者ホットライン188に電話してください。
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これが分かると、「サインしてしまったから、もう払うしかない」とあきらめる前に、自分の契約がやめられる種類かどうかを8日のうちに見分けて、はがき1枚で手を打てます。

引っ越して3日目。ドアのチャイムが鳴って、作業服の人が「このアパートは全部、電気の会社が切り替わります。検針票を見せてください」と言います。よく分からないまま紙にサインしました。翌月、電気代は前より高くなっていました。日本人の友達に「やめられるの?」と聞いても、「クーリングオフってあったような……何日だっけ」で話が止まります。契約は日本語で進み、書面も日本語です。だからこそ、日数と手順だけは先に知っておくと役に立ちます。

クーリングオフとは?期間は訪問販売・電話勧誘で8日、マルチ商法で20日

クーリングオフ(正式には「クーリング・オフ」)は、特定商取引法という法律の制度です。契約の申込みや契約をしたあとでも、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間内なら、無条件で解約できます(消費者庁)。期間は、取引の種類で決まっています。

契約の種類ごとの早見表。家に来た業者との訪問販売(キャッチセールス・アポイントメントセールスを含む)、電話の勧誘、エステや語学教室などの長期の契約、家に来て物を買い取る訪問購入は、書面を受け取った日から8日以内ならクーリングオフできる。マルチ商法(連鎖販売取引)と、仕事を紹介すると言って物を買わせる内職・モニター商法は20日。スマホとネット回線は総務省の初期契約解除で8日、お店で契約しても使えるが、大手3社などは条件つきの確認措置。ネット通販にはクーリングオフが無く、サイトの返品のルールに従う。ルールが書かれていなければ、商品を受け取った日から8日以内に送料を自分で払って返品できる。お店での買い物、部屋の賃貸契約、車の購入はクーリングオフできない。
契約のしかた 期間
訪問販売(家に来た業者。路上で呼び止められて店へ連れて行かれた、SNSなどで売る目的を言わずに呼び出された場合も含む) 8日
電話勧誘販売(電話を切ったあとで申し込んだ場合も含む) 8日
エステ、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス 8日
訪問購入(業者が家に来て、あなたの物を買い取る) 8日
マルチ商法(連鎖販売取引) 20日
内職・モニター商法(「仕事を紹介する」と言って、先に教材や道具を買わせる) 20日

マルチ商法とは、「人を誘えばもうかる」と言って商品や会員の権利を買わせ、あなたにも次の人を誘わせる取引です。20日の対象は、お店を持たない個人として加わった人です。

クーリングオフをすると、業者は違約金も損害賠償も請求できません。商品は業者の負担で引き取らせ、払ったお金は返してもらいます。訪問販売なら、商品をもう使っていても、その分を払う必要はありません。ただし、健康食品や化粧品のような消耗品を使ってしまった場合と、現金で払って合計が3,000円未満の場合は、クーリングオフできません(消費者庁)。

クーリングオフできないものは?——ネット通販・お店・部屋の契約

消費者庁のチラシにも出てくる勘違いが、ネット通販です。ネット通販(通信販売)には、クーリングオフがありません。代わりに「返品のルール(返品特約)」があります。

  • サイトに返品の条件が書いてあれば、その条件に従います。「返品不可」なら、気が変わったという理由では返せません
  • 何も書いていなければ、商品を受け取った日を含めて8日以内なら返品できます。返送料はあなたが払います

返品の条件は、注文を確定する前の最終確認画面にも出すことが、事業者に義務づけられています。その画面をスクリーンショットで残しておくと安心です。

ほかに消費者庁がクーリングオフできない例に挙げているのは、お店での買い物、仕事用の買い物、部屋の賃貸契約、車の購入契約です。部屋の契約は、サインしたあとで「やっぱりやめます」が効きません。初期費用や保証会社のしくみを読んで、納得してからサインしてください。

8日はいつから数える?——書面を受け取った日が1日目

数え始めは、契約した日ではありません。法律で決められた書面(申込書面か契約書面の、早いほう)を受け取った日を1日目として数えます。9月1日に受け取ったら、8日目は9月8日です。

そして、はがきやメールは「出した日」に効力が生じます(特定商取引法9条2項)。8日目にポストに入れれば、業者に届くのが9日目以降でも間に合います。

マルチ商法の20日は、売るための商品を最初に受け取った日が書面より後なら、その日から数えます。スマホやネット回線の初期契約解除も、サービスが始まった日が書面より後なら、その日が1日目です。

クーリングオフの書き方は?——はがきかメールで、証拠を残して出す

クーリングオフの出し方の図。1日目は契約の書面を受け取った日。8日目までに、はがきかメールで通知を出す。出した日に効力が生じる。はがきは両面をコピーして、特定記録郵便か簡易書留で会社の代表者あてに送る。メールやウェブのフォームは、送信したメールや画面のスクリーンショットを保存する。クレジットで払った場合は、販売会社とクレジット会社の両方に同時に出す。送った記録と書類は少なくとも5年保管する。

クーリングオフは自分でできます。業者の同意はいりません。方法は書面(はがきでよい)か、電磁的記録です。電磁的記録には、メール、業者のサイトの専用フォーム、USBメモリ、FAXが入ります(2022年6月1日から)。はがきには、次のことを書きます。

通知書
次の契約を解除します。
契約年月日:2026年9月1日
商品名:(書面に書いてある名前)
契約金額:(円)
販売会社:(会社名) 担当者:(名前)
支払ったお金を返金し、商品を引き取ってください。
2026年9月5日
(あなたの住所・名前)

出す前に、はがきの両面をコピーします。郵便局で「特定記録郵便」か「簡易書留」にして、会社の代表者あてに送ります。出した記録が残るので、「届いていない」と言われても出した日を証明できます(国民生活センター)。

メールで出すときは、契約書面に書いてある送り先と方法に従います。書く内容ははがきと同じで、送ったあとは送信済みのメールか、フォームの画面のスクリーンショットを保存します。契約のときにSNSでやり取りしていたのに「SNSでの通知は受け付けない」とするのは、無効な特約になると消費者庁は考えています。

クレジットカードや分割払いで払った場合は、販売会社とクレジット会社の両方に同時に出します。カードの支払いのしくみはクレジットカードの記事にあります。送った記録と書類は、少なくとも5年間とっておいてください。

いくらかかる?——クーリングオフはほぼ無料、スマホは実費あり

やめ方 あなたが払うもの
クーリングオフ はがきと郵便の料金だけ。違約金・返送料・使った分の代金は払わない
ネット通販の返品(特約が無いとき) 返送料
スマホ・ネット回線の初期契約解除 解約までの利用料(日割)、事務手数料(おおむね3,300円前後)、格安SIMのSIM発行手数料(おおむね3,300円前後)、光回線の工事費(最高27,500円・休日は加算あり)、店や電話で番号を移す手数料(1,100円以下)

初期契約解除の実費は、総務大臣が上限を決めています。上限より高い額は請求できません。

携帯電話・ネット回線はクーリングオフできる?——初期契約解除で8日

スマホや光回線の契約には、電気通信事業法の「初期契約解除」があります。契約書面を受け取ってから8日以内なら、あなたの都合だけで解除できます。2年以内の解約に違約金が決まっていても、払わなくてかまいません(総務省)。

クーリングオフとの大きな違いは、お店で契約した場合にも使えることです。対象は大手の携帯電話、格安SIMの音声プラン、光回線、ケーブルテレビのネットなどです。プリペイドのSIM、縛りの無い格安のデータ専用SIM、公衆無線LANは対象外です。

ただし、NTTドコモ(ahamoを含む)・au・UQ mobile・ソフトバンク(ワイモバイル・LINEMOを含む)などは、代わりに「確認措置」を使っています。電波がよく入らない、説明が足りなかった、などの場合に限って、端末まで含めてキャンセルできる制度です。

初期契約解除でも、スマホ本体の購入はキャンセルできない場合が多いと総務省は案内しています。解除は書面(はがき可)で出し、出した日に効力が生じます。電話や口頭だけで済ませるのは避けてください。自分の契約がどちらの制度かは、契約書面に書く義務があります。解約金の無いSIMは格安SIMの比較で選べます。

18歳・19歳は契約を取り消せる?——2022年4月から大人の扱い

2022年4月1日から、日本の成年年齢は20歳から18歳になりました。18歳・19歳は親の同意なしに部屋やクレジットの契約ができます。その代わり、「未成年だから取り消せる」という権利(未成年者取消権)は使えなくなりました(消費者庁)。

外国人の場合、何歳で大人かは、原則として国籍の国の法律で決まります。ただし、国の法律では未成年でも日本の法律では大人になる人が、日本のお店と日本で契約した場合は、大人として扱われます(法の適用に関する通則法4条2項)。国では21歳が成人でも、日本で18歳以上なら「未成年だった」は通らないと考えてください。クーリングオフの日数は、年齢に関係なく同じです。

外国人の契約トラブルは?——国民生活センターが多言語で注意している6つ

国民生活センターは、日本に住む外国人向けに、英語・中国語・韓国語・タイ語・ベトナム語・ポルトガル語・タガログ語などでチラシを出しています。取り上げているトラブルは次の6つです。

  1. 電力契約の切り替え——家に来た人が「アパート全体で電気の会社が変わる」「管理会社から紹介された」と言う。どちらも嘘の例として載っていて、引っ越した直後に多いとされています。検針票は見せないでください。家に来た業者との契約なので、8日以内ならクーリングオフできます。
  2. スマホのセット契約——店で「ネットや電気とセットなら安くなる」と勧められ、実際は安くなかった。店での契約なので、回線の部分の初期契約解除を確かめます。
  3. 定期購入——お試しのつもりが定期購入だった。ネット通販なので、返品のルールを確かめます。
  4. トイレの修理——慌てて探した業者に頼んだら、予想外に高かった。
  5. 中古車の購入——車の契約は、クーリングオフできません。
  6. 部屋の入居と退去——部屋の契約もクーリングオフできません。

電気やガスをどこに申し込むかは、引っ越しの手続きの順番の中で先に決められます。自分で決めた会社があれば、家に来た業者に検針票を見せる理由はありません。出るときの敷金は、原状回復のルールを知っていれば払いすぎを防げます。

8日を過ぎたら?——あきらめる前に確かめる3つ

  • 業者が「クーリングオフはできない」と嘘を言った・脅した、書面に書くべきことが書かれていない、書面をもらっていない——このときは、8日を過ぎてもクーリングオフできることがあります
  • 訪問販売で事実と違うことを言われた・大事なことを隠された——契約を取り消せます。嘘だと気づいた時から1年、契約から5年までです(特定商取引法9条の3)。店での契約も、消費者契約法で取り消せる場合があります
  • 訪問販売で、普通に必要な量をはるかに超える物を買わされた——契約から1年は解除できます

どれに当たるかを自分で決めるのは難しいので、契約書とやり取りの記録を持って、消費生活センターに相談してください。家賃を上げると言われたときも、同じ窓口で相談できます。

消費者ホットライン188とは?——外国語で相談できる?

消費者ホットライン188は、近くの消費生活センターなどにつないでくれる全国共通の番号です。相談は無料ですが、通話料はかかります(携帯電話からは20秒ごとに11円、かけ放題プランでも別料金)。音声案内は日本語で、郵便番号が分かれば1を押し、7桁の郵便番号を入れると近くの窓口につながります。

消費生活センターは全国に847か所あり(2025年4月1日現在)、すべての市区町村に相談窓口があります。話し中のときは、国民生活センターの「バックアップ相談」(03-3446-0999、平日10時〜16時)も使えます。一部のIP電話やプリペイドの携帯からは188が使えないので、国民生活センターの窓口一覧から直接かけてください。

外国語の対応は、地域によって違います。消費者庁によると、通訳を使える体制を整えていたのは、2022年4月1日時点で31の都道府県と460の市区町村などです。つながったら最初に「通訳はありますか」と聞き、無ければ日本語の分かる人と一緒にかけ直してください。

終わりの判断——自分はどれか

  1. 家に来た業者や電話の勧誘で契約して、書面を受け取ってから8日以内——今日、はがきに契約日・商品名・金額・会社名を書き、両面をコピーして、特定記録郵便か簡易書留で出す。カード払いなら、カード会社にも同じ日に出す。
  2. スマホやネット回線を契約して、8日以内——今日、契約書面で「初期契約解除」か「確認措置」かを確かめ、書面で解除を出す。端末をどうするかも一緒に店に確認する。
  3. ネット通販で買ったものを返したい——今日、サイトの返品のルールを開いて、期限と送料を確かめる。書いていなければ、受け取った日から8日以内に送る。
  4. 8日を過ぎた、どれに当たるか分からない——今日、契約書とやり取りの記録をそろえて188に電話する。

よくある質問(FAQ)

Q. クーリングオフとは何ですか?

契約したあとでも、決められた期間のうちなら無条件で契約をやめられる制度です。訪問販売・電話勧誘販売は書面を受け取ってから8日、マルチ商法は20日で、外国人も同じように使えます。

Q. ネット通販はクーリングオフできますか?

できません。サイトに書かれた返品のルールに従います。ルールが無ければ、商品を受け取った日を含めて8日以内に、送料を自分で払って返品できます。

Q. 携帯電話の契約はクーリングオフできますか?

クーリングオフではなく「初期契約解除」で、契約書面を受け取ってから8日以内なら解除できます。お店で契約しても使えます。大手3社などは「確認措置」で、電波や説明に問題があった場合に限られます。

Q. クーリングオフはメールでもできますか?

できます。2022年6月1日から、メールや業者の専用フォームでも通知できます。送信したメールや画面のスクリーンショットを保存してください。

Q. 8日目に出したら間に合いますか?

間に合います。はがきやメールは出した時に効力が生じるので、業者に届くのが9日目以降でもかまいません。書面を受け取った日が1日目です。

Q. 188は英語で相談できますか?

地域によって違います。188は近くの消費生活センターにつなぐ番号で、通訳が使えるかは窓口ごとです。つながったら、最初に通訳があるかを聞いてください。

まとめ

クーリングオフは、家に来た業者や電話の勧誘のように、考える時間を奪われやすい契約のための制度です。期間は8日(マルチ商法は20日)で、書面を受け取った日が1日目、はがきかメールを出した日に効力が生じます。ネット通販・お店での買い物・部屋の契約には、クーリングオフはありません。

スマホとネット回線には、お店で契約しても使える初期契約解除があります。どの制度でも、最初にするのは契約書面を読むことです。8日を過ぎた、自分で判断できない、というときは、書類をそろえて188に電話してください。

出典(公式):消費者庁「特定商取引法ガイド」同「電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A」国民生活センター「クーリング・オフ」同「在留外国人向けリーフレット」総務省「初期契約解除ってなに?」同「確認措置」消費者庁「消費者ホットライン」同「18歳から大人」e-Gov「特定商取引に関する法律」。2026年9月23日に確認したものです。自分の契約に当てはまるかは、契約書面と消費生活センターで確かめてください。

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日本人。省庁の告示・通達・Q&Aを原典のまま読み、在日ネパール・スリランカの友人から実際に聞いた困りごとを出発点にしています。確かめていないことは書きません。

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