この記事は2026年9月23日に、出入国在留管理庁の「高度人材ポイント制」の各ページ・Q&A(令和8年4月時点)・ポイント計算表、「永住許可に関するガイドライン」(令和8年2月24日改訂)、「特別高度人材制度(J-Skip)」と、e-Govの高度専門職省令で確かめて書いています。
先に結論
- 高度専門職とは、学歴・職歴・年収・年齢・日本語などを点数にして、合計70点以上の人に許可される在留資格です。会社で働く人の多くは「1号ロ」に当たります。
- 70点なら永住の申請まで3年、80点なら1年。ふつうは10年です。
- 在留期間は最初から一律5年。条件を満たせば、配偶者のフルタイム就労、親の帯同、家事使用人も認められます。
- 点数は自分で計算します。入管のポイント計算表(Excel)に記入し、70点以上を示す書類だけを付けて出します。
- 年収2,000万円以上で修士か実務10年があれば、点数と関係なく特別高度人材(J-Skip)になれます。
これが分かると、今の自分が何点で、あと何をすれば70点・80点に届くかが分かるので、転職・昇給・日本語の試験をどの順で狙うかを決められます。永住を10年待つ前提で動くかどうかも、ここで決まります。
更新の書類をそろえていたとき、会社の人事に「あなた、高度人材で出せるんじゃない?」と言われた。日本人の同僚に「高度専門職って何点から?」と聞いても、誰も知りません。日本人には在留資格の点数がないからです。調べると、同じ会社で同じ仕事をしていても、点数しだいで永住までの年数が10年から1年まで変わる制度でした。
- 高度専門職とは?——ポイント計算で70点を取った人の在留資格
- 高度専門職1号のイ・ロ・ハの違いは?
- 高度人材ポイントの計算方法は?——1号ロの点の付き方
- 数え方で間違えやすいのは?——年収・年齢・職歴
- 高度専門職のメリットは?——在留5年・配偶者の就労・親の帯同
- 高度人材で永住は何年?——70点で3年、80点で1年
- 高度専門職2号とは?——1号で3年、在留期間が無期限
- 特別高度人材(J-Skip)の要件は?——年収2,000万円から
- ポイント計算表はどこで?必要書類は?
- いくらかかる?——10月1日から5年の許可で75,000円
- 転職したら?ルールを破ったら?
- 70点に届かないときは?
- 高度専門職の年収引き上げは決まった?——まだ新しい基準は出ていない
- 終わりの判断——自分はどれか
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
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高度専門職とは?——ポイント計算で70点を取った人の在留資格
高度専門職は、「高度人材ポイント制」で合計70点以上と認められた人に出る在留資格です。制度は2012年5月に始まりました。高度人材ビザ、高度専門職ビザと呼ばれることもあります。
前提として、もともと就労の在留資格が取れる仕事と学歴・報酬でなければ、対象になりません(入管Q&A)。今の技術・人文知識・国際業務(技人国)で働いている人が、点数を足して上に乗る制度だと考えてください。
2024年末の時点で、高度専門職1号の人は26,960人。そのうち21,094人が1号ロでした(出入国在留管理政策懇談会の報告書)。2号は1,748人です。
高度専門職1号のイ・ロ・ハの違いは?
仕事の中身で3つに分かれます。点の付け方も少しずつ違います。
| 区分 | 仕事 | 例 |
|---|---|---|
| 1号イ(高度学術研究) | 日本の機関との契約で行う研究・研究の指導・教育 | 大学の教員、研究者 |
| 1号ロ(高度専門・技術) | 日本の機関との契約で、自然科学・人文科学の知識や技術が要る仕事 | 会社のエンジニア、企画、国際弁護士 |
| 1号ハ(高度経営・管理) | 日本の機関で事業を経営する・管理する | 経営者、管理職 |
1号ロとハには、年収300万円以上という最低ラインがあります。点が70点を超えていても、年収が300万円に届かなければ認められません。1号イには、この最低ラインはありません。
高度人材ポイントの計算方法は?——1号ロの点の付き方

1号ロの点は、次の項目を足していきます(高度専門職省令・入管のポイント計算表)。
- 学歴:博士30点、MBA・MOTなど経営管理の専門職学位25点、修士20点、大学卒10点。違う分野で複数の学位があれば5点を足す
- 職歴(その仕事に関係する実務だけ):10年以上20点、7年以上15点、5年以上10点、3年以上5点
- 年収:1,000万円以上40点から、400万円以上10点まで。ただし年齢によって使える段が変わる(図の右)
- 年齢:29歳まで15点、30〜34歳10点、35〜39歳5点、40歳以上0点
- 日本語:N1(またはBJT480点以上、外国の大学で日本語専攻)15点、N2(またはBJT400点以上)10点
- 日本の大学・大学院で学位を取った:10点
- そのほか:研究実績15点、仕事に関係する日本の国家資格やIT試験(1つ5点・2つ以上10点)など
いちばん気をつけたいのは年収の段です。同じ500万円でも、29歳までと30〜34歳なら15点、35歳以上なら0点です。40歳以上は800万円からしか点が付きません。
具体的に足してみます。28歳、日本の大学院で修士、同じ分野で3年働いて、これからの年収が500万円、N1を持っている人。修士20+職歴5+年収15+年齢15+日本の学位10+N1 15で、80点です。
32歳、母国の大学を出て5年働き、年収600万円、N2の人は、大卒10+職歴10+年収20+年齢10+N2 10で60点。N2をN1にすると+5点、年収を700万円に上げると+5点で、ちょうど70点に届きます。
数え方で間違えやすいのは?——年収・年齢・職歴
入管のQ&Aと省令の数え方は次のとおりです。
- 年収は「これから受け取る予定の年収」です。過去の源泉徴収票の額ではありません。賞与(ボーナス)は含みます
- 残業代は含みません。入国の時点で残業がどれだけあるか分からない、という理由です。通勤手当・扶養手当・住宅手当のような実費の手当も含みません
- 海外の本社から転勤して、給料が海外の会社から出ている場合は、その給料を数えます
- 年齢は申請した時点で数えます。申請の時に基準を満たしていれば、許可の時点でも満たすとみなす、と省令にあります
- 職歴は、これからする仕事に関係する実務経験だけを数えます
- 学歴の「大学卒」には短大・高専と、専門学校の「高度専門士」が入ります。「専門士」は入りません
許可を受けたあとは、70点を毎日維持しなくてもかまいません。30歳になって年齢の点が5点下がっても、その日に在留資格を失うわけではありません。ただし、次の更新の時に70点に届かなければ、高度専門職としては更新できません。
高度専門職のメリットは?——在留5年・配偶者の就労・親の帯同
高度専門職1号になると、次の優遇が受けられます(入管「どのような優遇措置が受けられる?」)。
- 複数の在留資格にまたがる活動ができる(例:研究しながら、関連する会社を経営する)
- 在留期間は一律で「5年」。更新もできる
- 永住の申請に必要な在留年数が短くなる(次の章)
- 配偶者が、学歴・職歴の要件なしに、研究・教育・技人国・興行に当たる仕事をフルタイムでできる。同居していること、日本人と同じ額以上の給料であることが条件
- 親を呼べる。7歳未満の子を育てるか、妊娠中の本人か配偶者を手伝うためで、世帯年収800万円以上・同居・どちらか一方の親だけ
- 外国人の家事使用人を雇える。世帯年収1,000万円以上、1人まで、月20万円以上の給料が条件
- 入国・在留の審査を優先して処理する(入国の事前審査は10日以内、在留の審査は5日以内が目途)
5番は大きい違いです。ふつうの就労資格では、親を呼ぶための在留資格がありません。家族を日本に呼ぶ方法でも、呼べるのは配偶者と子だけです。高度専門職は、この「親」に条件つきの例外を作っています。ただし子が7歳になると、親の在留期間は更新できません。
7番の日数は目途です。懇談会の報告書(2025年12月)は、高度専門職の審査処理期間が「大幅に長期化」していると書いています。5日で結果が出る前提で予定を組まないでください。
高度人材で永住は何年?——70点で3年、80点で1年

永住許可のガイドライン(2026年2月24日改訂)は、原則10年の在留を、高度人材について次のように短くしています。
- 70点以上:高度人材として3年以上続けて日本にいる。または、申請日の3年前の時点で計算して70点以上あり、そこから3年以上70点以上のまま日本にいる
- 80点以上:同じ形で1年
- 特別高度人材(J-Skip):1年
2つ目の書き方に注目してください。高度専門職の在留資格に切り替えていなくても、3年前から点数があったと示せれば、その年数で申請する道があります。今は技人国で働いている人は、自分の過去の点数を一度計算してみる価値があります。
短くなるのは在留年数だけです。素行・生計・税金や年金をきちんと納めていること、という永住のほかの要件はそのまま残ります。そして80点で1年の優遇は、本人だけのものです。入管のQ&Aは、配偶者や子はこの優遇の対象ではないとしています。永住のほかの要件と、2027年4月から変わることは永住権の記事にまとめています。
高度専門職2号とは?——1号で3年、在留期間が無期限
高度専門職2号は、1号で3年以上活動した人が変更できる在留資格です(特別高度人材は1年)。変更の時にも70点以上が要ります。素行が善良であることも条件です。
2号になると、在留期間が無期限になります。1号の仕事に加えて、技人国・教育・医療・法律会計など、ほぼすべての就労資格の仕事もできます。配偶者の就労、親、家事使用人の優遇は続きます。
ただし2号は永住ではありません。高度専門職としての仕事をしていることが前提の在留資格です。国籍までを考えるなら、帰化の条件は2026年4月から原則10年の在留に変わっています。
特別高度人材(J-Skip)の要件は?——年収2,000万円から
2023年4月21日に始まった特別高度人材制度(J-Skip)は、点数を計算しません。学歴か職歴と、年収だけで決まります。
- 1号イ・ロ:修士以上の学位+年収2,000万円以上、または仕事に関係する実務10年以上+年収2,000万円以上
- 1号ハ:経営・管理の実務5年以上+年収4,000万円以上
認められると特別高度人材証明書がパスポートに付き、ふつうの高度専門職の優遇に加えて、大きな空港のプライオリティレーンが使えます。2号へは1年で移れます。永住までの在留年数も1年です。すでにポイント制で1号にいる人は、更新の時に特別高度人材だと申し出られます。
ポイント計算表はどこで?必要書類は?
ポイント計算表は、入管の「ポイント評価の仕組みは?」のページにあります。「ポイント計算表参考書式」というExcelで、日本語版と英語版があります。自分の区分(イ・ロ・ハ)の欄に記入して、自分で点数を出します。
申請に出すものは、大きく3つです。
- 申請書(新しく入国するなら在留資格認定証明書、日本にいるなら在留資格の変更か更新)
- ポイント計算表(自己採点したもの)
- 点数の証明になる書類:学位の証明書、職歴を示す書類(前の勤め先が作ったもの)、これからの年収を示す書類、日本語の合格証明書など
このほかに、ふだんの就労資格と同じ会社側の書類も要ります。証明書類は、70点以上あることを示せる分だけで足ります。当てはまる項目を全部そろえる必要はありません。確実な項目から70点分を固めるのが早道です。
日本の大学を出てすぐ高度専門職で働き始める人は、手順に注意してください。入管の手続ページは、「留学」「家族滞在」などから変更する場合は、先に在留資格認定証明書を取ってから変更の申請をするよう案内しています。留学ビザから就労ビザへの変更と段取りが変わるので、会社の人事と早めに確認してください。
いくらかかる?——10月1日から5年の許可で75,000円
| 何に | いくら |
|---|---|
| 在留資格認定証明書(海外から来る) | 無料 |
| 変更・更新(5年の許可)2026年9月30日までに受付 | 窓口6,000円/オンライン5,500円 |
| 変更・更新(5年の許可)2026年10月1日から受付 | 窓口75,000円/オンライン65,000円 |
| 永住許可(10月1日から) | 200,000円 |
高度専門職1号は必ず5年で許可されるので、10月からは手数料の表のいちばん高い段になります。9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月以降でも前の額です。区分ごとの額と減額の条件は在留手数料の値上げの記事にあります。
転職したら?ルールを破ったら?
高度専門職1号は、働く会社が指定されています。転職するときは、高度専門職のままでも在留資格の変更の申請が必要です。ふつうの就労資格のように、14日以内の届出だけでは済みません。届出も別に要ります。辞める前後の手続きは退職手続きの記事で確認してください。
家族の優遇にも、守る条件があります。
- 働いている配偶者が別居すると、その仕事は認められなくなります。そのまま働くと資格外活動になり、罰則や退去強制の対象になりえます(入管Q&A)
- 呼んだ親が別居したとき、子が7歳になったとき、親の在留期間は更新できません
- 家事使用人は、雇い主が高度専門職でなくなると、原則として在留が認められません
70点に届かないときは?
届かなくても、今の就労資格はそのまま使えます。入管の手続ページは、変更の申請が不許可でも、今の在留資格の期間が残っていれば在留を続けられるとしています。更新の時に70点を割った人は、技人国などほかの就労資格への変更を考えます。
点を上げる方法は、図の項目を見れば分かります。30代前半なら、日本語をN2からN1に上げると+5点です。JLPTの申し込みは年2回なので、受ける回を先に決めてください。年収は1段上がるごとに+5点です。在留資格別の月給のデータを見ると、転職で届く金額かどうかの目安になります。
高度専門職の年収引き上げは決まった?——まだ新しい基準は出ていない
出入国在留管理政策懇談会は、2025年12月の報告書で、高度専門職の最低年収と年収の基準を「見直しを検討すべき」と書きました。制度ができてから賃金が上がっていることが理由です。ボーナス加算の項目についても、整理し直すことを検討すべきとしています。
これは提言の段階です。2026年9月23日の時点で、入管のポイント計算表も、e-Govの高度専門職省令も、今の基準のままです。新しい額も、いつからかも公表されていません。新しい基準がどうなるかは分かりません。すでに70点・80点に届いている人に、待つ理由はありません。
終わりの判断——自分はどれか
- 計算したら80点以上あった——永住まで1年の道がある。今日、入管の計算表に記入し、証明できる書類を80点分そろえ始める。
- 70点台だった——高度専門職に変えれば永住まで3年、在留5年。今日、あと5点を取れる項目(N1・年収の段)を1つ決める。
- 60点台で届かない——今の就労資格のままでいい。今日、N1の受験日か、年収の次の段を目標としてメモする。
- 年収2,000万円以上で修士か実務10年がある——点数ではなくJ-Skipで申請する。今日、学位と年収の証明書をそろえる。
よくある質問(FAQ)
Q. 高度専門職とは何ですか?
学歴・職歴・年収・年齢・日本語などを点数にする高度人材ポイント制で、合計70点以上と認められた人に許可される在留資格です。研究(1号イ)、専門・技術の仕事(1号ロ)、経営・管理(1号ハ)の3つに分かれます。
Q. 高度人材ポイントは何点必要ですか?
70点以上です。1号ロと1号ハは、点数に加えて年収300万円以上も必要です。80点以上あると、永住の申請に必要な在留年数が1年になります。
Q. 高度人材で永住は何年で申請できますか?
70点以上なら3年、80点以上なら1年、特別高度人材(J-Skip)なら1年です。3年前(80点なら1年前)の時点で計算して点数があり、その後も続いていたと認められる場合も、その年数で申請できます。
Q. ポイント計算の年収に残業代は入りますか?
入りません。数えるのはこれから受け取る予定の年収で、賞与は入ります。残業代と、通勤手当・住宅手当のような実費の手当は入りません。
Q. 高度専門職の親の帯同の条件は?
7歳未満の子を育てるか、妊娠中の本人か配偶者を手伝うためで、世帯年収800万円以上、同居、どちらか一方の親だけ、が主な条件です。子が7歳になると親の在留期間は更新できません。
Q. 高度専門職1号で転職するときの手続きは?
働く会社が指定されているので、在留資格の変更の申請が必要です。あわせて所属機関の届出もします。
まとめ
高度専門職は、就労資格で働く人のうち、点数が70点以上の人に出る在留資格です。在留期間は5年で、永住までの年数は70点で3年、80点で1年になります。年収の点は年齢で段が変わるので、自分の年齢の列で数えてください。
点数は自分で計算して、入管のExcelに記入し、70点分の証明書類を付けて出します。転職のたびに変更申請が要ることと、家族の優遇の条件は、許可のあとも続きます。年収の基準は見直しが提言されていますが、新しい基準はまだ出ていません。届いているなら、今の基準のうちに動くのが判断の分かれ目です。
出典(公式):出入国在留管理庁「高度人材ポイント制」/同「ポイント評価の仕組みは?」(ポイント計算表)/同「高度人材ポイント制Q&A」/同「永住許可に関するガイドライン」/同「特別高度人材制度(J-Skip)」/同「在留許可手数料の額の改定」/e-Gov「高度専門職の項の下欄の基準を定める省令」。2026年9月23日に確認したものです。申請の前に、入管の最新の計算表で確かめてください。
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