この記事は2026年9月23日に、出入国在留管理庁の「在留資格の取消し」「出入国審査・在留審査Q&A」と、東京大学・京都大学・大阪大学・神戸大学・東北大学・慶應義塾大学・明治大学の留学生向け公式案内で確かめて書いています。
先に結論
- 留学生が休学しても、ビザ(在留資格「留学」)がその日に消えるわけではありません。ただし勉強していない状態が3か月続くと、在留資格の取消しの対象になります。
- 例外は「正当な理由」があるとき。入管が例に挙げているのは「病気で長く入院して、やむを得ず休学し、退院後は復学するつもり」の人です。自分で判断せず、入管と学校に相談してください。
- 休学中はアルバイトができません。資格外活動許可を持っていても同じです。
- 休学して帰国するなら、空港で在留カードを返すのが大学の案内です。戻るときは、学校に在留資格認定証明書(COE)を取り直してもらいます。復学の4か月前には学校に連絡を。
- ネパール・フィリピン・ベトナム国籍の人は、COEを取り直すときに結核の検査証明も要ります。
これが分かると、休学届を出す前に「日本に残るか、帰国するか」を決めておけるので、3か月たってから在留資格を失う事故を避けられます。帰国する人は、戻る日から逆算して、いつ学校に連絡すればいいかも分かります。
学費が払えなくなった。家族が病気で、国に帰らないといけない。自分が体を壊して、授業に出られない。休学届の紙を前にして、日本人の友達に「休学したらビザはどうなるの?」と聞いても、答えは返ってきません。日本人にとって休学は、学校と自分だけの話だからです。留学生にとっては、入管との話でもあります。
留学生が休学したらビザはどうなる?——3か月を超えると取消しの対象
在留資格「留学」は、日本の学校で教育を受けるための在留資格です。休学すると、その活動が止まります。
入管法では、「留学」のような在留資格の人が、その活動を続けて3か月以上していないと、在留資格を取り消せることになっています(入管法22条の4第1項第6号)。休学もこれに当たります。在留カードの期限がまだ何年も残っていても、関係ありません。
実際に取り消されている人もいます。2025年に在留資格を取り消されたのは1,446件で、そのうち「留学」が343件でした。いちばん多い理由が、この「3か月の無活動」です。数字と取消しの流れは在留資格の取消しの記事にまとめています。
日本語学校・専門学校・大学、どこに通っていても在留資格は同じ「留学」なので、入管のルールも同じです。
「正当な理由」とは?——入管の例は「入院して、治ったら復学する」

3か月の取消しには「正当な理由がある場合を除く」という例外があります。入管のQ&Aが「正当な理由」の例として挙げているのは、次のような人です。
- 病気の治療で長く入院する必要があり、やむを得ず休学している。退院したら復学するつもりでいる
- 通っていた学校が閉校して、別の学校に入る手続きを進めている
- 専門学校を卒業して、日本の大学への入学が決まっている
休学に当たるのは1つ目だけです。入管は「個別具体的に判断」するとしていて、この例に当たらなければ必ず取り消される、とも書いていません。ただ、お金や家の事情での休学が「正当な理由」になるかは、公式には何も示されていません。
だから大学の案内は、そろって慎重です。慶應義塾大学は、休学中も日本に残りたい人は自分の状況が正当な理由に当たるか、自己判断せず入管に相談するようにと書いています。東北大学と慶應義塾大学は、休学するなら「留学」のままでは日本に残れないので、出国するか、ほかの在留資格に変えるように、としています。
日本に残る場合は、次の更新のときにも聞かれます。東京大学は、休学した人の在留期間更新には理由書と休学期間証明書を出すように案内しています。入院なら、診断書や入院の記録を取っておいてください。
休学中にアルバイトはできる?——できません
できません。アルバイトに使う「資格外活動許可」は、入管のQ&Aで「教育機関に在籍している間に限り有効」とされています。そして大学の公式案内は、休学中について一致しています。
- 東京大学:休学中は資格外活動(アルバイト)は認められません
- 京都大学:入学前、卒業後、休学中などはアルバイトは認められません
- 大阪大学・神戸大学:休学期間中の資格外活動はできない(禁じられている)
「学費が払えないから休学して、その間にバイトで貯める」という計画は、この時点で成り立ちません。お金が理由の休学なら、休学届を出す前に、学校の留学生課に授業料の分納や減免、留学生向けの奨学金を相談してください。休学より先に打てる手があるかもしれません。
許可が無いまま働くと不法就労になり、在留資格の取消しや退去強制の理由になります。アルバイトのルール全体は週28時間の記事にあります。
休学して帰国するときは?——空港で在留カードを返す
休学のあいだ国に帰る人が、いちばん多いはずです。京都大学・東北大学・慶應義塾大学の案内は同じで、休学して出国するときは、空港で在留カードを返納するように、としています。京都大学は、休学で出国する留学生は「原則、出国時に在留カードを出入国港に返却し、在留資格を放棄する」と書いています。
1年以内に戻るなら在留カードを持ったまま出られるみなし再入国許可という仕組みがあります。ただ、休学中は「留学」の活動をしていないので、持ち続けても、3か月を超えれば取消しの対象になりえます。学校が返納を指示するのはそのためです。自分の学校の指示に従ってください。
在留カードを返すと、日本での住民としての手続きも終わりにします。住民票の転出、国民健康保険、年金、住民税。順番を間違えると損をするので、帰国前のチェックリストを使ってください。部屋を解約するかどうかも、休学の期間しだいで決めます。
復学するときは?——4か月前に学校へ・COEから取り直す

在留カードを返して帰国した人は、日本に戻るとき、入学したときと同じ手順をもう一度踏みます。学校が在留資格認定証明書(COE)を代理で申請し、交付されたら、自国の日本大使館でビザを取って入国します(明治大学ほか)。
時間がかかります。入管のCOE審査は1〜3か月。慶應義塾大学は遅くとも復学の4か月前に国際担当へ連絡するよう案内しています。4月に復学するなら、前の年の11月から12月には連絡しておく計算です。
もう一つ、国籍によって増える書類があります。ネパール・フィリピン・ベトナムの国籍の人は、COEかビザを申請するときに「結核非発病証明書」が必要です(フィリピン・ネパールは2025年6月23日から、ベトナムは2025年9月1日から)。自国の指定された医療機関で胸のレントゲンなどを受けて出してもらいます(厚生労働省)。在留カードを持ったまま出国して再入国許可で戻る人は対象外ですが、返納した人は新しく入国する扱いなので対象になります。インドネシア・ミャンマー・中国は、開始時期がまだ決まっていません。
いくらかかる?——入管の手数料より、航空券と生活費
| 何に | いくら |
|---|---|
| COEの申請 | 無料(学校が代理申請) |
| ビザ(自国の日本大使館) | 国によって違う |
| 結核の検査(ネパール・フィリピン・ベトナム) | 指定の医療機関ごとに違う |
| 往復の航空券 | 時期による |
| (日本に残る人)在留期間の更新 | 2026年10月1日から許可の期間で額が決まる |
入管に払うお金は、帰国して戻る人にはほとんどかかりません。重いのは航空券と、休学中も続く出費です。休学中の学費の扱いは学校ごとに違うので、休学届を出すときに学校の事務に金額を聞いてください。日本に残る人の更新手数料は、10月1日からの値上げの記事で区分ごとの額を確認できます。
休学の前に入管に何か届け出る?——学校の指示に従う
入管に本人が14日以内に届け出る「所属機関に関する届出」は、学校を離れたとき(卒業・退学など)と移ったときの手続きです。入管の手続ページの例に、休学は入っていません。
ただし、東北大学のように休学でも14日以内の届出を求めている学校があります。休学を決めたら、学校の留学生課に「入管への届出は要りますか」と一言聞いてください。退学する場合は、どの学校でも14日以内の届出が必要です。
ルールを破ったら?——取消し、そして30日以内の出国
正当な理由がないまま、休学して3か月以上日本に残っていると、在留資格の取消しの手続きが始まることがあります。取消しの前には入管が意見を聞く場があり、そこで事情と証拠を出せます。取り消された場合、この理由なら多くは30日以内の出国期間が指定され、自分で出国します。期間内に出国しないと退去強制の対象です。
休学中に働いた場合は、それとは別に資格外活動の違反になります。たとえば卒業後の就活ビザは、「在留状況に問題がないこと」を条件の一つにしています。
終わりの判断——自分はどれか
- 休学して国に帰る——学校に在留カードの扱いと届出を確認し、空港で返納する。帰国前チェックリストで住民票・保険・年金を片づける。復学の4か月前に学校へ連絡する日をカレンダーに入れる。
- 病気で入院し、日本で治療を続ける——入院と治療の記録を取っておき、学校と入管に相談する。次の更新で理由書と休学期間証明書を出す準備をする。
- お金が理由で休学を考えている——休学届の前に、学校の留学生課に分納・減免・奨学金を相談する。休学中はバイトできないので、休学しても稼げない。
- 休学のまま日本に残るつもりだった——3か月を待たずに、学校と入管に相談する。残れる理由がなければ、帰国か在留資格の変更を決める。
よくある質問(FAQ)
Q. 留学生が休学すると、ビザはすぐ消えますか?
すぐには消えません。ただし在留資格「留学」の活動(学校で学ぶこと)を3か月以上していないと、在留資格の取消しの対象になります。正当な理由がある場合は除かれます。
Q. 休学の「正当な理由」とは何ですか?
入管が例に挙げているのは、病気の治療で長く入院する必要があり、やむを得ず休学していて、退院後は復学するつもりの場合です。判断は個別なので、自分で決めずに入管と学校に相談してください。
Q. 休学中にアルバイトはできますか?
できません。資格外活動許可は学校に在籍して学んでいる間のためのもので、東京大学・京都大学・大阪大学・神戸大学などの公式案内も、休学中のアルバイトは認められないとしています。
Q. 休学して帰国するとき、在留カードはどうしますか?
大学の案内では、空港で返納します。京都大学・東北大学・慶應義塾大学などが、休学して出国するときは在留カードを返すように案内しています。自分の学校の指示を確認してください。
Q. 休学のあと、どうやって日本に戻りますか?
学校に在留資格認定証明書(COE)を申請し直してもらい、自国の日本大使館でビザを取って入国します。COEの審査は1〜3か月かかるので、復学の4か月前には学校に連絡してください。
Q. 休学を入管に届け出る必要はありますか?
入管の手続ページで14日以内の届出が必要とされているのは、卒業・退学など学校を離れたときと、移ったときです。休学でも届出を求める学校があるので、学校の留学生課に確認してください。
まとめ
休学しても、ビザがその日に消えるわけではありません。ただ、勉強していない状態が3か月続けば取消しの対象で、例外として入管が示しているのは入院のような事情だけです。休学中はアルバイトもできません。
だから大学の案内は「休学するなら帰国して在留カードを返し、戻るときはCOEから」でそろっています。帰国する人は復学の4か月前に学校へ。ネパール・フィリピン・ベトナム国籍なら結核の証明も。日本に残るしかない人は、3か月を待たずに入管と学校に相談してください。
出典(公式):出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」/同「出入国審査・在留審査Q&A」/同「所属(活動)機関に関する届出」/東京大学「休学・退学時の注意」/京都大学「在留資格変更・在留期限更新・再入国・休学・復学・退学等」/慶應義塾大学「休学・就学(復学)・退学する場合」/厚生労働省「入国前結核スクリーニング」。2026年9月23日に確認したものです。休学届を出す前に、必ず自分の学校の留学生課で確かめてください。
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