外国人の年末調整2026|出す紙3枚・12月から基礎控除104万円・辞めた人と帰国する人

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年末調整は払いすぎを返す日の記事のアイキャッチ。笑顔の人と書類・お金のアイコン、「戻る 12月か1月」の札 守る力
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この記事は2026年10月10日に、国税庁のタックスアンサー(No.1175・1180・1199・2665・2668)と「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」を本文まで開いて確かめました。2026年12月の年末調整から数字が変わります。会社の締切は会社ごとに違います。

先に結論

  • 年末調整は、毎月引かれすぎた所得税を12月に返してもらう手続です。会社がやります。あなたは紙を出すだけ。
  • 出す紙は3枚。扶養控除等(異動)申告書/基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除の申告書/保険料控除申告書。
  • 2026年12月から数字が変わります。基礎控除は、合計所得489万円以下なら104万円(2025年分は所得132万円以下で95万円)。給与所得控除の最低保障は65万→74万円。給与だけなら178万円まで所得税がかかりません。
  • 年の途中で辞めた人は、原則として年末調整の対象外です。自分で確定申告します。帰国する人は例外で、出国のときに会社がやります。
  • 母国の家族を扶養に入れるなら、親族関係書類と送金関係書類が要ります。
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これが分かると、3枚の紙を出すだけで引かれすぎた税金が戻ると分かり、12月を黙って通り過ぎずに済みます。

会話の場面のイラスト。左の人「年末調整で私は何をしますか」、右の人「紙を3枚出すだけです」。

11月、総務から紙が3枚配られます。日本語で、細かい欄がたくさんあって、締切が短い。白紙で返すと、返ってくるはずのお金が返ってきません。日本人の同僚に聞いても「適当に書けばいい」と言われる——彼らは毎年書いていて、何が起きているかを説明する言葉を持っていないだけです。

年末調整とは何ですか?——12月に、払いすぎた所得税を返してもらう手続です

年末調整とは、毎月の給料から引かれた所得税の合計と、その年に本当に納めるべき所得税の額との差額を、会社が12月に精算する手続です。国税庁のタックスアンサーNo.2665がそう定義しています。

年末調整の仕組みを棒の長さで示した図。左の棒は毎月の給料から引かれた所得税の合計(仮の額)、右の棒は控除を全部足して出した本当に納める1年の所得税で、左の棒のほうが長い。左の棒の上の、右の棒より長い部分が差額で、12月か1月の給料に上乗せして戻り、会社が12月に精算する。引きすぎになるのは、毎月の額が月給だけで機械的に計算され、扶養家族や保険料が反映されていないから。紙を出さないと控除が反映されず、戻るはずのお金が戻らない。

なぜ差額が出るのか。毎月の給料から引かれる所得税は「仮の額」だからです。月給だけを見て機械的に計算していて、あなたの扶養家族や保険料は反映されていません。12月にそれらの控除を全部足して本当の年税額を出すと、たいてい引きすぎになっている。その差額が、12月か1月の給料に上乗せされて戻ってきます。

だから紙を出さないと、控除が反映されず、戻るはずのお金が戻りません。

誰が対象ですか?——会社に「扶養控除等申告書」を出している人です

12月に年末調整をしてもらえるのは、次の人です(No.2665)。

  • 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に出している——入社時に書いた、家族の名前を書くあの紙です
  • 1年を通じて勤めている人、または年の途中で入社して12月まで勤めている人
  • ただし給与の総額が2,000万円を超える人は対象外(自分で確定申告)

年の途中で入社した人は、前の会社の給料も含めて年末調整します。そのために前の会社の源泉徴収票を今の会社に出してください。No.2668は、これで確認できないときは年末調整ができない、と明記しています。前の会社に「源泉徴収票をください」と言えば出ます。期限は退職の日から1か月以内です。来ないときは、税務署に不交付の届出を出せます。

年末調整の対象かどうかの分岐図。扶養控除等(異動)申告書を会社に出していなければ対象外。出していても、1年を通じて、または途中で入社して12月まで勤めていなければ原則として対象外。給与の総額が2,000万円を超えれば対象外で自分で確定申告、超えなければ年末調整の対象。途中で入社した人は前の会社の源泉徴収票を今の会社に出す(無いと年末調整できない)。

2026年12月の年末調整で、何が変わりますか?

ここが今年の肝です。令和8年度の税制改正が2026年12月1日に施行され、2026年分の所得税から適用されます。国税庁の「改正のあらまし」は、11月までの給料から引かれる額は変わらず、12月の年末調整でまとめて精算すると書いています。

2026年12月の年末調整で変わる数字。令和8年度改正、12月1日施行、2026年分から。基礎控除は95万円から104万円へ(2026年分は合計所得489万円以下の場合。2025年分は所得132万円以下の人で95万円)。給与所得控除の最低保障は65万円から74万円へ(2026・2027年分。2028年分からは69万円)。所得税がかからない給与は178万円まで(74万+104万、収入が給与だけの場合)。扶養に入れる家族の収入は所得58万円から62万円以下へ(給与だけなら136万円以下)。
  • 基礎控除:2026・2027年分は、合計所得489万円以下(給与収入665万5,556円以下)なら104万円です。489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円です(国税庁 タックスアンサーNo.1199)。
  • 2025年分の基礎控除は、所得132万円以下の人で95万円でした。所得が上がるほど少なくなり、655万円超2,350万円以下は58万円でした(同 No.1199の令和7年分の欄)。
  • 給与所得控除の最低保障:65万円 → 74万円(2026・2027年分。2028年分からは69万円)
  • この2つを足すと、収入が給与だけの人は178万円まで所得税がかかりません。
  • 扶養に入れる家族の収入の上限:所得58万→62万円(給与136万円以下)。あなた自身が学生なら、勤労学生控除は所得89万円(給与163万円以下)までの人が受けられます(No.1175)。

年末調整の数字・2025年分と2026年分の早見表

項目 2025年分 2026・2027年分(12月の年末調整から)
基礎控除:合計所得132万円以下 95万円 104万円(給与だけなら収入206万円以下)
基礎控除:132万円超336万円以下 88万円 104万円(給与だけなら収入475万1,999円以下)
基礎控除:336万円超489万円以下 68万円 104万円(給与だけなら収入665万5,556円以下)
基礎控除:489万円超655万円以下 63万円 67万円(給与だけなら収入850万円以下)
基礎控除:655万円超2,350万円以下 58万円 62万円(給与だけなら収入2,545万円以下)
給与所得控除の最低保障(給与収入190万円以下) 65万円 74万円(2028年分からは69万円)
扶養親族・同一生計配偶者になれる所得 58万円以下(給与123万円以下) 62万円以下(給与136万円以下)
勤労学生控除を受けられる合計所得 85万円以下(給与150万円以下) 89万円以下(給与163万円以下)

アルバイトの学生に直結します。去年まで「103万円」「123万円」と言われてきた線が、2026年分は178万円です。週28時間の上限の中で稼げる額なら、所得税はほぼかからなくなります。ただし住民税と社会保険の線は別なので、混ぜないでください。

何を出しますか?——紙は3枚です

11月、会社から日本語の書類を何枚も渡される。よく分からないので、引き出しに入れたままにする。あなたの国では、税金の精算は自分で役所とするもので、会社の紙は急がなくてよいのかもしれません。日本では、12月に会社が所得税を精算します。その材料がこの紙です。独身で扶養がいなくても、出さないと基礎控除が反映されません。

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書——翌年分を、たいてい年末に出します。配偶者・子ども・母国の親などの名前を書く紙
  2. 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書——名前が長い1枚の紙。基礎控除を受けるのに必要なので、独身でも出します
  3. 保険料控除申告書——生命保険・国民年金・国民健康保険の保険料を払っている人。国民健康保険を自分で払っている人は、ここに書けば控除になります

締切は会社が決めます。国税庁の決まりは「その年最後の給料日の前日まで」ですが、会社はそれより早く集めます。11月中が多いです。

年末調整の紙の締切のタイムライン。11月に会社から書類を渡され、会社の締切は11月中が多い(締切は会社が決める)。国税庁の決まりは12月のその年最後の給料日の前日まで。そのあと会社が精算する。独身で扶養がいなくても出す。出さないと基礎控除が反映されない。

母国の家族を扶養に入れられますか?

入れられます。ただし書類が2種類要ります。

  • 親族関係書類——戸籍や出生証明書など、家族であることを示すもの(日本語訳つき)
  • 送金関係書類——その家族に送金した記録

そして年齢の条件があります(No.1180)。16歳以上30歳未満と70歳以上は、この2書類で入れます。30歳以上70歳未満の親族は、留学している/障害がある/その年に生活費・教育費として38万円以上を送っている——のどれかに当たる人だけです。母国の親は多くがこの年齢帯なので、年38万円以上の送金記録が鍵になります。細かい書類の型は国外扶養親族の記事にあります。

母国の家族を扶養に入れる年齢の条件の図。16歳以上30歳未満と70歳以上は、親族関係書類と送金関係書類の2書類で入れる。30歳以上70歳未満は、留学している、障害がある、その年に生活費・教育費として38万円以上を送金した、のどれかに当たる人だけ。母国の親は多くが30〜69歳なので、年38万円以上の送金記録が鍵。親族関係書類には日本語訳をつける。

年の途中で辞めた人・帰国する人はどうなりますか?

年の途中で辞めて、12月に会社にいない人は、原則として年末調整の対象になりません。No.2665が列挙している例外に当たる人だけです。

  • 海外へ出て非居住者になる人(帰国して日本に住まなくなる人)——出国のときに会社が年末調整をします
  • 死亡による退職/著しい心身の障害による退職
  • 12月の給料をもらったあとに退職
  • パートなどで、その年の給料が136万円以下で、他で働く見込みのない人

これ以外の中途退職者は、翌年2〜3月に自分で確定申告をします。引かれすぎた税は、確定申告をすれば戻ります。しなければ戻りません。

年の途中で辞めた人の分岐図。12月に会社にいれば会社が12月に年末調整。いなければ、帰国して非居住者になる、死亡・著しい心身の障害による退職、12月の給料をもらったあとに退職、パートで年の給料136万円以下で他で働く見込みなし、のどれかに当たるなら会社が年末調整(帰国する人は出国のとき)。どれにも当たらなければ翌年2〜3月に自分で確定申告し、しなければ引かれすぎた税は戻らない。帰国する人は出国前に会社へ伝える。

帰国する人は、出国前に会社に「帰国します」と伝えて、出国時の年末調整をしてもらってください。帰国のチェックリストにも入っています。

書き方が分からないときは?

白紙で返さないでください。分からない欄は空けたまま、分かる欄だけ書いて、総務に「ここが分かりません」と持っていけば済みます。会社にとっても、あなたの年末調整をきちんと終わらせることは義務なので、聞かれて困る人はいません。

国税庁は各申告書の記載例を公開しています。自分の状況に近い記載例を横に置いて写すのが、いちばん早いです。

終わりの判断——出すべき人、確定申告に回す人

12月に会社にいる人は、全員出してください。独身で扶養がゼロでも、2枚目の申告書を出さないと基礎控除が反映されません。年末調整で税金が終わる人は、寄附先が5自治体以内なら、ふるさと納税をワンストップ特例で確定申告なしに住民税から引いてもらえます。

掛け持ちしている人は、年末調整は1社だけ。扶養控除等申告書を出せるのは1社です。もう1社の分は翌年確定申告で合算します。

年の途中で辞めて、次の会社に12月までに入っていない人は、年末調整を待たず確定申告の準備を。必要なのは辞めた会社の源泉徴収票1枚です。

よくある質問(FAQ)

Q. 年末調整とは何ですか?

毎月引かれた所得税の合計と、その年に納めるべき本当の税額との差額を、会社が12月に精算する手続です。たいてい引きすぎになっているので、差額が戻ります。

Q. 何を出せばいいですか?

3枚です。扶養控除等(異動)申告書、基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除の申告書、保険料控除申告書。独身でも2枚目は出します。

Q. 2026年の年末調整で何が変わりますか?

基礎控除が合計所得489万円以下なら104万円(2025年分は所得132万円以下で95万円)、給与所得控除の最低保障が65万→74万円になり、給与だけなら178万円まで所得税がかかりません。2026年12月1日施行で、12月の年末調整から使います。

Q. 母国の親を扶養に入れられますか?

入れられますが、親族関係書類と送金関係書類が要り、30歳以上70歳未満の親族は、留学・障害・年38万円以上の送金のどれかに当たる必要があります。

Q. 年の途中で会社を辞めました。年末調整はどうなりますか?

原則として対象外です。翌年2〜3月に自分で確定申告をすると、引かれすぎた税が戻ります。12月までに次の会社に入っていれば、前の会社の源泉徴収票を出して、そこで年末調整できます。

Q. 年内に帰国します。

出国のときに会社が年末調整をします。非居住者になる人は「年の中途で行う年末調整」の対象です。出国前に会社へ伝えてください。

まとめ

年末調整は、払いすぎた所得税を12月に返してもらう手続です。紙を3枚出せば会社がやってくれます。白紙で返すと、戻るお金が戻りません。

2026年12月から基礎控除104万円・給与所得控除74万円。給与だけなら178万円まで所得税ゼロ。年の途中で辞めた人は確定申告、帰国する人は出国時に年末調整。母国の家族は、送金の記録が鍵です。

出典(公式):国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」/No.2668「年末調整の対象となる給与」/No.1180「扶養控除」(国外居住親族の要件)/「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」(PDF)/「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」/各種申告書・記載例(いずれも2026年10月10日に確認)/国税庁「A2-4 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告」(提出時期)/国税庁 タックスアンサーNo.1199「基礎控除」(2026年10月10日確認)

この記事を書いた人

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mori

日本人。省庁の告示・通達・Q&Aを原典のまま読み、在日ネパール・スリランカの友人から実際に聞いた困りごとを出発点にしています。確かめていないことは書きません。

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