脱退一時金とは?いくら戻る?2026年最新版|外国人が帰国前に知るべきこと

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最終更新:2026年7月

この記事の結論(Summary)

  • 日本国籍がなく、年金に6か月以上加入した人は、日本を完全に出国したあとに保険料の一部を取り戻せます。これが脱退一時金です。
  • 現在の支給上限は5年(60か月)分。それより長く払っても増えません。
  • 重要な訂正:「2026年4月から上限が8年になった」というブログやAI回答が多くありますが、これは誤りです。8年への引き上げは法律として成立済みですが、施行日はまだ決まっていません(最長2029年6月まで)。
  • 請求は出国して住所がなくなった日から2年以内日本に住んでいる間は請求できません
  • 受け取り時に20.42%が自動的に源泉徴収されます。納税管理人を立てて確定申告すれば、多くの場合還付されます。

脱退一時金(だったいいちじきん)とは、日本国籍を持たない人が日本の年金に加入していた期間の一部を、老齢年金をもらう権利がないまま帰国するときに、払った保険料の一部を返してもらえる制度です。日本の年金は原則10年以上払わないと将来の年金がもらえないしくみなので、それに届かない多くの外国人労働者のために用意されています。

対象になるのは誰?

対象になるのは、①日本国籍がない、②国民年金または厚生年金に6か月以上加入した、③日本に住所がなくなった、④老齢年金の受給資格(10年)や障害年金の権利を一度も持っていない——この4つすべてに当てはまる人です。

  • すでに10年(120か月)以上払っている人は、この一時金ではなく本当の年金(老齢年金)をもらう権利があります。多くの場合そちらのほうが総額は大きいので、まず自分の加入月数を確認しましょう。
  • 国民年金(主に留学生・自営業者)と厚生年金(主に会社員)で、それぞれ別の脱退一時金制度があります。

いくら戻ってくる?——支給額の計算方法

支給額は払った保険料に応じて決まりますが、5年(60か月)分で頭打ちです。6年でも8年でも10年でも、計算に使われるのは最初の60か月分だけです。

60か月を超えると、支給額は増えない 1〜60か月(5年):支給額に反映 61か月目〜:反映されない 60か月の壁 国民年金:最後に納付した年度の保険料額 × 1/2 × 計算に使う月数(上限60) 厚生年金:平均標準報酬額 × 支給率(計算に使う月数に応じる、上限60) 具体的な金額は年ごとに公表されます。公式の支給額表は下記リンクを確認してください。

この上限があるため、老齢年金の資格(10年)に届かないまま5年を超えて払い続けると、その分の保険料はこの制度では戻ってきません。在留資格と稼ぎ方の記事とあわせて、自分が日本にどれくらいいる予定かを考えておく価値があります。

【重要】「上限8年」の噂——本当のところ

2025年6月20日に、支給上限を5年から8年に引き上げる法律が成立しました。ただし2026年7月時点で、この改正の施行日はまだ決まっていません法律の規定では、成立から4年以内(つまり最長2029年6月まで)に政令で施行日を定めるとされています。

多くの企業ブログやAIの回答が「2026年4月から上限は8年になった」と断定していますが、これは2つのことを混同しています。年金制度改正法という大きな法律全体は2026年4月1日に施行されましたが、この脱退一時金の8年上限は、その中の別の規定で、施行日はまだ別に決まっていません

確定している変更点:この改正が施行されると、再入国許可を持ったまま出国する場合は、脱退一時金を請求できなくなります(=日本にまた戻る予定がある人は対象外になり、完全に帰国する人だけが請求できるようになります)。自分のケースにどの規定がいつから適用されるかは、必ず日本年金機構の公式サイトで最新情報を確認してください。

いつ・どうやって請求する?

日本に住んでいる間は請求できません。住所がなくなった日から2年以内に、帰国後の国から請求してください。

日本を出国 住民票が抜ける 2年以内に請求 本国からのみ可能 4〜6か月で振込 海外口座へ・税20.42%差引き後

必要なもの:年金手帳または基礎年金番号がわかる書類、パスポートのコピー、日本に住所がないことがわかる書類、海外の銀行口座情報です。請求後、日本年金機構から「支給決定通知書」が届きます。これは次の税金の還付手続きで必要になるので、必ず保管してください。

20.42%を取り戻す——税金の還付

脱退一時金からは、自動的に20.42%の税金(源泉徴収)が引かれます。多くの場合これは還付されますが、自動では戻ってきません。自分で確定申告する必要があります。

理由はこうです。20.42%の一律課税は、あなたの一時金を「非居住者の普通の所得」として扱った金額です。でも、日本人の退職金と同じ計算方法(退職所得控除)を使うと、加入1年につき40万円(最低80万円)の控除が受けられます。多くの外国人労働者は、この控除で課税対象額がほぼゼロになり、源泉徴収された20.42%の大部分または全額が戻ってきます

  • 帰国後は日本で確定申告ができないので、納税管理人(のうぜいかんりにん)——親族の勤め先、友人、または代行サービスなど——を立てて、代わりに申告してもらいます
  • 還付申告は、受け取った年の翌年1月1日から5年間いつでもできます
  • この手続きをしないと、本来戻ってくるはずのお金を受け取り損ねます。申告の手間より、戻ってくる金額のほうが大きいことが多いです

参考(公式):日本年金機構「脱退一時金の制度」

よくある質問(FAQ)

Q. 上限は本当に8年になったのですか?

2026年7月時点では、まだなっていません。5年から8年への引き上げは法律として成立していますが、施行日は未定で、最長2029年6月まで決まっていない可能性があります。現在の上限は依然として5年(60か月)です。最新情報は必ず日本年金機構の公式サイトで確認してください。

Q. 日本にいる間に請求できますか?

できません。日本の住所がなくなった(出国して転出した)あとに、その日から2年以内に請求する必要があります。

Q. 12年間払いました。もっと多くもらえますか?

10年(120か月)以上加入している場合は、この一時金ではなく本当の年金(老齢年金)を受け取る権利がある可能性が高く、通常はそちらのほうが総額は大きくなります。6か月〜10年未満の場合は、何年払っても支給額の計算は60か月分で頭打ちです。

Q. なぜ20.42%も引かれるのですか?取り戻せますか?

日本では一律20.42%の税金が自動的に源泉徴収されます。日本で納税管理人を立てて確定申告し、退職所得控除を適用すれば、多くの場合ほとんどの金額が還付されます。

Q. また日本に戻る予定がある場合も請求できますか?

現在のルールでは可能です。ただし、今後の改正が施行されると、再入国許可を持ったままの出国では請求できなくなります。施行時期は未定なので、出国前に公式サイトで最新のルールを確認してください。

まとめ

  • 日本国籍がなく6か月以上年金に加入し、10年に届かないまま帰国する人が対象
  • 支給額は5年(60か月)分で頭打ち。8年への引き上げはまだ施行されていない(2026年7月時点)
  • 請求は出国後・住所抹消から2年以内に本国から
  • 20.42%の源泉徴収は、納税管理人を立てた確定申告で多くの場合戻ってくる

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