この記事は2026年9月23日に、日本郵便の「転居・転送サービス」「e転居」とよくある質問、マイナンバーカード総合サイト、出入国在留管理庁の「住居地の変更届出」と入管法の条文で確かめて書いています。
先に結論
- 郵便局の転居届とは、日本郵便に出す届けで、旧住所あての郵便物を1年間、新しい住所へ無料で転送してもらうためのものです。外国人も在留カードで出せます。
- 出し方は3つ。郵便局の窓口、ポストに投函、スマホやパソコンの「e転居」です。登録まで3〜7営業日かかるので、引っ越しの前に出します。
- 1年は「届けを出した日」から数えます。転送が始まる日からではありません。続けたいなら、もう一度出します。
- 「転送不要」と書かれた郵便は届きません。マイナンバーの個人番号通知書やカードの交付通知書はこれで、市区町村に戻ります。
- 役所の転入届(在留カードの住居地の届出)とは別の手続きです。役所は引っ越しから14日以内。日本の郵便は海外には転送されません。
これが分かると、引っ越しの前に郵便局と役所の2つを出し分けられるので、マイナンバーの通知や大事な手紙を前の部屋に置き去りにせずに済みます。帰国する人は、日本の郵便をどう止めるかも分かります。
引っ越して2週間。区役所で住所の手続きは済ませました。在留カードの裏にも新しい住所が書いてあります。なのに、前の部屋あてのカード会社の手紙が来ません。日本人の友達に聞くと「郵便局に転居届、出した?」。役所で出したよ、と答えると話がかみ合いません。役所にも「転居届」という名前の届けがあるからです。そして友達は「郵便局に出しておけば1年は全部届くよ」と言いますが、全部ではありません。
- 郵便局の転居届とは?——旧住所あての郵便を1年間、無料で転送
- 転居届はどこで出す?——窓口・ポスト・e転居の3つ
- 転居届はいつから転送される?——登録まで3〜7営業日、1年は届けた日から
- 転居届を出しても届かない郵便は?——「転送不要」と書かれたもの
- 在留カードやマイナンバーの郵便は転送される?——マイナンバーの通知は戻る
- 役所の転入届とは別?——別の手続き。住居地の届出は14日以内
- 届出を忘れたら?——罰金と、90日で取消しの対象
- 転居届はいくら?——無料。延長も出し直すだけ
- 帰国するときは?——海外には転送されない
- 転送されない・間に合わないときは?——控えの受付番号で確かめる
- 終わりの判断——自分はどれか
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
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郵便局の転居届とは?——旧住所あての郵便を1年間、無料で転送
郵便局の転居届は、日本郵便の「転居・転送サービス」を使うための届けです。出すと、旧住所あての郵便物が新しい住所へ転送されます。料金はかかりません。「転送届」と呼ぶ人もいますが、日本郵便の用紙の名前は「転居届」です。
転送されるのは、日本郵便が運ぶ郵便物と荷物です。e転居の案内には「日本郵便が取り扱う郵便物等についてのみ転送されます」と書かれています。ほかの会社が運ぶ荷物は、この届けの対象ではありません。
家族やルームメイトのうち1人だけが引っ越す場合も出せます。用紙の「転居者氏名」の欄に、引っ越す人の名前だけを書きます。e転居なら、一度に6人まで申し込めます。反対に、受け取る人が住んでいない場所あてには出せません。たとえば、入院中の家族あての郵便を自分の家へ転送することはできません。自分あての郵便を全部勤務先へ転送する仕組みもありません。
ゆうちょ銀行の口座の住所変更は、日本郵便の案内でも別の手続きとして紹介されています。ゆうちょ銀行を使っている人は、そちらも出します。
転居届はどこで出す?——窓口・ポスト・e転居の3つ

どの方法でも、出す人の本人確認があります。日本郵便がポスト投函の案内で本人確認の資料として挙げているのは、次のものです。
- 在留カード・特別永住者証明書
- マイナンバーカード
- 運転免許証・運転経歴証明書
- 各種健康保険証の資格確認書
運転免許もマイナンバーカードも持っていない人は、在留カードを使います。e転居のオンライン本人確認でも、在留カードが使える書類に入っています。
郵便局の窓口で出す
用紙は郵便局にあります。窓口では、出す人に加えて、引っ越す人のうち1人の本人確認をします。出す人と引っ越す人が違う場合、引っ越す人の資料はコピーでかまいません。窓口で本人と旧住所の両方を確かめてもらえると、あとで旧住所あてに確認書が送られることはありません。
ポストに投函する
窓口に置いてある用紙に書き込み、出す人の本人確認資料のコピーを貼ります。付属の専用封筒に入れて、切手を貼らずにポストへ。在留カードのコピーでも出せます。マイナンバーカードを使うなら、裏面のコピーは要りません。コピーが付いていないと、出し直しになることがあります。
e転居(Webサイト・郵便局アプリ)で出す
24時間いつでも、最短5分で終わります。ただし本人確認が済んだ「ゆうID」でログインする必要があり、その本人確認にはスマートフォンが要ります。方法は2つです。マイナンバーカードを読み取るか、顔写真付きの書類をスマホで撮影するか。撮影できる書類に在留カードが入っています。
ゆうIDに登録する住所は、本人確認に使うカードに書かれた住所にそろえます。在留カードの住所をまだ変えていなければ、旧住所です。
もう一つ、e転居では、郵便局の社員が旧住所や新住所を訪ねて、そこに住む人に転居のことを必要な範囲で伝える場合があることに、出す人と引っ越す人の全員が同意します。シェアハウスなどで同意したくなければ、窓口で出します。e転居で登録した内容は、あとからWebやアプリでは直せません。間違えたら出し直すか、郵便局に相談します。
どの出し方でも、あとで日本郵便が転居の事実を確かめることがあります。社員が訪ねてくる、留守なら同居の人に聞く、旧住所あてに確認書を送る、の3つです。
転居届はいつから転送される?——登録まで3〜7営業日、1年は届けた日から
転送は、用紙に書いた「転送開始希望日」から始まります。ただ、出してから登録されるまでに3〜7営業日かかります。e転居の案内には、開始まで一週間程度かかる場合がある、とあります。
数え方で間違えやすいのは期間のほうです。転送期間の1年は、転居届を出した日から数えます。転送開始希望日からではありません。
たとえば3月10日に転居届を出し、転送開始希望日を引っ越しの3月20日にしたとします。転送は3月20日から始まり、期間は3月10日から1年です。早く出しすぎると、そのぶん転送の期間が短くなります。7営業日は、土日をはさむと10日ほど。引っ越しの10日ほど前に出すと、登録が間に合い、期間もほとんど減りません。
1年たつと、旧住所あての郵便は差出人に返されます。延長したいときは、もう一度転居届を出すと、さらに1年転送されます。ただ日本郵便は、差出人に新しい住所を知らせるようにも頼んでいます。1年のうちに、銀行・カード会社・学校・勤務先の住所を変えておくのが本筋です。
転居届を出しても届かない郵便は?——「転送不要」と書かれたもの

封筒に「転送不要」と書かれた郵便は、転居届を出していても転送されません。日本郵便の説明では、これは差出人の「この住所に住んでいないなら返してほしい」という意思表示です。だから新住所ではなく、差出人に戻ります。
「転送不要」は、本人がその住所に住んでいるかを確かめたい差出人が使います。日本郵便の本人限定受取郵便のうち「特定事項伝達型」は、差出人が「転送不要」と書くことになっています。このタイプは、封筒に書かれた住所か郵便局の窓口でしか受け取れません。
「転送不要」は、書留かどうかとは別の話です。日本郵便のQ&Aが転送されないものとして挙げているのは、「転送不要」と書かれた郵便物等です。心当たりのある手紙が来ないときは、差出人に「転送不要で送りましたか」と聞くと、戻った先が分かります。
在留カードやマイナンバーの郵便は転送される?——マイナンバーの通知は戻る
マイナンバーの郵便には、転居届を出していても転送されないものが2つあります。
- 個人番号通知書:住民票に登録されてから2〜3週間ほどで、住民票の住所に簡易書留で届きます。転送不要郵便なので、その住所に転送の手続きがあると転送されず、市区町村の窓口に戻ります。
- マイナンバーカードの交付通知書:カードを受け取る案内です。原則として転送不要郵便で、転送届を出していると届かず、送った市区町村に戻ります。
来日してすぐ住民登録をし、数週間で引っ越す人は、この2つにちょうど当たります。届くはずの通知が来ないときは、郵便局ではなく、住民登録をした市区町村に連絡してください。別の市区町村に移って転出の手続きが済むと、前の市区町村ではカードを受け取れません。その場合は、新しい市区町村で申請を取り下げ、申請し直します。カードの有効期限など外国人に特有のルールは、外国人のマイナンバーカードの記事にまとめています。
在留カードは、オンラインで在留申請をして「郵送」で受け取る場合、送り先が利用者の住居地に決まっていて、ほかの場所には変えられません。申請中に引っ越したら、在留申請オンラインシステムのマイページで「利用者情報の確認」から住所を変えます。返信用封筒にも、今の住所を書きます。窓口受取と郵送受取の違いは在留申請オンラインの記事で確認できます。
役所の転入届とは別?——別の手続き。住居地の届出は14日以内
別です。郵便局の転居届は日本郵便という会社へのお願いで、日本郵便は転居届の内容を役所や企業に渡さないとしています。郵便局に出しても、役所の住所は変わりません。
まぎらわしいのは名前です。役所にも「転居届」があり、こちらは同じ市区町村の中で引っ越したときの住民票の届けです。別の市区町村へ移るなら、前の役所に転出届、新しい役所に転入届。どちらも引っ越しから14日以内で、流れは住民票の記事にあります。
在留カードを持っている人には、もう一つ意味があります。入管法では、住居地が変わったら14日以内に新しい住居地を届け出ます。出入国在留管理庁によると、在留カードを持って市区町村の窓口で住民票の届けをすれば、住居地の届出もしたことになります。入管に別に行く必要はありません。
届出を忘れたら?——罰金と、90日で取消しの対象
郵便局の転居届は、日本郵便のサービスへの申し込みです。出し忘れると、郵便が旧住所に届き続けます。
重いのは役所のほうです。新しい住居地を届け出なかった人は、入管法で20万円以下の罰金の対象です。さらに、届け出た住居地から出て90日以内に新しい住居地を届け出ないと、正当な理由がない限り、在留資格の取消しの対象になります。在留カードの携帯や更新のルールは在留カードの記事で確認できます。
転居届はいくら?——無料。延長も出し直すだけ
| 何を | いくら |
|---|---|
| 郵便局の転居届(窓口・ポスト・e転居) | 無料 |
| ポスト投函の郵送代 | 無料(付属の封筒で切手不要) |
| 1年後の延長 | 無料(転居届をもう一度出す) |
| 役所での住居地の届出 | 手数料なし |
お金がかかるのは、届けを忘れて郵便を取り戻しに行く手間と、届かなかった書類の再発行くらいです。個人番号通知書は、なくしても再発行されません。
帰国するときは?——海外には転送されない
日本郵便は、国内の郵便物を海外へ転送していません。国に帰っても、日本の旧住所あての手紙はあなたの国には届きません。
海外に引っ越したあと、日本の住所への配達を望まない場合は、新住所の欄だけ空けた転居届を、窓口かポスト投函で出します。出せるのは引っ越す本人だけで、e転居は使えません。帰国前の役所・保険・年金の順番は帰国前チェックリストで確認してください。
夏休みなどの一時帰国なら、転居届ではありません。旅行や帰省で家を空けるときは「不在届」を出すと、最長30日、郵便局で郵便物を預かってもらえます。30日を超える一時帰国は、この仕組みでは足りません。
転送されない・間に合わないときは?——控えの受付番号で確かめる
- 転居届を出したのに旧住所に届く:転居届の「お客さま控」を用意して、郵便局に連絡します。控えの受付番号で、日本郵便のサイトから受付状況も見られます。
- 引っ越しに間に合わなかった:気づいた日に出します。転送は登録されてから始まり、期間は出した日から1年です。
- 転送をやめたい:新旧の住所を逆にした転居届を出すか、郵便局の窓口に相談します。
- 前の住人あての郵便が届く:配達を担当する郵便局に連絡します。社員が訪ねて、住んでいる人を確かめます。
- e転居がエラーで進まない:時間をおいて試し、急ぐなら郵便局の窓口で出します。
終わりの判断——自分はどれか
- これから国内で引っ越す——引っ越しの10日ほど前に、在留カードを持って郵便局の窓口で転居届を出す。引っ越したら14日以内に役所で転入(転居)届をする日を、今日カレンダーに入れる。
- もう引っ越して、転居届をまだ出していない——今日、e転居か窓口で出す。旧住所に届いたままの郵便がないか、前の大家さんか管理会社に聞く。
- 来日して住民登録したばかりで、すぐ引っ越す——マイナンバーの通知は転送されないので、住民登録をした市区町村に、通知が届いたか・戻っていないかを今日問い合わせる。
- 日本を離れる——新住所の欄を空けた転居届を、帰国前に窓口かポストで出す。銀行・カード会社・学校には、今日から自分で住所の変更や解約を連絡していく。
よくある質問(FAQ)
Q. 郵便局の転居届は外国人でも出せますか?
出せます。本人確認の資料として、日本郵便は在留カードを挙げています。窓口、ポスト投函、e転居のどれでも使えます。
Q. 転居届にお金はかかりますか?
かかりません。旧住所あての郵便物を1年間、新住所へ無料で転送します。ポストに投函するときも、付属の封筒に切手は要りません。
Q. 転居届を出してから、いつ転送が始まりますか?
用紙に書いた転送開始希望日から始まります。ただし登録までに3〜7営業日かかるので、引っ越しの前に出してください。転送期間の1年は、届けを出した日から数えます。
Q. 転居届を出したのに届かない郵便はありますか?
あります。「転送不要」と書かれた郵便は転送されず、差出人に戻ります。マイナンバーの個人番号通知書やカードの交付通知書は転送不要郵便なので、市区町村に戻ります。日本郵便以外の会社の荷物も対象外です。
Q. 郵便局の転居届を出せば、役所の手続きは要りませんか?
要ります。郵便局の転居届は日本郵便への届けで、役所の住所は変わりません。在留カードを持って、引っ越しから14日以内に市区町村で転入届(同じ市区町村なら転居届)を出すと、入管への住居地の届出もしたことになります。
Q. 帰国したら、日本の郵便を海外に転送してもらえますか?
できません。日本郵便は国内の郵便物を海外へ転送していません。日本の住所への配達を望まないなら、新住所の欄以外を書いた転居届を、本人が窓口かポスト投函で出します。e転居は使えません。
まとめ
郵便局の転居届は、日本郵便に出す無料の届けです。旧住所あての郵便が1年間、新住所に転送されます。1年は届けを出した日から数え、登録までに3〜7営業日かかります。外国人も在留カードで出せます。
ただ、「転送不要」と書かれた郵便は届きません。マイナンバーの通知はその代表で、市区町村に戻ります。役所の転入届は別に14日以内、帰国するなら海外には転送されません。郵便局と役所、2つそろえて引っ越しが終わります。
出典(公式):日本郵便「転居・転送サービス」/同「転居・引越し・不在のQ&A」/同「e転居」/同「本人限定受取郵便」/マイナンバーカード総合サイト「個人番号通知書はいつ届きますか?」/出入国在留管理庁「住居地の変更届出(中長期在留者)」/同「オンラインでの申請手続に関するQ&A」。2026年9月23日に確認したものです。
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