この記事は2026年9月23日に、警察庁の自転車ポータルと「自転車ルールブック」(令和7年9月)、政府広報オンライン、警視庁の自転車のページで確かめて書いています。
先に結論
- 2026年4月1日から、自転車の交通違反にも「青切符」が切られます。対象は16歳以上。外国人も日本人も同じです。
- ルールそのものは変わっていません。変わったのは、捕まったあとの手続きです。反則金を払えば、裁判にならず前科もつきません。
- 反則金は、ながらスマホ12,000円、信号無視と右側通行6,000円、一時不停止と無灯火5,000円、二人乗りと並んで走る3,000円など。
- 飲酒運転は青切符ではなく赤切符(刑事手続)です。酒気帯びで3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。
- 警察はまず注意(指導警告)をします。切符を切られるのは、危ない違反や、注意を無視して続けたときです。
これが分かると、毎日の通学・通勤・配達のどこで切符を切られうるかが分かるので、今日から「車道の左側・ライト・スマホを持たない」の3つだけ直せば足ります。切符を切られたときも、7日以内に何をすればいいか分かります。
夜、バイトの帰り。歩道を走って、赤信号の交差点でスマホの地図を見ながら止まらずに曲がる。自分の国ではふつうのことです。そこで警察官に呼び止められる。日本人の友達に聞くと「自転車は捕まらないでしょ」と言います。2026年3月までは、多くの人がそう思っていました。
自転車のルールは何が変わった?——2026年4月から「青切符」
青切符とは、交通違反をした人が反則金を払えば、裁判を受けずに手続きが終わる仕組み(交通反則通告制度)で渡される紙のことです。車やバイクには前からありました。2026年4月1日から、これが自転車にも使われています(警察庁)。
それまで自転車の違反で検挙されると、いわゆる「赤切符」の刑事手続でした。取り調べや出頭が必要で、有罪になれば前科がつきます。青切符は、反則金を納めればそこで終わりです。手続きは軽くなり、そのぶん警察は違反を処理しやすくなりました。
対象は16歳以上です。16歳未満は、これまでどおり多くの場合は指導警告です。そして、自転車の交通ルールそのものは変わっていない、と警視庁は書いています。前から違反だったことに、払う金額が付いた、と考えてください。
日本の道路を走る人には、国籍に関係なく同じ道路交通法が当たります。警視庁は、この制度の案内を英語・中国語・韓国語でも出しています。
反則金はいくら?——ながらスマホ12,000円・信号無視6,000円

警察庁の「自転車ルールブック」に書かれている、よくある違反の反則金です。
| 違反 | 具体的には | 反則金 |
|---|---|---|
| 携帯電話使用等(保持) | スマホを手に持って通話する・画面を見ながら走る | 12,000円 |
| 遮断踏切立入り | 遮断機が下りかけている・警報が鳴っている踏切に入る | 7,000円 |
| 信号無視 | 赤信号で進む(点滅信号は5,000円) | 6,000円 |
| 通行区分違反 | 右側を走る(逆走)・走ってはいけない歩道を走る | 6,000円 |
| 横断歩行者等妨害等 | 横断歩道を渡る人の邪魔をする | 6,000円 |
| 指定場所一時不停止等 | 「止まれ」の標識で止まらない | 5,000円 |
| 無灯火 | 夜にライトをつけない | 5,000円 |
| 公安委員会遵守事項違反 | 傘を差して走る・周りの音が聞こえない状態でイヤホンを使う | 5,000円 |
| 自転車制動装置不良 | ブレーキがない・壊れた自転車に乗る | 5,000円 |
| 軽車両乗車積載制限違反 | 二人乗り | 3,000円 |
| 並進禁止違反 | 2台以上で横に並んで走る | 3,000円 |
| 歩道徐行等義務違反 | 歩道で車道寄りを徐行しない・歩行者の邪魔になっても止まらない | 3,000円 |
この表でいちばん高いのが、ながらスマホの12,000円です。止まって操作するのは対象外ですが、走りながら手に持って画面を見るのはだめです。地図アプリを見るなら、止まってから見てください。
どんなときに捕まる?——まず注意、危ないと切符
警察の基本の考え方は、青切符ができても変わっていません。違反を見つけたら、まず現場で指導警告(注意)をします。検挙されるのは、事故の原因になるような悪質・危険な違反です。警察庁は、たとえば次のような場合を挙げています。
- 違反のせいで、歩行者が立ち止まった・車が急ブレーキをかけた
- 違反を2つ同時にしている(傘を差しながら一時停止しない、二人乗りで信号無視など)
- 警察官に注意されたのに、右側通行を続けた
- 警察官がいるのが見えているのに、信号無視をした
- ながらスマホ、遮断踏切への立ち入り、ブレーキ不良(違反そのものが危ない)
取り締まりは、事故の多い朝の通勤・通学の時間帯と、日没前後の薄暗い時間帯を中心に行う、とも書かれています。
赤切符になるのは?——飲酒運転・事故・ながらスマホで危険を起こしたとき
次のような重い違反は青切符の対象ではなく、これまでどおり刑事手続(赤切符)です。
- 酒気帯び運転——3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。酒酔い運転は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(警視庁)。お酒を出した人、自転車を貸した人も罰せられます
- ながらスマホで実際に交通の危険を生じさせた——1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
- 違反をして、実際に事故を起こした——たとえば手放し運転で歩行者にぶつかった
- 妨害運転(あおり運転)
赤切符は刑事事件です。罰金になれば前科がつきます。
歩道は走っていい?——原則は車道の左側
自転車は車の仲間です。原則は車道の左側を走ります。右側を走ると逆走で、6,000円の対象です。
歩道を走っていいのは、次のときだけです。
- 「普通自転車歩道通行可」の標識・標示があるとき
- 13歳未満・70歳以上の人、一定の身体障害がある人が運転するとき
- 工事や駐車車両で車道の左側を走れない、車の交通量がとても多く車道が狭いなど、やむを得ないとき
歩道を走るときは、歩道の車道寄りを、すぐ止まれる速さで走ります。歩行者の邪魔になるときは止まります。信号は、車道を走るときは車用、歩道を走るときは歩行者用に従います。「歩行者・自転車専用」の信号があれば、それに従います(警視庁)。
ライト・傘・イヤホン・ヘルメットは?
- ライト——夜は必ずつけます(無灯火は5,000円)。警視庁は、点滅するライトだけでは前照灯にならないと書いています。10m先の障害物が見える明るさのライトを
- 傘・イヤホン——傘差し運転と、周りの音が聞こえない状態でのイヤホン運転は、全部の都道府県で禁止です(5,000円)。雨の日はレインコートを
- ヘルメット——かぶるように努める「努力義務」です。反則金はありません。ただ、頭をけがした人のうち、ヘルメットなしの人の致死率はかぶっていた人の約1.4倍です(政府広報)
電動アシスト自転車によく似た「ペダル付き電動バイク(モペット)」は、自転車ではなく原付です。運転免許・ナンバープレート・ヘルメットが必要です。買う前に、TSマークかBAAマークが付いた電動アシスト自転車かどうかを確かめてください。
青切符を切られたら?——翌日から7日以内に払う

- 警察官から、青切符(交通反則告知書)と納付書を受け取ります
- 違反を認めるなら、取締りの翌日から原則7日以内に、納付書を銀行か郵便局の窓口に持って行き、反則金を払います(仮納付)。これで終わりです。裁判はなく、前科もつきません
- 7日以内に払わなかったときは、青切符に書かれた日に交通反則通告センターへ行き、通告書と納付書を受け取ります。通告の翌日から10日以内に払えば、同じく終わりです
- それでも払わないと、刑事手続に移ります
払わないで放っておくのは、損な選び方です。反則金で終わるはずだったものが、刑事事件になります。
ビザや永住に影響する?——払えば前科はつかない
青切符の反則金を納めれば、刑事手続にはならず、前科もつきません(警察庁)。運転免許を持っている人でも、自転車の違反で免許の点数は付きません(悪質・危険な違反や重大な事故では、免許が停止されることがあります)。
ただ、在留の審査は「前科があるかないか」だけではありません。永住の審査では、素行が善良であることが条件で、過去5年の軽い交通違反の繰り返しも見られます。そして飲酒運転のような赤切符で罰金刑になれば、それは刑事処分です。入管が公開している更新不許可の事例には、罰金刑で不許可になった例があります。青切符の扱いが審査でどう評価されるかは、入管は公表していません。
違反を繰り返した人には、もう一つあります。14歳以上で、信号無視や右側通行など16種類の違反を3年以内に2回以上して検挙された人は、「自転車運転者講習」を命じられます。受けないと5万円以下の罰金です。
いくらかかる?——反則金のほかに、事故の賠償
反則金は、上の表の3,000円〜12,000円です。怖いのはそれより、事故を起こしたときです。自転車で人をけがさせて、数千万円の損害賠償を命じられた判決もあります(政府広報)。都道府県によっては、条例で自転車保険への加入が義務になっています(警察庁)。住んでいる都道府県のルールを確かめて、入っていなければ入ってください。
仕事や通勤の途中で事故にあったなら、けがの治療は労災保険の対象になりえます。
終わりの判断——自分はどれか
- 毎日自転車に乗る——今日から車道の左側を走る。夜はライト(点滅だけはだめ)。スマホは止まってから見る。
- 自転車で配達・通勤のアルバイトをしている——反則金が高いのは、ながらスマホ(12,000円)と信号無視(6,000円)。地図は止まって見る。自転車保険に入っているか確かめる。
- 青切符を切られた——翌日から7日以内に、納付書を持って銀行か郵便局へ。放置しない。
- 電動の自転車を買おうとしている——TSマークかBAAマークを確かめる。ペダル付き電動バイクは免許とナンバーが要る。
よくある質問(FAQ)
Q. 自転車の青切符はいつから、誰が対象ですか?
2026年4月1日からで、16歳以上の自転車の運転者が対象です。外国人も日本人も同じです。16歳未満は、多くの場合これまでどおり指導警告です。
Q. 自転車の反則金はいくらですか?
ながらスマホ12,000円、遮断踏切への立ち入り7,000円、信号無視と右側通行6,000円、一時不停止・無灯火・傘差し・イヤホン5,000円、二人乗りと並進3,000円などです。
Q. 違反したらすぐ青切符ですか?
基本はまず指導警告です。歩行者を止まらせた、車に急ブレーキをかけさせた、注意を無視して続けたなど、悪質・危険なときに検挙されます。
Q. 青切符の反則金はどうやって払いますか?
取締りの翌日から原則7日以内に、納付書を持って銀行か郵便局の窓口で払います。払えば裁判はなく、前科もつきません。払わないと、最後は刑事手続に移ります。
Q. 自転車の飲酒運転はどうなりますか?
青切符ではなく赤切符(刑事手続)です。酒気帯び運転は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、酒酔い運転は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
Q. 自転車で歩道を走ってもいいですか?
原則はだめで、車道の左側を走ります。「普通自転車歩道通行可」の標識があるとき、13歳未満・70歳以上の人、車道が危なくてやむを得ないときだけ、歩道の車道寄りを徐行して走れます。
まとめ
2026年4月から、自転車の違反にも青切符が切られます。ルールは前と同じで、変わったのは捕まったあとの手続きです。車道の左側、夜のライト、走りながらスマホを持たない。この3つで、表のほとんどは避けられます。
切符を切られたら、7日以内に払えば終わりで、前科もつきません。飲酒運転は赤切符の刑事事件です。事故の賠償は反則金とは桁が違うので、自転車保険も確かめてください。
出典(公式):警察庁「自転車の新しい制度」/同「取締りについて」/同「自転車ルールブック」(PDF)/政府広報オンライン「2026年4月から自転車の交通違反に『青切符』を導入!」/警視庁「自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入」。2026年9月23日に確認したものです。
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