この記事は2026年9月23日に、こども家庭庁「こどもに係る医療費の助成についての調査」、国民健康保険法・健康保険法、厚生労働省、東京都福祉局、新宿区・大阪市・横浜市の公式案内で確かめて書いています。
先に結論
- 子ども医療費助成とは、子どもが病院にかかったときの健康保険の自己負担(2割か3割)を、住んでいる市区町村が代わりに払う制度です。国の制度ではないので、年齢も窓口の支払いも市区町村ごとに違います。
- 全国1,741の市区町村すべてが実施していて、1,576(約9割)が通院を18歳の年度末まで助成しています(2025年4月1日現在)。
- 外国籍の子どもも対象です。条件は、その市区町村に住民票があり、日本の健康保険に入っていること。
- 申請しないと始まりません。出生・転入のあとすぐ、市区町村に「医療証」を申請します。新宿区は3か月を過ぎると、さかのぼれません。
- 病院では、マイナ保険証(または資格確認書)と医療証を出します。県外で受診した日や医療証を忘れた日は、いったん払って、領収書で払い戻しを受けます。
これが分かると、生まれた日・引っ越した日のうちに医療証を申請できるので、払わなくてよかった医療費を払い続けることがなくなります。払ってしまった分も、領収書があれば取り戻せます。
子どもが夜に熱を出して、近くのクリニックに連れて行った。会計で500円を払った。翌日、日本人の同僚に話すと「子どもの医療費はタダでしょ?」と言われた。同僚は横浜に住んでいて、あなたは大阪市に住んでいる。どちらも間違っていません。子どもの医療費は、住んでいる市区町村で決まるからです。日本人も自分の市のルールしか知らないので、聞いても答えがそろいません。
子ども医療費助成とは?——国ではなく市区町村の制度
日本の健康保険では、病院の窓口で払うのは医療費の一部です。小学校に上がる前(6歳になった後の最初の3月31日まで)の子は2割、それ以降は3割です。これは国の法律で決まっていて、全国で同じです(国民健康保険法42条・健康保険法110条)。
子ども医療費助成は、この2割・3割の部分を、市区町村がさらに肩代わりする制度です。お金を出すのは市区町村で、都道府県が補助しています(こども家庭庁)。だから名前も市区町村ごとに違います。東京都は「マル乳・マル子・マル青」、大阪市は「こども医療費助成」、横浜市は「小児医療費助成」。申請するともらえるカードも、「医療証」「受給者証」と呼び方が分かれます。
国の制度である児童手当は全国同じ額です。子どもの医療費は、そうではありません。
子どもの医療費は何歳まで無料?——9割の市区町村が18歳の年度末まで
こども家庭庁が2025年4月1日現在で調べた結果、全国1,741の市区町村のすべてが、子どもの医療費を助成していました。通院の対象年齢は次のとおりです。
| 通院の対象年齢 | 市区町村の数 |
|---|---|
| 18歳の年度末まで(高校生まで) | 1,576 |
| 15歳の年度末まで(中学生まで) | 145 |
| 20歳・22歳の年度末まで | 10 |
| 就学前・12歳の年度末まで | 10 |
「18歳の年度末」とは、18歳になった後の最初の3月31日のことです。高校に通っているかどうかは関係ありません(東京都のマル青)。
ただし「無料」とは限りません。窓口で少し払う市区町村が422、払わない市区町村が1,319です(通院)。所得制限がある市区町村は49で、1,692は所得制限がありません。
東京都・大阪市・横浜市では、窓口でいくら払う?

大きい3つの自治体を並べます。どれも公式の案内を2026年9月23日に開いて確かめたものです。
| 東京都(都の基準) | 大阪市 | 横浜市 | |
|---|---|---|---|
| 対象 | 18歳の年度末まで(マル乳・マル子・マル青) | 18歳の年度末まで | 18歳の年度末まで(2026年6月から) |
| 窓口の支払い | 未就学児は0円。小学生から高校生は通院1回最大200円(0円の区市町村もある) | 1つの医療機関につき1日最大500円・月2日まで。月の上限2,500円。薬局は0円 | 0円(全額助成) |
| 所得制限 | 区市町村による(新宿区はなし) | なし(2024年4月から) | 案内の対象条件に所得は無い |
| 医療証が使える所 | 東京都内 | 大阪府内 | 神奈川県内 |
東京都は、都が基準を決めて、区市町村が上乗せします。たとえば新宿区は、保険の自己負担分と入院中の食事代まで助成するので、窓口では払いません。東京に住んでいる人は、自分の区市町村の案内で確かめてください。
大阪市の500円は、同じ病院なら3日目から0円になります。いくつかの病院にかかっても、ひと月に払うのは2,500円までです。超えた分は、あとで払い戻しを申請できます。
外国人の子どもも子ども医療費助成を受けられる?——住民票と健康保険があれば
受けられます。どの自治体の案内を見ても、条件は国籍ではなく次の2つです。
- その市区町村に住所がある(住民票がある)
- 日本の健康保険(国民健康保険か、親の会社の健康保険)に入っている
外国籍の子を名指しで書いている自治体もあります。刈谷市は「外国籍の人でも、住民票があり、健康保険に加入していれば対象」、一宮市は「外国人の子も、市に住んで住民票があれば受給者証を交付」としています。新宿区は、英語・中国語・韓国語・ネパール語・ベトナム語で外国人向けの案内を出しています。
いちばん多いつまずきは、子どもが健康保険に入っていないことです。東京都・大阪市・横浜市・新宿区のどれも、健康保険に入っていない子を対象から外しています。生まれた赤ちゃんは、親の会社の健康保険か国民健康保険(14日以内の届出)に入れてください。
保護者が日本に住んでいない場合は、扱いが変わることがあります。新宿区の英語の案内は、留学生などで保護者が日本に住んでいないときは相談するように、としています。
子ども医療費助成の申請は?——出生・転入のあと、すぐ(必要なもの)

医療証は、申請しないと届きません。子どもが生まれたとき、別の市区町村から引っ越してきたときに、住んでいる市区町村へ申請します。
いつから助成されるかは、申請の早さで変わります。新宿区は、出生・転入の翌日から3か月以内に申請すれば、生まれた日・引っ越した日から助成します。3か月を過ぎると申請した月の1日からになり、さかのぼれません。大阪市のしおりは、助成の始まりを出生日・転入日としています。期限の長さは市区町村ごとなので、出生届や転入届と同じ日に申請するのが確実です。
必要なものは、新宿区の場合こうです。
- 医療証の交付申請書(窓口にある)
- 子どもの健康保険の資格が確認できるもの(資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの画面を印刷したものなど)。加入の手続き中なら、入る予定の保険のものでもよい
- 子どものマイナンバーが確認できるもの
- 窓口に行く人の本人確認書類(マイナンバーカード・在留カードなど)
新宿区は、書類を申請のあとで出すこともできます。健康保険の手続きが終わるのを待たずに、先に申請だけしてください。大阪市・横浜市・新宿区は郵送でも申請できます。オンライン申請もあります(大阪市は出生のときだけ)。出生のときは、出生届と赤ちゃんの在留資格の申請、児童手当の申請(15日以内)と同じ日に済ませると、行き来が減ります。
申請が遅れても、あきらめないでください。新宿区なら、遅れても申請した月の1日からは助成されます。今日申請すれば、医療証が届いてからの受診は窓口の支払いが変わります。申請してから届くまでに払った分は、払い戻しで戻ります(大阪市)。
医療証はどう使う?——保険の資格確認と一緒に窓口で出す
病院や薬局の受付で、マイナ保険証(または資格確認書)と医療証を一緒に出します。これで窓口の支払いが、その市区町村の自己負担額になります。
マイナ保険証だけで医療証の代わりになる地域もあります。市区町村と病院が「PMH」という仕組みにつながっている場合です(東京都)。ただ新宿区は、マイナ保険証で受診するときも医療証は必ず持ってくるように、としています。医療証は持ち歩くのが安全です。
医療証には有効期間があり、決まった日に新しくなります。東京都は毎年10月1日に更新で、2026年10月1日からの医療証は淡い緑色です。横浜市は1歳以上なら偶数年の10月1日、大阪市は3・6・9・12・15歳の年度の10月31日が区切りです。どこも申請は要らず、新しい医療証が郵便で届きます。届かないときは市区町村に連絡してください。
県外・市外で受診したら?医療証を忘れたら?——いったん払って払い戻し
医療証が使えるのは、原則としてその都道府県の中の病院です。東京都は都内、大阪市は大阪府内、横浜市は神奈川県内です。里帰りや旅行先で受診したときは、窓口で健康保険の自己負担(2割か3割)を払います。
そのお金は戻ってきます。住んでいる市区町村に領収書を出して、払い戻し(償還払い)を申請します。同じ手続きで戻るのは、たとえば次の日です(大阪市)。
- 医療証を忘れた日、急病で出せなかった日
- 申請してから医療証が届くまでの間に受診した日
- 県外の病院や、医療証を取り扱わない病院で受診した日
出すのは、領収書の原本です。新宿区は、受診した人の名前・金額・日付・保険点数が書いてある領収書を求めていて、金額だけのレシートは受け付けません。なくしたときは、病院で「領収証明書」を出してもらえます(大阪市。手数料は自分で払う)。
期限は、大阪市が支払日の翌日から5年、横浜市が受診した月の翌月1日から5年です。横浜市の場合、戻るまで3か月前後かかります。
保険証も何も出せずに10割払った日は、順番が一つ増えます。先に加入している健康保険に「療養費」を申請し、その決定のあとで市区町村に払い戻しを申請します。健康保険への療養費の期限は2年です(大阪市)。
助成されないものは?——予防接種・健診・差額ベッド代
子ども医療費助成が肩代わりするのは、健康保険が効く医療費の自己負担分だけです。健康保険が効かないものは、どの自治体でも自分で払います。東京都と大阪市が挙げている例はこうです。
- 予防接種、健康診断
- 入院の差額ベッド代(個室など)、薬の容器代
- 紹介状なしで大きい病院にかかったときの追加の料金(選定療養費)
- ジェネリックがある薬で、先発品を希望したときの追加の料金
- 入院中の食事代(東京都の基準・大阪市。新宿区のように助成する区もある)
紹介状なしで大病院に行くと、7,000円以上がかかることがあります。子どもの熱や咳なら、まず近くのクリニックに行くほうが安く済みます。夜や休日なら、大病院ではなく急患センターや小児科の当番医の探し方と、#8000の受付時間を先に見ておいてください。受診の流れは日本で病院にかかる方法にあります。
保育園や学校でのけがは、別の仕組み(日本スポーツ振興センターの災害共済給付)の対象になることがあります。東京都はその場合、医療証の助成の対象外としています。園や学校に連絡してください。
引っ越し・帰国したら?——前の医療証は使えない
医療証は、その市区町村の住民である間だけ使えます。新宿区の届出書は、受給資格がなくなる理由に「日本国内に住所を有しなくなった」「他の区市町村に転出した」を挙げています。
資格がなくなった後に古い医療証を使うと、助成された額を返すように求められることがあります(大阪市)。引っ越したら、新しい市区町村で医療証を申請し直してください。新宿区の3か月のように、転入からの期限があるところもあります。帰国するときは、転出届と一緒に医療証の手続きも済ませます。
終わりの判断——自分はどれか
- 日本で子どもが生まれた・生まれる——出生届の日に、健康保険の加入と医療証の申請を一緒にする。保険の書類が間に合わなければ、申請だけ先に出す。
- 子どもと一緒に引っ越してきた——転入届の窓口で医療証の申請先を聞き、その日のうちに申請する。前の市区町村の医療証はもう使わない。
- 医療証を持っていない・申請が遅れた——今日申請する。届くまでの領収書は取っておく。
- 県外で受診した・医療証を忘れて払った——領収書の原本を捨てずに取っておき、住んでいる市区町村に払い戻しを申請する。
よくある質問(FAQ)
Q. 日本では子どもの医療費は無料ですか?
国の健康保険では、小学校に上がる前は2割、それ以降は3割を払います。そのうえで全国すべての市区町村が子どもの医療費を助成していて、1,319の市区町村では通院の窓口負担がありません(2025年4月1日現在)。無料かどうかは住んでいる市区町村で決まります。
Q. 子どもの医療費助成は何歳までですか?
市区町村ごとに違います。全国1,741のうち1,576の市区町村が、通院を18歳の年度末(18歳になった後の最初の3月31日)まで助成しています。東京都・大阪市・横浜市も18歳の年度末までです。
Q. 外国人の子どもも子ども医療費助成を受けられますか?
受けられます。条件は、その市区町村に住民票があることと、日本の健康保険に入っていることです。刈谷市・一宮市などは、外国籍の子も対象になると公式に書いています。
Q. 医療証の申請はいつまでにすればいいですか?
期限は市区町村ごとに違います。新宿区は、出生・転入の翌日から3か月以内に申請すれば出生日・転入日から助成し、過ぎると申請した月の1日からになります。出生届や転入届と同じ日に申請するのが確実です。
Q. 県外の病院で受診したら、医療費は戻りますか?
戻ります。窓口で健康保険の自己負担を払い、領収書の原本を住んでいる市区町村に出して払い戻しを申請します。期限は、大阪市が支払日の翌日から5年、横浜市が受診月の翌月1日から5年です。
Q. 医療証を忘れて病院に行ったら、どうなりますか?
その日はいったん自己負担を払います。あとで領収書の原本を市区町村に出せば、助成の分が戻ります。大阪市は、急病や旅行先で医療証を出せなかった場合も払い戻しの対象にしています。
まとめ
子どもの医療費の2割・3割は国の健康保険のルールで、全国同じです。その先をどこまで肩代わりするかは、住んでいる市区町村が決めます。全国の9割が18歳の年度末まで助成していて、外国籍の子も住民票と健康保険があれば対象です。
申請しないと医療証は届きません。生まれた日・引っ越した日に、健康保険と医療証を一緒に片づけてください。県外で受診した日や医療証を忘れた日も、領収書があればお金は戻ります。
出典(公式):こども家庭庁「令和7年度 こどもに係る医療費の助成についての調査」/国民健康保険法42条/健康保険法110条/東京都福祉局「高校生等医療費の助成(マル青)」(マル子・マル乳)/新宿区「子ども医療費助成」/大阪市「こどもの医療費を助成します」/横浜市「小児医療費助成」/刈谷市「外国人でも子ども医療費受給者証は発行してもらえますか?」。2026年9月23日に確認したものです。対象年齢・窓口の支払い・申請の期限は、必ず自分の市区町村の案内で確かめてください。
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