この記事は2026年9月17日に、出入国在留管理庁の「契約機関・活動機関に関する届出」、入管法(e-Gov)、ハローワークの雇用保険手続きの案内、協会けんぽの「会社を退職するとき」、市区町村の国民年金の案内を本文まで開いて確かめました。
先に結論
- 退職の手続きとは、会社を辞めた本人が、入管・ハローワーク・市区町村の3か所に自分で届け出ることです。会社がやってくれるのは源泉徴収票と離職票を出すところまで。
- 入管への届出は退職から14日以内。「契約機関(活動機関)に関する届出」で、オンラインでも出せます。出さないと20万円以下の罰金、次の更新でも見られます。
- 離職票は会社からもらう。失業給付にも、国保の減額にも使います。出してくれないならハローワークへ。
- 健康保険は3択(任意継続は20日以内)、年金は14日以内に市区町村で国民年金へ。放っておくと無保険の期間ができます。
- 帰国する人は、さらに年末調整か確定申告、住民税、脱退一時金、転出届。辞める前に会社に「帰国します」と伝えるのが先です。
辞めると決めた。上司に伝えた。最終出勤日が決まった。ここまでは日本人と同じです。違うのはその後です。日本人の同僚は「あとは会社がやってくれるよ」と言う。会社がやるのは、会社側の届出だけ。あなたの在留資格の届出は、あなたが出します。そして、辞めた次の日から、健康保険も年金も自分で手続きしないと空白になります。
まず入管——退職から14日以内に「契約機関(活動機関)に関する届出」

就労の在留資格を持つ人は、会社との契約が終わった日から14日以内に、出入国在留管理庁に届け出ます(入管法第19条の16)。名前が2つあって、自分の在留資格でどちらかが決まります。
- 契約機関に関する届出——技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能、介護、研究、興行、高度専門職1号イ・ロ/2号(イ・ロ)の人。「契約が終了した」「新たな契約を締結した」ときに出します。
- 活動機関に関する届出——経営・管理、企業内転勤、教育、教授、医療、法律・会計業務、技能実習、留学、研修、高度専門職1号ハ/2号ハの人。「離脱(退職・卒業など)」「移籍」のときに出します。
出し方は3つ。電子届出システム(オンライン、24時間)、地方出入国在留管理官署の窓口(在留カードを提示)、郵送(届出書と在留カードの写し)。転職先が決まっている人は「終了」と「新たな契約」の2つを出します。まだ決まっていない人は「終了」だけ出して、決まったら「新たな契約」を出します。
出さないとどうなるか。届出をしなかった人は20万円以下の罰金(第71条の5)、嘘の届出をした人は1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金(第71条の2)。それ以上に効くのは、次の在留期間の更新で「届出をしていた人かどうか」を見られることです。14日は短い。辞めた週のうちにオンラインで済ませてください。
なお、家族滞在・永住者・日本人の配偶者等・定住者の人は、この届出はありません。就労が在留資格の「活動」になっている人だけの義務です。
会社からもらうもの——離職票と源泉徴収票
辞める前に、会社に2つ頼んでおきます。
- 雇用保険被保険者離職票(-1、-2)——会社がハローワークに「離職証明書」を出すと発行されます。離職前に、本人が離職証明書に氏名を書き、離職理由を確認することになっています(ハローワーク)。「自己都合」か「会社都合」かで、失業給付の始まる時期が変わるので、ここは目を通してください。離職後に自宅に届く(取りに行く場合もある)。会社が出してくれないときは、住んでいる地域のハローワークに相談できます。
- 源泉徴収票——その年の給料と引かれた税金の証明。次の会社の年末調整か、自分の確定申告(還付申告)で使います。年の途中で辞めて次が無い人は、これで税金が戻ります。
離職票は、失業給付を受けない人にも要ります。国民健康保険の減額(会社都合の離職)の証明になるからです。もらっておいて損はありません。
健康保険——辞めた翌日から、3つのどれかを選ぶ
会社の健康保険は、退職日の翌日に資格を失います。その日から、次のどれかに入っていないと無保険です(協会けんぽ「会社を退職するとき」)。
- 任意継続——今の健康保険を最長2年続ける。条件は、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あること、退職日の翌日から20日以内に手続きすること。保険料は会社負担が無くなるので退職前の2倍(上限あり)、原則2年間変わらない。
- 国民健康保険——市区町村で、14日以内に加入。保険料は世帯の人数と前年の所得で決まる。会社都合の離職なら減額の制度がある。
- 家族の健康保険の被扶養者——配偶者が会社の健康保険に入っていて、扶養の要件を満たすなら。保険料はかからない。手続きは配偶者の勤務先。
どれが安いかは前年の所得で変わります。任意継続の保険料は「今の給与明細の健康保険料×2」で今すぐ分かる。国保の保険料は市区町村の窓口で試算してもらえる。両方の数字を並べて決めてください。任意継続の20日を過ぎると、国保しか選べなくなります。
年金——退職の翌日から14日以内に、市区町村で国民年金へ
厚生年金も退職日の翌日に資格を失います。20歳以上60歳未満の人は、退職日の翌日から14日以内に市区町村の国民年金窓口で第1号被保険者になる手続きをします(市区町村の案内)。持ち物は本人確認書類、退職日が分かる書類(退職証明書・資格喪失証明書など)、基礎年金番号が分かるもの。
「払えない」人は、加入だけして免除・納付猶予の申請をします。放置して未納にするのと、免除を受けるのとでは、将来の年金の扱いが変わります(未納と特例の違い)。学生に戻る人は学生納付特例です。
在留資格——「3か月」を数え始めるのは今日から
就労の在留資格のまま、正当な理由なく3か月以上その活動をしていないと、在留資格の取消しの対象になります。ただし就職活動をしている間は「正当な理由」にあたりうると入管は例示しています。ハローワークの求職登録、応募の記録、面接の日付を残してください。詳しくは在留資格の取消しの記事で、何が実際に取り消されているかを書きました。
転職先が決まったら、その仕事が今の在留資格の範囲に入っているかを確かめます。入っていなければ在留資格変更許可申請。特定技能の人は特定技能の転職の記事に、変更の手順と期間の目安があります。
帰国する人は、あと5つ

辞めてそのまま帰国する人は、上の手続きに加えて、お金が戻る手続きが3つと、消す手続きが2つあります。順番を間違えると、戻るはずのお金が戻りません。
- 会社に「帰国する」と伝え、出国前に年末調整をしてもらえるか確かめる。できないなら、出国前に納税管理人を届け出て、確定申告(還付申告)で引かれすぎた所得税を戻します。
- 住民税は、残りを最後の給与から一括で引いてもらう。本人が申し出れば会社がやります(1〜4月の退職は自動)。引き切れない分は納税管理人が払います。
- 脱退一時金は、出国してから2年以内に請求。厚生年金・国民年金の加入期間が6か月以上ある人。転出届を出して住民票を抜いていることが前提です。
- 市区町村に転出届。同時に国民健康保険と国民年金の資格喪失の手続き。転出届を出さないと、住民税も国保も請求が続きます。
- 入管に契約終了の届出(14日以内)、在留カードは出国時に空港で返す。再入国の予定が無い人は、みなし再入国許可を使わずに出国します。
全部の順番と持ち物は帰国のチェックリストにまとめています。
終わりの判断——自分はどの型か
次の会社が決まっている人:入管に「終了」と「新たな契約」の2つを14日以内に。健康保険と年金は次の会社が引き継ぐので、空白が1日も無ければ国保・国民年金の手続きは要りません。空白があるなら、その日数分だけ国保と国民年金に入ります。
まだ決まっていない人:入管に「終了」、ハローワークで求職登録、健康保険を3択から選び、国民年金に切り替える。この4つを、辞めた月のうちに。求職の記録が「正当な理由」になります。
帰国する人:会社に伝える→入管の届出→保険と年金→税金→転出届→出国。この順です。お金が戻る手続き(所得税・住民税・脱退一時金)は、出国してからでは動かしにくい。出国前に納税管理人を決めておくのが一番の保険です。
よくある質問(FAQ)
Q. 会社を辞めたら、入管に何を出しますか?
「契約機関に関する届出」(技人国・特定技能など)か「活動機関に関する届出」(経営・管理、企業内転勤、技能実習、留学など)を、退職から14日以内に。電子届出システムでオンラインで出せます。出さないと20万円以下の罰金です。
Q. 会社が離職票を出してくれません。
住んでいる地域のハローワークに相談してください。離職票は失業給付と国保の減額に要ります。
Q. 辞めたあとの健康保険はどうなりますか?
退職日の翌日に資格を失います。任意継続(20日以内・保険料は2倍・最長2年)、国民健康保険(14日以内)、家族の扶養、の3択です。
Q. 年金はどうすればいいですか?
退職日の翌日から14日以内に、市区町村で国民年金(第1号)の手続きをします。払えない人は免除・納付猶予の申請を。未納のまま放置しないでください。
Q. 仕事を探している間に在留資格が取り消されますか?
就職活動中は「正当な理由」の例として入管が挙げているので、探している記録が守りになります。ハローワークの登録、応募と面接の記録を残してください。
Q. 帰国するとき、税金は戻りますか?
年の途中で辞めた人は、年末調整か還付申告で所得税が戻ることが多い。出国前に会社に年末調整を頼むか、納税管理人を届け出て申告します。年金は脱退一時金を出国後2年以内に請求します。
まとめ
外国人が会社を辞めたら、届け出る先は3つ。入管(14日以内)、ハローワーク(離職票・求職)、市区町村(健康保険・年金)。会社は源泉徴収票と離職票を出すところまでで、あとは本人です。健康保険は3択、任意継続は20日以内。年金は14日以内。
帰国する人は、会社に伝える→入管→保険と年金→税金→転出届→出国。所得税と住民税と脱退一時金は、順番を守れば戻ります。納税管理人を決めてから飛行機に乗る。
出典(公式):出入国在留管理庁「契約機関に関する届出」/同「活動機関に関する届出」/出入国管理及び難民認定法 第19条の16・第71条の2・第71条の5(e-Gov)/ハローワーク「雇用保険の手続きをするときには」/全国健康保険協会「会社を退職するとき」/調布市「国民年金の加入・種別変更・喪失手続」(いずれも2026年9月17日に確認)
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