この記事は2026年9月25日に、入管法19条の16・71条の2・71条の5・22条の4の条文(e-Gov)と、出入国在留管理庁の「所属(契約)機関に関する届出」「所属(活動)機関に関する届出」「所属機関等に関する届出Q&A」、届出書の記載例、電子届出システムの操作マニュアル、厚生労働省の「外国人雇用状況の届出」を本文まで開いて確かめて書いています。
先に結論
- 所属機関に関する届出とは、会社を辞めた・新しい会社に入ったことを、あなた自身が14日以内に入管へ知らせる届出です(入管法19条の16)。
- 出すのは、技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能、介護、経営・管理、企業内転勤、留学などの人です。永住者・定住者・日本人の配偶者等の人は、転職しても出しません。
- 14日は、辞めた日と入社した日から数えます。辞める前・入社する前に出しておくことはできません。
- 出し方はオンライン(電子届出システム・24時間)、入管の窓口、郵送の3つです。雇用契約書などの資料は要りません。
- 会社がハローワークに出す届出は、あなたの届出の代わりになりません。出さないと20万円以下の罰金の対象で、ビザ更新や永住の審査でも見られます。14日を過ぎていたら、気づいた日に出してください。
これが分かると、辞めた週のうちに、自分の在留資格に合った届出を1枚で済ませられるので、2年後のビザ更新で「届出が出ていない」と言われる事故を避けられます。次の会社が決まっていない人も、いま何を出して、次に何を出すかが分かります。
新しい会社の初日。人事の人が、健康保険と年金の手続きは会社でやります、と言ってくれた。在留カードのコピーも取られた。これで全部だと思って、日本人の同僚に「入管にも何か出すの?」と聞いてみる。同僚は首をかしげます。日本人には、転職を入管に知らせる手続きがそもそも無いからです。あなたには、あります。しかも会社ではなく、あなたが出す手続きです。
- 所属機関に関する届出とは?——転職・退職を入管に知らせる14日以内の義務
- 誰が出す?——在留資格で「契約機関」と「活動機関」に分かれる
- いつまでに出す?——辞めた日・入社した日から14日(数え方)
- 所属機関に関する届出の出し方は?——オンライン・窓口・郵送の3つ
- 必要書類は?——届出書だけ。雇用契約書は要らない
- いくらかかる?——手数料の記載はない
- 会社の届出と何が違う?——会社が出しても、あなたの届出は残る
- 届出を出さなかったら?——罰金20万円以下、嘘なら拘禁刑も
- 14日を過ぎたら?——気づいた日に出す
- 届出だけで足りる?——仕事の中身が変わるなら別の手続き
- 終わりの判断——自分はどれか
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
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所属機関に関する届出とは?——転職・退職を入管に知らせる14日以内の義務
所属機関に関する届出とは、働いている会社や通っている学校(所属機関)との関係が変わったときに、本人が出入国在留管理庁に知らせる届出です。入管法19条の16が「事由が生じた日から14日以内」に届け出なければならないと定めています。
入管のページでは、在留資格によって名前が2つに分かれます。
- 所属(契約)機関に関する届出——会社との「契約」が在留資格の土台になっている人。辞めたら「契約の終了」、新しい会社と契約したら「新たな契約の締結」を出します
- 所属(活動)機関に関する届出——どこで「活動」するかが土台になっている人。辞めた・卒業したら「離脱」、別の会社や学校に移ったら「移籍」を出します
どちらも、入管の手続ページは届出者を「中長期在留者本人」としています。
誰が出す?——在留資格で「契約機関」と「活動機関」に分かれる

自分がどちらかは、在留カードの「在留資格」の欄で決まります。技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能、介護、研究、興行、高度専門職1号イ・ロの人は契約機関です。経営・管理、企業内転勤、教育、教授、医療、法律・会計業務、技能実習、留学、研修、高度専門職1号ハの人は活動機関です。
永住者・定住者・日本人の配偶者等・家族滞在・特定活動の人は、転職しても所属機関の届出はありません。仕事がその在留資格の「活動」になっていないからです。配偶者として在留する人には、離婚・死別のときに別の届出があります。
迷いやすい場面は、入管のQ&Aが一つずつ答えています。
- 同じ会社の別の支店に異動した——契約機関の人は届出不要です
- 派遣会社は同じで、派遣先が変わった——契約機関の人は不要です。活動機関の人は、前の派遣先からの離脱と新しい派遣先への移籍を出します
- いまの会社で働きながら、別の会社でも長く働く——必要です。今の会社名の後に「(二重契約)」と書きます。3日間だけなら不要です
- 別の会社に出向した——契約機関の人は、出向先との「新たな契約の締結」を出します
いつまでに出す?——辞めた日・入社した日から14日(数え方)

14日の出発点は、届出書の記載例がはっきり書いています。
- 契約の終了(離脱):契約が終わった日、つまり辞めた日
- 新たな契約の締結(移籍):契約の効力が生まれた日、つまり入社日
内定の書類にサインした日ではありません。9月30日に辞めて10月1日に入社した人なら、入管の記載例と同じで、10月2日以降に2つを1枚(契約機関の人は様式1の7)で出せます。
初日を1日目に数えるかどうかは、入管のページには書かれていません。辞めた日を1日目と数えて、その14日目までに出せば、どちらの数え方でも間に合います。上の例なら10月13日です。
先に出しておくことはできません。入管は「未来日を届出事由発生日とする届出はできない」と答えています。来月辞める予定でも、辞めた後に出します。
次の会社がまだ決まっていない人は、2回に分けます。辞めた日から14日以内に「契約の終了」だけを出し、入社したら、その日から14日以内に「新たな契約の締結」を出します。その間の数か月には、別の時計が動きます。在留資格の活動を3か月以上していないと、取消しの対象になるからです(入管法22条の4)。入管のQ&Aは、会社訪問など具体的な就職活動をしていることを「正当な理由」の例に挙げています。応募した会社と日付、面接の記録を残してください。3か月の数え方と取消しの流れは在留資格の取消しの仕組みで確かめられます。
所属機関に関する届出の出し方は?——オンライン・窓口・郵送の3つ
入管の手続ページは「インターネットによる届出が便利です」と書いています。
オンライン(電子届出システム)——24時間365日出せて、あとで届出の履歴と処理状況も見られます。流れは次のとおりです(操作マニュアル・中長期在留者用)。
- メールアドレスを登録し、届いたURL(24時間以内)から利用者IDを受け取る
- ログインして「利用申出」をする(最初の1回だけ)
- 「所属機関・配偶者に関する届出」で、在留資格と届出の内容(契約の終了など)を選んで入力する
- 受付・受付番号・登録完了のメールが届く。誤りがあれば登録エラーのメールが来るので、直して出し直す
画面は英語・中国語・ベトナム語など8言語に切り替えられます。動作環境はWindowsかmacOSのパソコンです。マイナンバーカードは、届出だけなら使いません。マイナンバーカードが要るのは、ビザ更新などを家から出す在留申請オンラインを使うときです。操作で詰まったら、ヘルプデスク(050-3786-3053・日本語か英語・平日9時〜17時)に電話できます。
窓口——近くの地方出入国在留管理官署で、在留カードを見せて届出書を出します。受付の曜日や時間が決まっていることがあるので、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)で確かめてから行ってください。
郵送——届出書と在留カードの写しを封筒に入れ、表に赤い字で「届出書在中」と書いて、次の宛先に送ります。
〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目6番1号 四谷タワー14階 東京出入国在留管理局 在留調査部門 届出受付担当
どこに住んでいても、郵送先はこの1か所です(持ち込みはできません)。受付の連絡は来ないので、入管は配達の記録が残る方法で送ることを勧めています。
必要書類は?——届出書だけ。雇用契約書は要らない
入管のQ&Aは「届出に係る資料は必要ありません」と答えています。雇用契約書も退職証明書も付けません。郵送のときだけ、在留カードの写しを入れます。
紙で出すときの届出書は、入管のページにある参考様式を使います。
- 契約機関の人:辞めた(1の4)/新しい会社と契約した(1の5)/両方(1の7)
- 活動機関の人:離脱(1の2)/移籍(1の3)/両方(1の6)
書くことは、在留カードのとおりの名前・生年月日・国籍・住居地・在留カード番号と、辞めた日(入社日)、会社の名前・所在地・法人番号(13桁)です。新しい会社については、仕事の内容も書きます。「システムエンジニア」のような職業名でかまいません。
気をつける点は3つです。日本語か英語で書くこと。会社の名前は、契約の相手である本社・本店の名前を書くこと(個人事業主に雇われているなら、その人の名前)。そして署名は必ず本人が手書きすることです。届出書には「提出者」の欄があり、会社の人などに出してもらうこともできますが、届出はあなたの名前の届出です。
いくらかかる?——手数料の記載はない
入管の2つの手続ページにも、Q&Aにも、手数料の記載はありません。郵送するなら、配達の記録が残る郵便の料金は自分で払います。オンラインなら、その郵便代もかかりません。
会社の届出と何が違う?——会社が出しても、あなたの届出は残る
転職すると、会社の側にも届出が3つあります。
- 外国人雇用状況の届出(会社→ハローワーク)——外国人を雇った・辞めたときに、すべての事業主に義務があります。雇用保険に入る人は、雇用保険の資格取得届・喪失届がこれを兼ねます。怠ると30万円以下の罰金です(厚生労働省)
- 中長期在留者の受入れに関する届出(会社→入管)——努力義務で、出さなくても刑罰はありません。ハローワークに外国人雇用状況の届出を出す会社は、出す必要がありません(入管法19条の17)
- 特定技能所属機関の届出(会社→入管)——特定技能の人を雇う会社は、契約の終了や締結を14日以内に届け出る義務があります。怠ると30万円以下の罰金です(入管法19条の18・71条の4)
3つとも、会社の義務です。あなたの所属機関に関する届出は、法律も届出者も別で、会社がどれを出しても消えません。人事の人に「会社でやっておきます」と言われたら、それが本人の届出まで含むのかを確かめてください。特定技能の人は、会社の届出に加えて在留資格の変更許可も要ります。順番は特定技能の転職の手続きにまとめています。
届出を出さなかったら?——罰金20万円以下、嘘なら拘禁刑も
入管法は罰則を2つ置いています。
- 届け出なかった:20万円以下の罰金(71条の5)
- 嘘の届出をした:1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金(71条の2)。この罪で拘禁刑になった中長期在留者は、退去強制の対象にもなります(24条4号の4)
在留資格の取消しとの関係は、分けて考えます。取消しの理由を並べた入管法22条の4第1項に、この届出を出さなかったことは入っていません。一方で、届出を出しても、仕事をしない状態が続けば取消しの対象になります。入管は届出書の記載方法で、届出を行っても一定期間活動していなければ取消しの対象になる、と書いています。届出は、取消しを防ぐ手続きではありません。
罰金より長く効くのは、次の審査です。入管のQ&Aは、届出をしないと「在留諸申請で不利になる場合もあります」と書いています。
- ビザ更新・変更のガイドラインは、8番目に「入管法に定める届出等の義務を履行していること」を挙げています
- 在留期間を5年にするかどうかの判断にも「入管法上の届出義務の履行状況」が入っています
- 永住許可のガイドラインは、公的義務の一つに「入管法に定める届出等の義務」を入れています
14日を過ぎたら?——気づいた日に出す
「14日を大きく過ぎたので、もう出さなくていいですか」という質問に、入管は「速やかに届け出ていただくようお願いします」と答えています。過ぎたから出さない、が一番悪い選び方です。何年も前の転職でも、気づいた日にオンラインで出してください。日付の欄には、実際に辞めた日・入社した日を書きます。
出さなくてよい場合もあります。在留カードを返して日本を出国し、中長期在留者でなくなった人は、届出は不要です。技能実習の人が実習を終えて、離脱から14日以内に帰国したときも、届出義務の違反にはなりません。
届出だけで足りる?——仕事の中身が変わるなら別の手続き
届出は「辞めた」「入った」を知らせるだけで、新しい仕事が在留資格に合っているかは審査されません。入管も、届出をしたことでその活動が認められたことにはならない、と書いています。
- 新しい仕事が、いまの在留資格でできる仕事なら——届出だけで、そのまま日本にいられます(Q&A Q11)。できる仕事かどうかは技人国ビザでできる仕事で確かめられます
- 合っているか不安なら——就労資格証明書で、入管に先に確かめてもらえます。証明書を申請しても、届出を出したことにはなりません
- 在留資格の範囲外の仕事に移る、特定技能で会社が変わる、高度専門職1号で会社が変わる——在留資格の変更許可が要ります。変更許可を受けた場合は、転職の届出は要りません(Q&A Q10)。変更許可の後に前の会社を辞めたときも同じです
- 転職と同じころにビザ更新をした——更新の許可を受けても、転職の届出は必要です(Q&A Q9)
終わりの判断——自分はどれか
- もう次の会社に入った——入社日から14日以内に、「契約の終了」と「新たな契約の締結」を1枚(様式1の7か1の6)で出す。今日、電子届出システムでメールアドレスを登録する。
- 辞めたが、次が決まっていない——辞めた日から14日以内に「終了(離脱)」だけ出す。今日から、応募した会社と日付をメモに残し始める。
- これから辞める——辞める前には出せないので、辞めた日から14日目の日付をカレンダーに入れておく。辞める前に、新しい仕事がいまの在留資格でできる仕事かを確かめる。
- 前の転職で出したか覚えていない——電子届出システムの履歴か、手元の控えを探す。見つからなければ、今日、実際の日付で出す。
よくある質問(FAQ)
Q. 転職したら、所属機関に関する届出は誰が出しますか?
本人が出します。入管の手続ページは届出者を「中長期在留者本人」としています。会社がハローワークに出す外国人雇用状況の届出は会社の義務で、本人の届出の代わりにはなりません。
Q. 所属機関に関する届出の期限はいつまでですか?
辞めた日、入社した日から14日以内です。入社前・退職前に出しておくことはできません。辞めた日を1日目と数えて14日目までに出せば、どの数え方でも間に合います。
Q. 所属機関に関する届出はオンラインで出せますか?
出せます。出入国在留管理庁の電子届出システムで、24時間365日受け付けています。最初にメールアドレスで利用者登録と利用申出をします。資料の添付は要りません。
Q. 所属機関に関する届出を忘れて、14日を過ぎてしまいました。
気づいた日に出してください。入管は、届出をしていないことが分かったら速やかに届け出るよう求めています。日付は実際に辞めた日・入社した日を書きます。
Q. 所属機関に関する届出を出さないと、在留資格は取り消されますか?
届出を出さないことは、入管法の取消しの理由には入っていません。ただし20万円以下の罰金の対象で、更新や永住の審査では届出の義務を果たしているかが見られます。仕事をしない状態が3か月続くと、それとは別に取消しの対象になります。
Q. 所属機関に関する届出を郵送で出すときの郵送先はどこですか?
〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目6番1号 四谷タワー14階 東京出入国在留管理局 在留調査部門 届出受付担当です。届出書と在留カードの写しを入れ、封筒に赤い字で「届出書在中」と書きます。受付の連絡は来ないので、配達の記録が残る方法で送ってください。
まとめ
所属機関に関する届出は、転職・退職したことを本人が入管に知らせる手続きです。辞めた日と入社した日から14日以内に、オンラインなら家から、資料なしで出せます。会社の手続きが全部終わっても、この届出だけは残っています。
出さなければ20万円以下の罰金の対象で、何年か後の更新や永住の審査で見られます。過ぎていたら、気づいた日に出す。次の会社が決まっていなければ、今は「終了」だけを出し、3か月の間に就職活動の記録を残す。それで、この届出で困ることはなくなります。
出典(公式):出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」/同「所属(活動)機関に関する届出」/同「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」/同「電子届出システムポータルサイト」/同「中長期在留者の受入れに関する届出」/同「出入国審査・在留審査Q&A」/同「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」/厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」/出入国管理及び難民認定法 第19条の16〜19条の18・第22条の4・第24条・第71条の2・第71条の4・第71条の5(e-Gov)。2026年9月25日に確認したものです。
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