この記事は2026年9月23日に、出入国在留管理庁の「就労資格証明書交付申請」「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」「所属(契約)機関に関する届出」「出入国審査・在留審査Q&A」「特定技能制度に関するQ&A」と、入管法19条の2・19条の16の条文(e-Gov)を本文まで開いて確かめて書いています。
先に結論
- 就労資格証明書とは、新しい勤め先の仕事が、いまの在留資格でできる仕事かどうかを、入管が証明する書類です(入管法19条の2)。
- 義務ではありません。取らなくても働けます。会社は「出さないから」という理由であなたを不利に扱えません。
- 転職した人が取る理由は、次のビザ更新で「その仕事は在留資格に合わない」と言われる危険を、先に消せることです。
- 手数料は窓口2,000円・オンライン1,600円。2026年10月1日以降のオンライン申請は決済手数料220円が加わり1,820円。会社が変わった人の審査は1〜3か月です。
- 14日以内の「所属機関の届出」は別の義務です。特定技能で会社が変わる人は、証明書ではなく在留資格の変更許可が要ります。
これが分かると、転職した直後に「届出」と「証明書」と「変更許可」のどれが自分に要るかを選べるので、2年後の更新で初めて問題を知る事故を避けられます。
転職先が決まった。前の会社では翻訳をしていて、新しい会社では営業と通訳を半分ずつ。在留カードの期限はまだ2年ある。日本人の同僚に「このビザのままで大丈夫かな」と聞くと、「会社が大丈夫って言ってたなら平気じゃない?」と返ってきます。日本人は転職で入管に行きません。だから、誰に聞いても答えは曖昧なままです。
答えを出してくれるのは入管だけです。そのための書類が、就労資格証明書です。
- 就労資格証明書とは?——新しい仕事が「いまの在留資格でできる」と入管が証明する書類
- 転職したら就労資格証明書は必要?——義務ではない。でも取る理由がある
- 就労資格証明書と所属機関の届出の違いは?——届出は14日以内の義務
- 特定技能の転職は?——就労資格証明書では足りない。変更許可が要る
- 就労資格証明書の必要書類は?——転職した人は7つ
- 就労資格証明書はどこでもらえる?——住居地の入管か、オンライン
- 就労資格証明書の手数料はいくら?——2,000円。10月1日からオンラインは1,820円
- 審査期間はどれくらい?——会社が変わった人は1〜3か月
- 範囲外の仕事だったら?——資格外活動になり、更新や在留に響く
- 終わりの判断——自分はどれか
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
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就労資格証明書とは?——新しい仕事が「いまの在留資格でできる」と入管が証明する書類
就労資格証明書は、あなたが日本で「どんな仕事ができるか」を、出入国在留管理庁が文書で証明するものです。根拠は入管法19条の2で、本人が申請したときに交付されます。英語では「Certificate of Authorized Employment」と書かれています。
在留カードには「技術・人文知識・国際業務」のような在留資格の名前しか書いてありません。その名前の中に、新しい会社での具体的な仕事が入るかどうかは、カードを見ても分かりません。就労資格証明書は、その「具体的な仕事」について入管の判断をもらう書類です。
申請書には「証明を希望する活動の内容」を書く欄があります。入管の記載例は「○○株式会社において行う海外取引における翻訳・通訳業務」。会社名と仕事の中身まで書いて、それが自分の在留資格でできるかを見てもらいます。
申請できるのは、就労できる在留資格を持つ人だけではありません。資格外活動許可を持つ留学生や、永住者・定住者のように仕事の制限がない人も対象です。ただ、いちばん使う場面は、同じ在留資格のまま会社を変えたときです。
転職したら就労資格証明書は必要?——義務ではない。でも取る理由がある
必要ではありません。入管のQ&Aは、就労資格証明書は外国人が希望する場合に交付されるもので、交付を受けていないと働けないものではないと書いています。入管法19条の2第2項は、会社が「証明書を出さない」ことを理由に不利益な扱いをすることも禁じています。
それでも転職した人が取る理由は、次の更新にあります。入管の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」は、更新の判断で見ることを並べています。その1番目が「行おうとする活動が在留資格に該当すること」。ガイドラインは、これを許可する際に必要な要件だとしています。ほかの項目のように、事情を総合して見る要素ではありません。
同じ在留資格のまま転職した人が入管に出す義務があるのは、14日以内の届出だけです。届出には資料の提出も要りません。新しい仕事が在留資格に当たるかが許可の審査として見られるのは、次の更新のときです。2年後の更新で「この仕事は在留資格に当たらない」と判断されたら、その2年間は在留資格の外の仕事をしていたことになります。過ぎた2年は、あとから直せません。
就労資格証明書は、その判断を転職したときに先にもらっておく方法です。入管のQ&A(Q36)も、在留期限が2年先で転職した人が、新しい仕事が「技術・人文知識・国際業務」の活動に入るか確かめたいなら、就労資格証明書の交付申請で証明を受けられると答えています。
申請書の「就労する期間」と「使用目的」の欄を見ると、新しい会社に出すために取る使い方も想定されています。会社から求められたときも、自分の不安を消したいときも、同じ書類です。
就労資格証明書と所属機関の届出の違いは?——届出は14日以内の義務

転職のときに入管と関わる手続は3つあります。混ざりやすいので、何のための手続かで分けます。
- 所属機関の届出——「前の会社との契約が終わった」「新しい会社と契約した」を入管に知らせる。義務です。
- 就労資格証明書——新しい仕事がいまの在留資格でできるかを、入管に証明してもらう。義務ではありません。
- 在留資格変更許可——新しい仕事に合う在留資格に変える。範囲外の仕事に移るなら、働き始める前に必要です。
届出は、技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能、介護、研究などの人が、契約の終了と新しい契約の締結から、それぞれ14日以内に出します(入管法19条の16)。電子届出システムなら24時間オンラインで出せて、資料の提出も要りません。最初の登録の手順と郵送先は、所属機関に関する届出の出し方にまとめています。就労資格証明書を申請しても、届出を出したことにはなりません。両方やります。
届出をしないと20万円以下の罰金です(入管法71条の5)。更新のガイドラインも8番目に「届出などの義務を履行していること」を挙げています。辞めたときの届出の出し方は、退職の手続きの記事に届出書の種類ごとにまとめてあります。
特定技能の転職は?——就労資格証明書では足りない。変更許可が要る
特定技能の人は、ここが違います。入管の特定技能Q&Aは、転職で受入れ機関(会社)が変わるなら、在留資格「特定技能」の変更許可申請が必要だとしています。分野が変わる場合も同じです。
就労資格証明書は「いまの在留資格のまま、その仕事ができるか」を証明する書類です。特定技能は会社が変わると、いまの在留資格のままでは新しい会社で働けません。だから証明書では代わりになりません。変更許可の標準処理期間は1〜2か月で、許可が出るまで新しい会社の仕事は始められません。
業務区分の考え方や、失業したときの3か月の数え方は、特定技能の転職の記事で手続の順番と一緒に確かめてください。
就労資格証明書の必要書類は?——転職した人は7つ

入管は、転職などで勤務先や仕事の中身が変わる(変わった)人の書類として、次の7つを挙げています。
- 就労資格証明書交付申請書(入管のサイトにPDFとExcelがあり、A4で印刷して使えます)
- 資格外活動許可書を見せる(持っている人だけ)
- 在留カードを見せる
- パスポート(または在留資格証明書)を見せる
- パスポートを見せられないときは、その理由を書いた理由書
- 身分を証する文書(取次者が出すときだけ)
- 新しい勤務先や仕事の内容の詳細が分かる書類
7番目が、転職した人だけに加わる書類です。入管のページは、具体的な書類の名前を挙げていません。新しい会社と仕事の中身が分かるものを求めているので、会社の人事に協力を頼むことになります。何を出せばよいか迷ったら、申請の前に管轄の入管か外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)で確かめてください。
申請書で書き方に迷うのは、9〜11の3つの欄です。9は「証明を希望する活動の内容」、10は「就労する期間」、11は「使用目的」。入管の記載例では、9に会社名と業務の中身、11に「○○株式会社に提出する必要があるため」と書いています。
勤務先も仕事の中身も変わっていない人は、7番目を除いた6つで申請できます。
就労資格証明書はどこでもらえる?——住居地の入管か、オンライン
申請先は、住んでいる所を管轄する地方出入国在留管理官署です。入管のQ&A(Q37)は、勤務先の所在地を管轄する入管では申請できないと書いています。会社の近くの入管ではなく、住所の入管です。窓口の受付は平日の9時〜12時と13時〜16時です。
オンラインでも申請できます。在留申請オンラインシステムを使います。本人のほか、法定代理人や、入管の承認を受けた勤務先の職員、届け出た弁護士・行政書士も申請を取り次げます。
就労資格証明書の手数料はいくら?——2,000円。10月1日からオンラインは1,820円
| 申請のしかた | いくら | 払い方 |
|---|---|---|
| 窓口 | 2,000円 | 収入印紙 |
| オンライン(2026年9月30日までに受付) | 1,600円 | 収入印紙 |
| オンライン(2026年10月1日以降に受付) | 1,600円+決済手数料220円=1,820円 | コンビニ決済か銀行決済 |
手数料は、交付されるときに払います。2026年10月1日の改定で大きく上がるのは、在留資格の変更・更新と永住許可の手数料です。就労資格証明書の額は変わりません。変わるのは、オンライン申請の払い方だけです。
10月1日以降のオンライン申請では、収入印紙が使えなくなります。クレジットカードやQRコード決済も使えません。審査が終わると、決済の案内がメールで届きます。入管は、案内は「@service-dgft.com」のアドレスからだけ送ると書いています。ほかのアドレスから手数料の支払いを求めるメールは詐欺です。リンクを開かないでください。
特定技能の変更許可や、範囲外の仕事に移るための変更許可は、就労資格証明書とは額が違います。10月1日以降の受付は、許可される在留期間に応じて窓口10,000〜75,000円です。区分ごとの額は在留手続の手数料の値上げの記事にあります。
審査期間はどれくらい?——会社が変わった人は1〜3か月
入管の標準処理期間は「当日(勤務先を変えた場合などは1か月〜3か月)」です。勤務先も仕事も変わっていない人は、その日のうちに受け取れることがあります。転職した人は、新しい仕事を審査するので時間がかかります。
入管は、申請できる人を「勤務先や活動内容が変わる(変わった)方」と書いています。転職の後だけでなく、変わる前の段階でも対象として書かれています。新しい会社との契約が決まったら、働き始めるのを待たずに申請できます。
気をつけたいのは、在留期限が近い人です。入管のQ&A(Q35)は、転職の予定があって在留期限が近いなら、仕事の種類が変わらないなら更新、変わるなら変更を、どちらも期限までに申請するように答えています。更新の審査で新しい仕事も見てもらえるので、1〜3か月かかる証明書を待つ必要はありません。更新の出し方と書類はビザ更新の記事で確かめてください。
範囲外の仕事だったら?——資格外活動になり、更新や在留に響く
在留資格の活動に入らない仕事で給料をもらうことは、入管法19条1項で禁じられています(資格外活動)。違反すると、1年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金などの罰則があります(入管法73条)。在留資格の活動をしないで別の活動をしている状態は、在留資格の取消しの理由の一つにもなります(入管法22条の4第1項第5号)。
これは「知らなかった」では済みません。会社が「大丈夫」と言っても、判断するのは入管です。更新で在留資格該当性が認められなければ、許可は出ません。更新が不許可になったときは、そこから再申請か出国かを選ぶことになります。
証明書の申請や、会社との話の中で範囲外だと分かったら、新しい仕事を始める前に在留資格の変更を申請します。入管のQ&A(Q67)も、仕事が在留資格に当たらない場合は、当たる在留資格に変えるか、資格外活動許可を受ける必要があるとしています。
終わりの判断——自分はどれか
- 同じ種類の仕事で会社だけ変わった(技術・人文知識・国際業務など)——今日、電子届出システムで「契約の終了」と「新たな契約の締結」を届け出る。仕事の中身に少しでも迷いがあるなら、新しい会社の人事に仕事内容が分かる書類を頼み、住所の入管に就労資格証明書を申請する。
- 仕事の中身が大きく変わる——働き始める前に、今日、新しい会社に仕事内容を書いた書類を頼む。在留資格の範囲か分からなければ証明書で、範囲外だと分かれば変更許可で、入管の判断をもらう。
- 特定技能で会社が変わる——証明書ではなく変更許可申請。今日、新しい会社と申請の書類の準備を始め、許可が出るまで新しい会社では働かない。
- 在留期限が3か月以内に来る——証明書は取らずに、今日、更新(仕事が変わるなら変更)の書類をそろえ始め、期限までに申請する。
よくある質問(FAQ)
Q. 就労資格証明書とは何ですか?
あなたがいまの在留資格でどんな仕事ができるかを、出入国在留管理庁が証明する書類です。入管法19条の2に基づき、本人が申請したときに交付されます。転職した人が、新しい仕事がいまの在留資格でできるかを確かめるときによく使います。
Q. 転職したら就労資格証明書は必ず取らないといけませんか?
義務ではありません。入管は、交付を受けていないと働けないものではないとしています。ただ、次の更新では仕事が在留資格に当たることが許可の要件なので、転職のときに先に確かめておく意味があります。
Q. 就労資格証明書の手数料はいくらですか?
窓口は2,000円(収入印紙)、オンラインは1,600円です。2026年10月1日以降に受け付けたオンライン申請は、決済手数料220円が加わって1,820円になり、コンビニ決済か銀行決済で払います。
Q. 就労資格証明書はどこで申請しますか?
住んでいる所を管轄する地方出入国在留管理官署か、オンラインで申請します。勤務先の所在地を管轄する入管では申請できません。
Q. 審査にどれくらいかかりますか?
勤務先を変えた場合などは1〜3か月です。勤務先も仕事も変わっていなければ、当日に受け取れることがあります。在留期限が近いなら、証明書ではなく期限までに更新か変更を申請してください。
Q. 特定技能の人も就労資格証明書で転職できますか?
できません。特定技能は、会社(受入れ機関)や分野が変わるなら在留資格の変更許可申請が必要です。許可が出るまで新しい会社では働けません。
まとめ
就労資格証明書は、新しい仕事がいまの在留資格でできるかを入管が証明する書類です。義務ではなく、取らなくても働けます。それでも、次の更新では仕事が在留資格に当たることが許可の要件です。転職したときに先に入管の判断をもらっておけば、2年後に初めて問題を知ることはありません。
手数料は窓口2,000円、オンライン1,600円で、10月1日以降のオンラインは1,820円。申請先は住所の入管で、会社が変わった人の審査は1〜3か月です。証明書を取っても、14日以内の届出は別に必要です。特定技能で会社が変わる人は、証明書ではなく変更許可を受けてください。
出典(公式):出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」/同「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」/同「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」/同「所属(契約)機関に関する届出」/同「出入国審査・在留審査Q&A」/同「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」/同「特定技能制度に関するQ&A」/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」。2026年9月23日に確認したものです。申請の前に、管轄の入管で最新の案内を確かめてください。
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