外国人は日本で老後を過ごせる?2026|老後のビザは無い・残れる3つの道

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外国人の老後のアイキャッチ。杖をついた人と家のマーク、「老後のビザ 無し 残れるのは永住など 年金は10年が線」の札。 守る力
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この記事は2026年10月16日に、出入国在留管理庁、法務省告示(特定活動)、e-Gov法令検索、日本年金機構、総務省統計局の公式ページで確かめました。

日本で働いて12年になります。いまの在留資格は仕事にひもづいています。ある晩、同僚に「定年になったら国に帰るの?」と聞かれました。そもそも残れるのかどうか、知らないことに気づきます。

この記事の結論(Summary)

  • 日本に「老後のビザ」はありません。老後を日本で過ごすには、仕事にひもづかない在留資格が要ります。
  • すでに日本で暮らしている人にとって、現実の道は永住です。日本人・永住者の配偶者や定住者も、仕事の条件がありません。
  • 「ロングステイ」(特定活動)は、預貯金3,000万円以上・ビザ免除の約70の国と地域の人が、最長1年いられる資格です。ネパール、スリランカ、ベトナム、中国、フィリピン、インドは対象外です。
  • 就労ビザは、仕事をやめたあとは続きません。3か月以上その活動をしないと、取消しの理由になります。
  • 日本の年金は10年払うともらえます。10年未満なら脱退一時金で受け取れますが、10年を超えると受け取れません。
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これが分かると、40代・50代のうちに、どの在留資格を目指すか、日本の年金を払い続けるかを決められます。65歳になってから知るのでは遅いからです。

日本に老後のビザはありますか?

ここでいう老後のビザとは、仕事をやめたあとも日本に住み続けられる在留資格のことです。

ありません。日本の在留資格は、活動(働く・学ぶ)にひもづくものか、身分(永住者・配偶者・定住者)にひもづくものです。「引退した人」という在留資格はありません。

いちばん近いのは、観光や保養のために最長1年いられる特定活動です。英語の記事では「ロングステイビザ」と呼ばれます。1年で終わるので、日本で老後を過ごす道にはなりません。

「2026年に老後のビザができる」という見出しを見かけることがあります。2026年10月16日の時点で、政府の資料は見つかりませんでした。できたときは、出入国在留管理庁の在留資格のページに載ります。

仕事をやめても日本に残れる資格の図。永住者は活動の条件がなく残れる。配偶者・定住者も活動の制限がなく残れるが、更新のたびに審査がある。就労ビザは3か月以上活動しないと取消しの理由になり、残れない。ロングステイは預貯金3,000万円以上でビザ免除の国の人だけ、最長1年。

ロングステイ(特定活動)は、預貯金3,000万円とビザ免除の国籍

条件は法務省の告示(第40号)に書いてあります。全部を満たす必要があります。

条件 中身
年齢 18歳以上
国籍 短期の訪問にビザが要らない国・地域で、告示の一覧にあるもの(約70。アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ブラジル、台湾、香港など)
預貯金 本人と配偶者の合計で3,000万円以上。配偶者も同じ資格で申請するなら6,000万円以上
保険 滞在中の死亡・けが・病気をカバーする民間の保険
期間 最長1年。働くことはできません

つまずきやすい点が2つあります。1つ目は国の一覧です。ネパール、スリランカ、ベトナム、中国、フィリピン、インドは入っていません。これらの国籍の人は、この資格をそもそも使えません。

2つ目は健康保険です。この資格の人は、法令で国民健康保険の対象から外されています。申請で民間の保険を求められるのはそのためです。入っていなければ、病院の費用は全額自分で払うことになります。

申請には、預金の残高と過去6か月の入出金が分かる資料が要ります。出典:出入国在留管理庁「特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在者及びその配偶者)」、法務省告示(特定活動)(PDF)。

仕事をやめても、就労ビザのまま残れますか?

残れません。技術・人文知識・国際業務のような就労ビザは、仕事のためにある資格です。仕事が終われば、その資格の理由もなくなります。

そのときにかかるルールは2つです。契約が終わったことを、14日以内に入管へ届け出ます。そして、正当な理由なく3か月以上その活動をしないことは、入管法で取消しの理由になっています。

届出の出し方は所属機関に関する届出の記事で順番に説明しています。就労ビザのまま引退する道はありません。決め手は、仕事をやめる前にどの資格を持っているかです。

永住が、老後を日本で過ごす本命の道

永住者には、活動の条件がありません。仕事をやめても、貯金や年金で暮らせます。いま日本で働いている人にとって、永住が大事なのはこのためです。

通常の要件は、原則10年以上続けて日本にいて、そのうち就労か居住の資格で5年以上です。安定した収入と、税金・年金・健康保険を払っていることも見られます。全部の要件と2027年4月から変わることは永住権の記事にまとめています。

老後に向けて1つ注意があります。2027年から、税金や社会保険料をわざと払わないと、永住が取り消されることがあります。少ない年金で暮らすときも、住民税と健康保険は払い続けるか、分割や減免の手続きを取ってください。詳しくは永住権の取り消しの記事にあります。

配偶者や定住者も、仕事の条件はありません

日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者も、活動に制限がありません。これらの資格でも、仕事をやめることはできます。

永住との違いは更新です。これらの資格には期間があり、更新のたびに入管があなたの状況を見直します。更新の書類や、離婚したあとの扱いは定住者ビザの記事で説明しています。

日本の年金は「10年」ですべてが決まる

老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上ある人に、65歳から払われます。2017年7月までは25年が必要でした。いまは10年です。

10年でいくらもらえるのでしょうか。40年払ったときの満額は、2026年度で年847,300円です。10年はその4分の1で、年約211,800円、月にすると約17,650円です。会社で入っていた厚生年金があれば、その分が上乗せされます。

日本の年金の10年の線の図。10年未満なら帰国後2年以内に脱退一時金を請求できる。10年以上なら65歳から年金をもらい、脱退一時金は受け取れない。ちょうど10年払った基礎年金は2026年度で年約211,800円(満額847,300円×120か月÷480か月)。

10年の線は、お金を引き出せるかどうかも決めます。脱退一時金は、10年に届いていない人が日本を離れたときだけのものです。10年を超えると、脱退一時金はもう受け取れません。代わりに年金を待つことになります。条件と金額は脱退一時金の記事にあります。

出典:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」、日本年金機構「脱退一時金は、どのような人が請求できますか。」

日本の老後には、いくらかかりますか?

総務省統計局の家計調査(2025年)に、65歳以上で仕事をしていない世帯の1か月の数字があります。

世帯(65歳以上・無職) 1か月の支出 1か月の収入
一人暮らし 148,445円 131,456円
夫婦 263,979円 254,395円
老後の1か月の支出と10年分の年金を比べた棒グラフ。65歳以上・一人暮らし・無職の世帯は、支出が月148,445円、収入の平均が月131,456円(家計調査2025)。10年分の基礎年金は月約17,650円。差は厚生年金・貯金・家族で埋め、家を借りるなら家賃も足す。

一人暮らしの行を、10年分の基礎年金と比べてみてください。月約17,650円に対して、支出は148,445円です。差は、厚生年金や貯金や家族で埋めることになります。この調査の多くは日本人の世帯で、持ち家の人も多くいます。家を借りているなら、家賃を足して考えてください。

出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年 参考4」(PDF)

あなたはどれですか?

  • 日本で働いていて、老後も残りたい人。仕事と収入があるうちに永住を目指します。今日やること:日本にいる年数と、足りない要件を確かめる。
  • 日本の年金を10年未満しか払っておらず、帰国する予定の人。日本を離れてから2年以内なら、脱退一時金を請求できます。今日やること:日本を離れる日を書き留めておく。
  • 10年に近い人。超える前に決めてください。10年を超えると脱退一時金はなくなり、65歳から年金をもらう側になります。今日やること:ねんきんネットか年金事務所で、自分の記録を確かめる。
  • 海外に住んでいて、預貯金3,000万円以上とビザ免除の旅券がある人。ロングステイで最長1年いられます。民間の保険が要ります。長い休みであって、老後の住まいにはなりません。

よくある質問(FAQ)

Q. 日本に老後のビザはありますか。

ありません。いちばん近いのは最長1年の特定活動(ロングステイ)で、預貯金3,000万円以上と、告示の一覧にあるビザ免除の国の旅券が必要です。

Q. 就労ビザのまま引退できますか。

できません。就労ビザは仕事にひもづいています。正当な理由なく3か月以上その活動をしないと、取消しの理由になります。

Q. 永住者は日本で老後を過ごせますか。

過ごせます。永住には活動の条件がありません。ただし2027年から、税金や社会保険料をわざと払わないと取り消されることがあるので、払い続けてください。

Q. 日本の年金は何年払えばもらえますか。

受給資格期間が10年あればもらえます。ちょうど10年払った場合、2026年度の額で基礎年金は年約211,800円です。

Q. ロングステイで国民健康保険に入れますか。

入れません。法令で対象から外されているので、民間の保険が必要です。

まとめ

日本に老後のビザはありません。すでに日本で暮らしている人が仕事をやめて残れる資格は、永住、配偶者、定住者です。ロングステイは、ビザ免除の国のお金のある人向けの、1年までの資格です。日本の年金は10年払うともらえ、同じ10年の線で脱退一時金の権利がなくなります。どの道を選ぶかは、65歳ではなく、10年に届く前に決めてください。

出典(公式):出入国在留管理庁「特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在者及びその配偶者)」/法務省告示(特定活動)第40号・第41号・別表第九(PDF)/国民健康保険法施行規則 第1条(e-Gov)/日本年金機構「老齢基礎年金」/総務省統計局「家計調査年報2025」

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