在留資格の取消し2026|2025年は1,446件・9割は「3か月の無活動」

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在留資格の取消し9割は本来の活動なしの記事のアイキャッチ。困った顔の人と砂時計・在留カードのアイコン、「2025年の取消し 1,446」の札 守る力
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この記事は2026年10月11日に、出入国在留管理庁の制度解説ページと報道発表、在留審査Q&A(Q77)、入管法22条の4の条文(e-Gov)を本文まで開いて確かめました。件数は2025年(令和7年)の確定値です。

先に結論

  • 在留資格の取消しは、2025年に1,446件。過去最高です。技能実習が67%、留学が24%。
  • 9割は「何もしていない」が理由です。本来の活動を3か月以上していない(69%)、本来の活動をせず別のことをしている(24%)。
  • どの理由も「正当な理由がある場合を除く」。就職活動の記録、入院して休学したときの診断書——動いている記録が理由になります。
  • 取り消される前に、必ず意見を聴かれます。意見を述べ、証拠を出し、資料を見る権利があります。
  • 取り消されても、多くは30日以内の自主出国。偽りで入国した場合だけ、直ちに退去強制です。
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これが分かると、9割の取消しが「3か月何もしていない」だと分かり、就活や入院の記録を残すことが守りになります。

会話の場面のイラスト。左の人「取消しになるのはどんな理由ですか」、右の人「9割は「何もしていない」が理由です」。

学校をやめた。会社を辞めて次が決まらない。「このままだとビザが取り消されるのでは」と不安になる人は多い。だが、何が理由で、どう決まり、その前に何ができるかを知っている人は少ない。入管庁の数字を見ると、取消しの9割は「動いていなかった」ことが理由です。逆に言えば、動いていれば守れます。

在留資格の取消しとは何ですか?——偽りで入国したか、本来の活動をしていない人の資格を消す制度です

在留資格の取消しとは、偽りその他不正の手段で上陸許可などを受けた場合や、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合に、法務大臣がその人の在留資格を取り消す制度です(入管法22条の4)。

理由は法律に10個列挙されています。大きく3つの群に分かれます。

  • 入国のときの偽り——(1)(2) 不正な手段で上陸許可を受けた、(3) 虚偽の書類を出した(故意がなくても該当)、(4) 不正で在留特別許可を受けた
  • 本来の活動をしていない——(5) 本来の活動をせず、別の活動をしている/(6) 本来の活動を継続して3か月以上していない/(7) 配偶者としての活動を6か月以上していない
  • 住居地の届出——(8) 新規上陸や変更から90日以内に住居地を届け出ない/(9) 引っ越して90日以内に新住居地を届け出ない/(10) 虚偽の住居地を届け出た

(5)〜(9)には全部、「正当な理由がある場合を除く」が付いています。ここが、この制度でいちばん大事な言葉です。

2027年4月1日からは、「永住者」の在留資格を取り消せる事由として、「入管法に規定する義務を遵守せず、又は故意に公租公課の支払をしない場合」と「一定の刑罰法令に違反し拘禁刑に処せられた場合」の2つが加わります(出入国在留管理庁「在留資格の取消し」の「永住者の在留資格の取消しについて」)。中身と守りは永住が取り消されるのはどんなときかにまとめました。

在留資格の取消しの理由は入管法22条の4に10個あり、3つの群に分かれる。入国のときの偽り:(1)(2)不正な手段で上陸許可を受けた、(3)虚偽の書類を出した(故意がなくても)、(4)不正で在留特別許可を受けた。本来の活動をしていない:(5)本来の活動をせず別の活動をしている、(6)本来の活動を継続して3か月以上していない、(7)配偶者としての活動を6か月以上していない。住居地の届出:(8)上陸・変更から90日以内に住居地を届け出ない、(9)引っ越して90日以内に新住居地を届け出ない、(10)虚偽の住居地を届け出た。(5)から(9)の5つには「正当な理由がある場合を除く」が付いていて、これがこの制度でいちばん大事な言葉。

実際、何が理由で取り消されていますか?——9割は「3か月の無活動」と「別の活動」です

仕事を辞めた。在留カードの期限はまだ先なので、次のことはしばらく休んでから考える。あなたの国では、許可の期限が残っていれば、それで困らないのかもしれません。日本では、在留資格に合った活動を3か月続けてしていないと、期限の前でも在留資格を取り消されることがあります。実際に取り消された理由でいちばん多いのが、これです。

2025年の在留資格取消件数1,446件(過去最高)の理由別の横棒グラフ。第6号の本来の活動を3か月以上していないが999件(69.1%)、第5号の本来の活動をせず別の活動をしているが350件(24.2%)、第2号の偽りの入国が48件(3.3%)。在留資格別は技能実習973件(67.3%)、留学343件(23.7%)、技術・人文知識・国際業務63件(4.4%)。第5号と第6号はどちらも「正当な理由がある場合を除く」。

入管庁が2026年3月27日に発表した2025年の数字です(出入国在留管理庁「令和7年の『在留資格取消件数』について」)。

  • 取消件数 1,446件。前年より262件(22.1%)増えて、過去最高
  • 理由別:(6) 3か月以上の無活動 999件(69.1%)、(5) 別の活動 350件(24.2%)、(2) 偽りの入国 48件(3.3%)
  • 在留資格別:技能実習 973件(67.3%)、留学 343件(23.7%)、技術・人文知識・国際業務 63件(4.4%)
  • 国籍別:ベトナム 947件(65.5%)、インドネシア 94件、スリランカ 91件

つまり、取消しのほとんどは「嘘をついた人」ではなく、「学校に行かなくなった学生」「実習先からいなくなった実習生」「仕事を失って3か月何もしなかった人」です。留学生の343件は、多くが在籍していない・出席していない状態が続いたケースと読めます。

「3か月」はどう数えますか?——正当な理由があれば、3か月を過ぎても取り消されません

(6)の条文は「当該在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行わないで在留していること(正当な理由がある場合を除く)」です。

ポイントは2つ。

  • 「継続して」——3か月ずっと、です。途中で活動を再開すれば、数え直しです
  • 「正当な理由がある場合を除く」——理由があれば、3か月を超えても取消しの対象になりません。入管庁が「取消しを行わない具体例」を公開しているのは、配偶者としての活動と住居地の届出の2つだけです(取消しのページの末尾)。(6)については、在留審査Q&AのQ77に、正当な理由にあたる場合がある例が4つ載っています

Q77の例は、仕事を辞めたあと、会社訪問などの具体的な就職活動をしている、病気の治療で長く入院し、やむを得ず休学していて、退院後に復学するつもりでいる(休学したらビザはどうなるかは別にまとめています)、通っていた学校が閉校し、別の学校に入る手続を進めている、専門学校を卒業して日本の大学への入学が決まっている、の4つです。どれも「対象とならない場合がある」という書き方で、最後は一人ひとりの事情で判断されます。共通するのは「記録がある」こと。ハローワークの受付票、応募のメール、面接の日付、休学届の控え、診断書。何もしていない3か月と、記録のある3か月は、法律上まったく別のものです。

入管法22条の4第6号の3か月の数え方。何もしていない状態が続くと、3か月を越えたところから取消しの対象になる。途中で活動を再開すれば0から数え直し。就職活動や入院での休学など記録がある場合は正当な理由として、3か月を過ぎても対象にならない場合がある。記録とは、ハローワークの受付票、応募のメール、面接の日付、休学届の控え、診断書。同じ3か月でも、記録があるかどうかで法律上は別のもの。

留学生の場合、学校をやめたら「留学」の活動はその時点で止まります。次の学校への進学か、就労への在留資格変更か、帰国か——3か月の間に、どれかを動かしてください。

在留資格の取消しの数字と条件(早見表)

項目 内容
2025年の取消件数 1,446件。前年より262件(22.1%)増え、過去最高(入管庁・2026年3月27日発表)
在留資格別 技能実習 973件(67.3%)、留学 343件(23.7%)、技術・人文知識・国際業務 63件(4.4%)
理由別 (6) 3か月以上の無活動 999件(69.1%)、(5) 別の活動 350件(24.2%)、(2) 偽りの入国 48件(3.3%)
3か月の線 在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行わないで在留していること。ただし正当な理由がある場合を除く(入管法22条の4第1項第6号)
正当な理由の例 退職後に会社訪問など具体的な就職活動をしている/病気の長期入院でやむを得ず休学していて復学する意思がある/通っていた学校が閉校し別の学校に入る手続中/専門学校を卒業して日本の大学への入学が決まっている(入管庁Q&A Q77。いずれも対象とならない場合がある、という書き方)
配偶者の在留資格 配偶者としての活動を6か月以上行わないことも取消し事由(第7号)
住居地の届出 新規上陸や変更から90日以内、または引っ越しから90日以内に届け出ないと取消し事由。市区町村への転入届が入管への届出を兼ねる
取消しの前 入国審査官が本人から意見を聴取する。本人は意見を述べ、証拠を提出し、資料の閲覧を求められる
取り消されたあと (3)〜(10)は30日を上限に出国のために必要な期間が指定され、自分で出国する。(1)(2)の偽りの入国と、(5)で逃亡のおそれがある場合は直ちに退去強制。期間内に出国しなければ退去強制の対象
永住者(2027年4月1日から) 入管法の義務を守らない・故意に公租公課を払わない場合と、一定の刑罰法令に違反して拘禁刑に処せられた場合が、取消し事由に加わる
相談先 外国人在留総合インフォメーションセンター 0570-013904

取り消されるまでに、何が起きますか?——必ず「意見の聴取」があります

在留資格が取り消されるまでの流れ。1、意見の聴取:入国審査官が本人から聴き、本人は意見を述べ、証拠を出し、資料の閲覧を求められる。2、取消し:3号から10号は30日を上限に出国の期間が指定され、その期間内に自分で出国する。1号と2号は直ちに退去強制。5号で逃亡のおそれがあれば直ちに退去強制。3、期間内に出国しないと退去強制の対象、刑事罰の対象になり、退去強制になると上陸拒否期間がつく。通知は無視せず、聴取に出て正当な理由の証拠を持っていき、一人で行かない。

入管庁のページは、はっきり書いています(出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」)。取消しをしようとするときは、入国審査官が本人から意見を聴取する。本人は意見を述べ、証拠を提出し、資料の閲覧を求めることができる。

つまり、ある日突然カードが無効になるわけではありません。通知が来て、話す場が設けられ、そこで証拠を出せる。この場に出ないこと、証拠を持っていかないことが、いちばんの損です。

取り消されたらどうなりますか?——多くは30日以内の自主出国です

  • (1)(2) 偽りで入国した場合:直ちに退去強制の対象になります
  • (3)〜(10):30日を上限に「出国のために必要な期間」が指定され、その期間内に自分で出国します。ただし(5)で逃亡のおそれがあると認められれば、直ちに退去強制です
  • 指定された期間内に出国しなかった場合:退去強制の対象になり、刑事罰の対象にもなります

自主出国と退去強制は、その後が違います。退去強制になると上陸拒否期間がつき、日本に戻る道が長く閉じます。取り消されてしまったなら、期間内に出ることが、次に日本へ来る可能性を残す唯一の方法です。

通知が来たら、何をしますか?

  1. 無視しない。意見聴取の日に出席します。出なければ、あなたの側の事情は記録に残りません。
  2. 正当な理由の証拠を集める。学校の在籍証明・休学届・出席の記録、ハローワークの受付票、応募と面接の記録、診断書、会社の倒産や解雇の通知。
  3. 一人で行かない。外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)で相談できます。弁護士か行政書士に頼めるなら、意見聴取に同行してもらえます。費用が心配なら、法テラスの多言語窓口など外国語で使える無料の相談窓口から始めてください。
  4. 今からでも動く。通知が来てから就職活動を始めても、記録は記録です。動いた日付が残ります。

終わりの判断——取消しを心配すべき人、しなくていい人

学校に通い、または働いていて、住居地の届出をしている人は、心配しなくてかまいません。取消しは「本来の活動をしていない」人の制度です。

学校をやめた人、失業して2か月を過ぎた人は、今日動いてください。3か月の線は近い。次の学校、就職活動、在留資格の変更、帰国——どれでもいい、記録の残る一手を打つ。

引っ越したのに住居地を届けていない人は、今週中に市区町村へ。(9)の90日は、それだけで取消し理由になります。転入届を出せば入管への届出を兼ねます(出入国在留管理庁「住居地の変更届出(中長期在留者)」)。

配偶者の在留資格には、この記事の理由とは別に「配偶者としての活動を6か月以上していない」という取消し事由があります。配偶者ビザと離婚に書きました。

よくある質問(FAQ)

Q. 在留資格が取り消されるのは、どんなときですか?

偽りで入国した場合と、本来の活動をしていない場合です。2025年の取消し1,446件のうち、69%が「本来の活動を3か月以上していない」、24%が「本来の活動をせず別の活動をしている」でした。

Q. 仕事を辞めて3か月たったら、自動的に取り消されますか?

自動ではありません。「正当な理由がある場合を除く」と法律にあり、具体的な就職活動をしていると認められれば、取消しの対象とならない場合があると入管は例示しています。取消しの前には必ず意見の聴取があります。

Q. 学校をやめました。留学の在留資格はどうなりますか?

やめた時点で「留学」の活動は止まっています。3か月以内に次の学校、就労への変更、帰国のどれかを動かしてください。何もしないまま3か月が過ぎると、取消しの対象になります。

Q. 取り消されたら、すぐ強制送還ですか?

偽りで入国した場合以外は、30日を上限とする出国期間が指定され、自分で出国します。その期間内に出なければ退去強制と刑事罰の対象です。

Q. 意見の聴取には何を持っていけばいいですか?

正当な理由の証拠です。在籍証明・休学届・出席記録、ハローワークの受付票、応募や面接の記録、診断書、解雇や倒産の通知。できれば弁護士か行政書士に同行してもらってください。

Q. 住居地の届出を忘れていました。取り消されますか?

新規上陸・変更から90日以内、または引っ越しから90日以内に届け出ないと取消し理由になります。気づいた今、市区町村で転入届を出してください。遅れた理由があれば、それも伝えます。

まとめ

在留資格の取消しは2025年に1,446件、過去最高。9割は「3か月の無活動」か「別の活動」です。嘘をついた人の制度ではなく、動きが止まった人の制度です。

どの理由も「正当な理由がある場合を除く」。取消しの前には必ず意見の聴取がある。記録を残し、通知が来たら出席し、一人で行かない。取り消されても、期間内に自分で出国すれば、次の道は残ります。

出典(公式):出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」/同「令和7年の『在留資格取消件数』について」(2026年3月27日)/出入国管理及び難民認定法(e-Gov)第22条の4(いずれも2026年10月11日に確認)/同「外国人在留総合インフォメーションセンター等」/同「住居地の変更届出(中長期在留者)」/同「出入国審査・在留審査Q&A」Q77(正当な理由の例)(2026年10月11日確認)

この記事を書いた人

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mori

日本人。省庁の告示・通達・Q&Aを原典のまま読み、在日ネパール・スリランカの友人から実際に聞いた困りごとを出発点にしています。確かめていないことは書きません。

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