最終更新:2026年7月(2026年5月の制度改正に対応)
この記事の結論(Summary)
- 母国から持ってきた薬が、日本では違法なことがあります。とくにプソイドエフェドリン入りのかぜ薬は、処方箋があっても持ち込めません。
- 2026年5月から、市販のかぜ薬・せき止めの買い方が変わりました。18歳未満は小容量を1箱だけ。身分証の提示を求められます。
- 18歳以上でも、まとめ買いは理由を聞かれ、断られることがあります。ネット購入は全年代でビデオ通話による確認が必要です。
- 日本の市販薬は母国のものより効き目が穏やかなことが多いです。「効かない」と思って量を増やすのは危険です。
- 市販薬は1,000〜2,000円。国民健康保険があれば病院は3割負担なので、長引くときは病院のほうが安く確実です。
「市販薬(しはんやく)」とは、処方箋(しょほうせん)がなくても、ドラッグストアなどで自分で買える薬のことです。これに対して、病院で医師に出してもらう薬を「処方薬」といいます。
まず注意:持ってきた薬が違法かもしれません
日本には、他の国では普通に売っている成分でも、持ち込みが禁止されている薬があります。いちばん多いのが、かぜ薬や鼻炎薬に入っている「プソイドエフェドリン」です。処方箋を持っていても持ち込めません。

ここで覚えておいてほしいのは、プソイドエフェドリンは「日本で規制されている成分」だから持ち込めないということです。この成分は、次に説明する2026年5月の新ルールでも規制の対象になっています。持ち込みの話と、日本で買うときの話は、同じ成分でつながっています。
2026年5月から、かぜ薬の買い方が変わりました
2026年5月1日に薬機法が改正され、「指定濫用防止医薬品」という制度ができました。かぜ薬・せき止め・解熱鎮痛剤・アレルギー薬のうち、指定された8つの成分を含むものは、買い方に制限がかかります。
背景は、若い人の市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)が社会問題になったことです。あなたを疑っているわけではありませんが、ルールは全員に同じように適用されます。

外国人にとって、この制度で実際に困るのは次の2つです。
- 身分証を出す場面が増えます:日本語学校に通う18歳・19歳の人は、まさに対象です。レジで在留カードを見せることになりますが、これは差別ではなく全員に同じルールです。落ち着いて出してください
- ネット購入のビデオ通話は日本語です:症状や使う目的を口頭で説明する必要があります。日本語に不安があるなら、店舗で買うほうがかえって簡単です。指をさして症状を伝えられるからです
日本の市販薬は「効かない」のではなく、穏やかです
日本の市販薬は、海外のものと比べて成分の量が控えめなことが多いです。母国の薬に慣れていると「効かない」と感じますが、量を増やして飲むのは絶対にやめてください。
効き目が穏やかなのは、安全側に設計されているからです。効かないと感じたら、量を増やすのではなく病院へ行ってください。それが結果的にいちばん早く治ります。
薬局(やっきょく)とドラッグストアの違い
薬を買える場所は2種類あります。処方箋を出す場所と、自分で選んで買う場所です。
| ドラッグストア | 薬局(やっきょく) | |
|---|---|---|
| 買えるもの | 市販薬・日用品・食品 | 処方薬が中心(市販薬もある) |
| 処方箋 | いらない | 病院でもらった処方箋を出す |
| いる人 | 登録販売者または薬剤師 | 薬剤師 |
| 使う場面 | 軽いかぜ・頭痛・胃薬 | 病院で診てもらったあと |
店員から症状・年齢・アレルギー・いま飲んでいる薬・車を運転するかを聞かれることがあります。これは断るための質問ではなく、あなたに合わない薬を売らないための確認です。正直に答えてください。
薬局で済ますか、病院へ行くか
市販薬は1,000〜2,000円ほど。国民健康保険に入っていれば、病院の窓口負担は3割です。長引くときや症状が重いときは、病院のほうが安く、確実に治ります。

病院のかかり方や、何科へ行けばいいかは病院のかかり方の記事で説明しています。保険証をまだ持っていない人は、先に国民健康保険の手続きを済ませてください。保険がないと同じ診察が3倍以上になります。
この記事は制度の説明であり、医学的な助言ではありません。薬を選ぶときは薬剤師に、体調が心配なときは医師に相談してください。参考(公式):厚生労働省
よくある質問(FAQ)
Q. 母国のかぜ薬を持ってきてもいいですか?
ふつうの市販薬なら2か月分まで持ち込めます。ただしプソイドエフェドリンを含むもの(Sudafed、Actifed、Vicks吸入器など)は、処方箋があっても持ち込めません。持っている薬の成分を出発前に確認してください。
Q. 18歳未満だと、かぜ薬は買えないのですか?
買えます。ただし2026年5月からは、小容量(5〜7日分)を1箱だけです。身分証で年齢と氏名を確認され、他の店で買っていないかも聞かれます。全員に同じルールが適用されます。
Q. 日本語が話せなくても薬を買えますか?
買えます。症状を書いたメモを見せる、体の痛い場所を指さす、翻訳アプリの画面を見せる、のどれでも通じます。ネット購入はビデオ通話で日本語の説明が必要になるので、店舗のほうが簡単です。
Q. 日本の薬が効きません。量を増やしてもいいですか?
絶対にやめてください。日本の市販薬は安全側に成分量が抑えられているため、母国の薬に慣れていると弱く感じます。効かないときは量を増やすのではなく、病院へ行ってください。
Q. 市販薬と病院、どちらが安いですか?
市販薬は1回1,000〜2,000円ですが、効かずに買い足すと高くつきます。国民健康保険があれば病院は3割負担なので、3日以上続くなら病院のほうが安く確実です。
まとめ
- プソイドエフェドリン入りのかぜ薬は、処方箋があっても持ち込めません
- 処方薬を1か月分より多く持ち込むなら輸入確認書を2週間前までに
- 2026年5月から18歳未満は小容量1箱のみ。身分証の提示が必要です
- ネット購入は全年代でビデオ通話(日本語)。日本語が不安なら店舗が簡単
- 日本の薬は穏やか。効かないときは量を増やさず病院へ
- 3日以上続くなら病院。国保があれば3割負担で、結局は安く済みます
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