この記事は2026年9月30日に、文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」と国籍・在留資格の要件表、日本学生支援機構(JASSO)の申込資格、国立大学の授業料の省令、東京大学・大阪大学・神戸大学・早稲田大学・立命館大学・立命館アジア太平洋大学(APU)の公式案内で確かめて書いています。
先に結論
- 授業料減免とは、学費を払うのが難しい学生の授業料を、学校が全額または一部免除する仕組みです。国の制度と、学校独自の制度の2つがあります。
- 在留資格が「留学」の人は、国の「高等教育の修学支援新制度」の対象外です。文部科学省の要件表で「×」になっています。
- 国立大学には、大学独自の授業料免除があります。東京大学・大阪大学は留学生も申請でき、審査は家計と成績、結果は全額か半額などです。ただし神戸大学では、経済的な理由での免除は大学院生だけです。
- 私立は学校ごとにまったく違います。早稲田大学は年間授業料の50%、APUは入学前の選考だけ、立命館大学は今の制度が2026年度で終わります。
- 授業料を先に払うと、申請できなくなる大学があります。後期分の締切は東京大学が10月6日(消印有効)、大阪大学が10月5日(登録)です。
これが分かると、授業料を振り込む前に、自分の学校で申請できる制度と締切をつかめるので、半額か全額が戻らなくなる事故を避けられます。国の無償化が使えない理由も分かるので、申し込めない制度に時間を使わずに済みます。
後期の授業料の振込用紙が届きました。日本人の友達は「修学支援新制度で授業料がタダになった」と言います。同じ申込書をもらおうとすると、学校の人は首をふります。友達に理由を聞いても、分かりません。友達は、自分が申し込めた理由を考えたことがないからです。
分かれ目は、国籍ではなく在留資格でした。そして留学生のための道は、別の場所に用意されています。
- 留学生は授業料減免を受けられる?——国の制度は対象外、学校独自の減免が道
- 国立大学の授業料免除は留学生も申請できる?——東大・阪大はできる。神戸大の学部は経済的理由では不可
- 私立大学の留学生の授業料減免は?——早稲田・APU・立命館で形が違う
- 授業料減免の条件は?——家計・成績・年限、学校によっては出席
- いつ・どうやって申請する?——後期分は8〜10月、毎年やり直し
- 授業料を先に払ったら?——免除を申請できなくなる
- いくら安くなる?——国立の標準額なら半額で年267,900円
- ルールを破ったら?——免除の取消しと、ビザの書類との照合
- 免除がだめだったら・締切に間に合わなかったら?——猶予・分納と奨学金
- 終わりの判断——自分はどれか
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
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留学生は授業料減免を受けられる?——国の制度は対象外、学校独自の減免が道
受けられる可能性はあります。ただし、日本人の友達と同じ制度ではありません。
国の「高等教育の修学支援新制度」は、授業料・入学金の免除または減額と、返さなくてよい給付型奨学金を組み合わせた制度です。2020年4月に始まりました。
文部科学省の国籍・在留資格に関する要件表(PDF)では、「留学」の在留資格の人は申込みが「×」です。同じ表に、「留学」の人は留学生向けの支援制度を受けられる、という注記があります。
申込みの窓口になる日本学生支援機構(JASSO)の申込資格も同じです。外国籍の人が申し込めるのは、次の4つだけです。
- 法定特別永住者
- 「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」
- 「定住者」で、将来永住する意思がある人
- 「家族滞在」で、日本の小学校・中学校・高校を卒業しているなどの条件に当たり、日本に定着して働く意思がある人
日本人の友達が申し込めたのは、この表の上の側にいたからです。あなたの道は、学校が独自に用意している減免と、留学生向けの奨学金です。

国立大学の授業料免除は留学生も申請できる?——東大・阪大はできる。神戸大の学部は経済的理由では不可
国立大学の授業料には、文部科学省の省令が決めた標準額があります。学部で年535,800円です。同じ省令は、経済的な理由で払うのが難しい人のために、授業料の全部か一部の免除や、支払いの猶予をするよう国立大学に求めています。だから国立大学は、それぞれ独自の免除制度を持っています。
ただ、誰が申請できるかは大学ごとに違います。3つの大学の2026年度後期の案内を並べます。
- 東京大学:留学生は「東大独自の学費免除」に申請します。家計と成績で審査し、予算の範囲で全額か半額が免除されます。学部生も大学院生も対象です。
- 大阪大学:大学独自の制度は、原則として修学支援新制度を使えない人のためのもので、外国人留学生がはっきり名前を挙げられています。結果は全額・半額、または一部の額の免除です。
- 神戸大学:経済的な理由での免除は「大学院生のみ」です。学部の留学生が申請できるのは、家計を支える人が亡くなったときと、災害にあったときに限られます(留学生の場合、家計を支える人が国外に住んでいるときは除かれます)。
同じ国立大学でも、学部の留学生にとっては答えが逆になることがあります。「国立だから申請できるはず」と思い込まず、自分の大学の免除ページで、留学生と学部・大学院の区分を先に確かめてください。

私立大学の留学生の授業料減免は?——早稲田・APU・立命館で形が違う
私立大学には、国の省令のような共通の標準がありません。減免があるか、いくらか、いつ申し込むか。どれも学校が決めます。
- 早稲田大学:「私費外国人留学生授業料減免奨学金」は、年間授業料の50%を秋学期の学費から減らします。対象は、成績が優秀で経済的に修学が難しい、「留学」の在留資格の私費留学生です。2026年度の締切は、情報生産システム研究科の案内で5月15日16時でした。
- 立命館アジア太平洋大学(APU):学部の減免は100%・80%・65%・50%・30%の5段階です。選考は入学前で、入学後には申請できません。毎学期、成績などの継続審査があります。
- 立命館大学:今の「私費外国人留学生授業料減免制度」は2026年度で終わります。2027年度以降は未定です。
APUのように入学前にしか申し込めない学校では、入ってから知っても間に合いません。これから出願する人は、出願書類と一緒に減免の申請欄を探してください。
専門学校と日本語学校の制度は、この記事では確かめていません。通っている人は、事務室で「留学生の授業料減免はありますか。締切はいつですか」と聞くのがいちばん早いです。

授業料減免の条件は?——家計・成績・年限、学校によっては出席
ここで例に挙げた4大学(東京大学・大阪大学・神戸大学の大学院・早稲田大学)の条件は、3つの点で重なっています。
- 家計:経済的な理由で授業料を払うのが難しいこと。東京大学は、収入から控除などを引いて計算する「家計基準」で判定します。
- 成績:学業が優秀であること。大阪大学は学力も考慮しますが、基準は公開していません。東京大学も、基準は学部・研究科ごとで、公開していない場合があるとしています。
- 在籍の年限:特別な理由なく標準修業年限を超えていないこと。
学校によっては、ほかの条件もあります。早稲田大学は、出席日数から見て学業を続ける意思がないと認められる人を対象から外しています。国費外国人留学生と、外国政府から派遣されている留学生は、大阪大学・神戸大学・早稲田大学で対象外です。

数え方で損をしやすい3つ
- 基準日:東京大学と大阪大学は、前期は4月1日、後期は10月1日の時点の家族・家計で審査します。東京大学は、申請の後、基準日までに家族の就職や退職などがあったら連絡するよう求めています。
- 年限には休学も入る:神戸大学は、在籍期間を「入学してからの期間(休学を含む)」と数えます。休学した人は、思ったより早く年限を超えます。
- 奨学金は収入に数える:東京大学は、留学生の授業料免除に限り、その年度にもらう予定の奨学金も所得に入れて計算します。奨学金が決まったら、申請の後でも連絡してください。
いつ・どうやって申請する?——後期分は8〜10月、毎年やり直し
東京大学・大阪大学・神戸大学は、授業料を前期と後期に分けて審査し、免除の申請も年2回あります。東京大学の前期分は2月13日〜4月3日、後期分は8月3日〜10月6日でした。2026年度後期の締切を並べると、次のとおりです。
| 大学 | 2026年度後期の締切 |
|---|---|
| 東京大学 | 10月6日(消印有効・その2営業日後までに必着。窓口は本郷17時・駒場16時まで) |
| 大阪大学 | システム登録 10月5日16時30分、書類提出 10月7日16時30分(日本時間) |
| 神戸大学 | 9月1日〜9月17日(郵送のみ・受付は終了) |
3大学とも、締切を過ぎた申請は原則として受け付けていません(神戸大学は、最終日に急な病気や事故があった場合に、期間内に連絡して診断書などを出す例外を設けています)。東京大学は、前期を逃しても後期分だけ申請できるとしています。申請は東京大学で「当年度限り有効」、神戸大学で「各期の都度」です。一度通っても、次の年はまた申請します。

手順と必要書類
- 大学の免除ページで、その期の「申請要項」や「しおり」を読む(英語版がある大学もあります)
- 申請システムがある大学は登録する(大阪大学)
- 書類をそろえて、郵送か窓口で出す
- 結果が出るまで待つ。東京大学は1月中旬、大阪大学は1月29日(予定)、神戸大学は1月以降(予定)に後期分の結果を出します
東京大学の留学生の書類は、申請書、学生証のコピー、本人の収入に関する申立書、家計状況調書、課税(非課税)証明書、所得の証明書類などです。日本に家族がいる人は住民票も出します。2026年1月1日にまだ日本に住んでいなかった人は、課税証明書が出ないので、代わりに在留カードの写しを出します。日本語と英語以外の書類には和訳を付けますが、自分で訳したものでかまいません。
大阪大学では、私費外国人留学生は申請書に「経費支弁能力を証明したにも関わらず免除申請する理由」を書きます。入国の前に、学費と生活費を払えると証明しているからです。仕送りが止まった、家族が仕事を失った、など、何が変わったのかを具体的に書いてください。
授業料を先に払ったら?——免除を申請できなくなる
振込用紙が届いたら、期限までにまず払う。払えなかった分は、後から相談する。あなたの国では、それが普通かもしれません。大阪大学と神戸大学の免除は、順番が逆です。
大阪大学は「既に授業料を納入済みの方は申請できません」、神戸大学も「既に当該年度または当該期の授業料を納付した」人を対象外としています。一方で、申請した人は結果が出るまで払わなくてかまいません。東京大学は結果通知(1月中旬)まで支払いを猶予し、神戸大学は「結果が判明するまでは、授業料の納付は不要」と書いています。
免除を申請するつもりなら、払う前に申請してください。口座振替の大学では、申請すると引き落としが止まるかどうかも、免除担当に確かめておくと安心です。

いくら安くなる?——国立の標準額なら半額で年267,900円
国立大学の学部の標準額、年535,800円で計算すると、半額免除なら残りは年267,900円、全額免除なら0円です。前期と後期で分けて審査されるので、実際にはそれぞれの期の授業料が全額か半額になります。
ただし、実際の授業料は大学ごとに違います。省令は、特別な事情があれば標準額の120%まで上げることを認めています。さらに「留学」の在留資格の留学生の授業料は、国立大学が標準額とは別に決められます。自分の大学の、留学生向けの授業料を学費のページで見てから計算してください。
私立では、早稲田大学が年間授業料の50%、APUが30%から100%です。授業料以外の実験実習料などは、早稲田大学の減免の対象になりません。

ルールを破ったら?——免除の取消しと、ビザの書類との照合
書類の内容が事実と違えば、許可の後でも取り消されます。神戸大学は、記載に虚偽があれば免除許可後でも取消しになる場合があるとしています。早稲田大学も、条件に当たらなくなったときなどに採用を取り消し、返還を求めることがあるとしています。
大阪大学は、家計の書類に疑問があれば、在留資格認定証明書(COE)を申請したときに大学へ出した経費支弁の書類を確認することがある、と書いています。入国のときに書いた「払えるお金」と、免除の申請で書く「払えない理由」は、同じ大学の中で並べて読まれます。変わった事情を、証明できる書類と一緒に正直に書いてください。
免除がだめだったら・締切に間に合わなかったら?——猶予・分納と奨学金
免除が不許可でも、支払いを遅らせたり分けたりする道があります。東京大学には、後期分を2月末まで遅らせる「延納」と、月割りで払う「分納」があります。ただし申請期限は免除と同じで、過ぎると使えません。大阪大学は、授業料について「免除」「収納猶予」「分納」のうち1つしか申請できません。どれを選ぶかは、申請の前に決めます。
学費の穴を埋めるもう一つの道は、返さなくてよい奨学金です。国の修学支援新制度は使えませんが、留学生向けには留学生向けの奨学金があります。東京大学では奨学金が免除の審査で収入に数えられるので、両方に出すときは、決まった時点で免除担当に知らせてください。
いちばん最後の手が休学です。休学すると在留資格とアルバイトにも影響するので、決める前に休学したときのビザの扱いを確かめてください。
終わりの判断——自分はどれか
- 国立大学に通っていて、後期の授業料をまだ払っていない——今日、大学の免除ページを開き、留学生が申請できるかと締切を確かめる。東京大学は10月6日の消印、大阪大学は10月5日16時30分の登録が締切。
- 振込用紙が手元にあって、払うか迷っている——払う前に、免除担当に「申請すれば結果まで待てますか」とメールで聞く。
- 私立大学・専門学校・日本語学校に通っている——今日、事務室に「留学生の授業料減免はありますか。締切はいつですか」と聞き、答えをメモする。
- これから日本の大学に出願する——出願書類の中に減免の申請欄があるか探す。APUのように入学前にしか申請できない学校がある。
- 免除が不許可だった、締切を過ぎた——延納・分納ができるか、留学生向けの奨学金の募集がいつかを、今週中に学生課で聞く。
よくある質問(FAQ)
Q. 留学生は修学支援新制度(大学無償化)を使えますか?
在留資格が「留学」の人は使えません。文部科学省の要件表で申込みが「×」で、JASSOの申込資格も永住者などに限られます。代わりに、学校独自の減免や留学生向けの奨学金を使えます。
Q. 国立大学の授業料免除は、留学生も申請できますか?
多くの場合、大学独自の制度に申請します。東京大学と大阪大学は留学生も申請でき、全額か半額など(大阪大学は一部の額もある)が免除されます。神戸大学は、経済的な理由での免除は大学院生だけです(2026年度後期)。
Q. 授業料免除の条件は何ですか?
確かめた大学に共通するのは、経済的に払うのが難しいこと、成績が優秀なこと、標準修業年限を超えていないことです。早稲田大学は出席日数も見ます。国費留学生と外国政府派遣の留学生は対象外です。
Q. 授業料免除はいつ申請しますか?
前期分と後期分で年2回ある大学が多いです。東京大学は前期分が2月13日〜4月3日、後期分が8月3日〜10月6日でした。申請はその年度だけ有効なので、毎年やり直します。
Q. 授業料を払ってから免除を申請できますか?
大阪大学と神戸大学では、納付済みの人は申請できません。東京大学と神戸大学では、申請した人は結果が出るまで払わなくてかまいません。払う前に申請してください。
Q. 私立大学の留学生向けの授業料減免はありますか?
学校ごとに違います。早稲田大学は年間授業料の50%、APUは入学前の選考で30%から100%、立命館大学は今の制度が2026年度で終わり、2027年度以降は未定です。
まとめ
日本人の友達が使う修学支援新制度は、「留学」の在留資格では申し込めません。留学生の道は、学校が独自に用意している授業料減免と、留学生向けの奨学金です。国立大学は独自の免除を持っていますが、神戸大学のように学部の留学生を経済的理由の対象にしない大学もあります。私立は、制度の有無も割合も時期も学校ごとです。
どの学校でも、条件は家計・成績・年限が重なり、申請は期ごと・年ごとのやり直しです。そして国立大学では、先に払うと申請できなくなります。振込用紙が届いたら、払う前に、自分の学校の免除ページで締切を確かめてください。
出典(公式):文部科学省「高等教育の修学支援新制度」/同「新制度における国籍・在留資格に関する要件」(PDF)/日本学生支援機構「進学後(在学採用)の給付奨学金の申込資格」/e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」/東京大学「2026年度入学料・授業料免除 留学生用ページ」/同「2026年度 学費免除申請のしおり」/同「学費免除申請に関するFAQ 留学生用ページ」/大阪大学「大阪大学授業料免除等制度」/同「2026年度入学料・授業料免除等申請要項(後期)」/神戸大学「学部在学生(授業料免除)」/同「2026年度後期 授業料免除申請のしおり」(PDF)/早稲田大学「2026年度 早稲田大学私費外国人留学生授業料減免奨学金」/立命館大学「奨学金|外国人留学生向け情報」/立命館アジア太平洋大学「APU Tuition Reduction Scholarship for International Students (Undergraduate)」(いずれも2026年9月30日確認)。制度と締切は毎期変わります。申請の前に、必ず自分の学校の最新の要項を読んでください。
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