最近、日本では「家賃が上がる」というトラブルの相談が増えています。
📌 翻訳ページもありますが、N2〜N3レベルの文章にしてあります。日本語の勉強にもなるので、日本語でも読んでみてください。翻訳ページを先に読んでから日本語ページを読むと、日本語の勉強にもなると思います。
「大家さんから突然、家賃を上げると言われた…」
「納得できないけど、拒否したら追い出されるかも…」
そんな不安を抱く留学生も多いかもしれません。
でも安心してください。日本の法律では、賃借人(家を借りる人)はとても強く守られています。家賃の値上げは、大家さんが一方的に決められるものではなく、必ず入居者の合意が必要です。
この記事では、
- 家賃引き上げトラブルの現状
- なぜ家賃が高くなっているのか
- 値上げ通知を拒否できる理由
- 留学生が知っておくべき対応ポイント
をわかりやすく解説します。
正しい知識を持てば、余計な不安やトラブルを避けることができます。
1. 家賃引き上げトラブルが増えている現状
最近、日本で「家賃の値上げをめぐるトラブル相談」が増えています。国民生活センターなどの相談窓口には、次のような事例が寄せられています。
- 「大家さんから家賃を1万円上げると言われたけど、断れなかった」
- 「値上げ通知が届いたけど、どう対応したらいいかわからない」
- 「納得できないけど、追い出されるのが怖くて承諾した」
実際のデータを見ても、この問題は年々増えています。
- 2020年度:326件
- 2024年度:662件(約2倍)
- 2025年度(4〜6月の3か月間):193件 → 前年を上回るペース
数字だけを見れば「まだ件数は少ない」と思うかもしれません。ですが、短期間で相談件数が倍増していることから、今後ますますトラブルが増えていく可能性が高いといえます。
特に、外国人留学生の方は「日本語が苦手」「契約書の仕組みに詳しくない」といった理由から、不利な立場になりやすく注意が必要です。
2. なぜ家賃が高くなっているのか
家賃引き上げトラブルが増えている背景には、日本全体で家賃相場が上がっているという事情があります。
家賃が上がる主な理由
- 地価の上昇 都心や人気エリアでは土地の価格が上がり、その結果、オーナー(大家さん)の固定資産税や維持コストが増えています。
- 建築費や人件費の高騰 新築マンションやアパートを建てる費用が高くなり、その分を家賃に転嫁せざるを得なくなっています。
- 都市部での需要増加 東京や大阪といった大都市では、若い世代や外国人労働者・留学生が集中し、空室率が下がっています。需要が高ければ、家賃も自然と上がる仕組みです。
トレンドとしての家賃上昇
これらの要因が重なり、新築物件の家賃はどんどん高くなっています。さらに、新築が高いと中古や既存の物件も「つられて値上げされる」という流れが起きます。
そのため、オーナーが「周りの相場に合わせたい」と考えて値上げ通知を出すケースが増えているのです。
👉 この流れはすぐには止まりません。つまり、家賃引き上げのトラブルは今後もしばらく続く可能性が高いのです。
3. 家賃値上げは拒否できるのか?
ここが一番大事なポイントです。
結論から言うと、ほとんどのケースで一方的な家賃値上げは拒否できます。
普通借家契約のルール
多くの人が結んでいるのは「普通借家契約」という賃貸契約です。この場合、家賃を変更するには大家さんと入居者、双方の合意が必要です。
つまり、大家さんが勝手に
👤「来月から家賃を1万円上げます」
と言っても、あなたが
👨「納得できません」
と答えれば、その値上げは成立しません。
法律による保護
この仕組みを支えているのが 「借地借家法」 という法律です。
弁護士のコメントでも紹介されていますが、賃借人(入居者)は「住まいを守るために手厚く保護されている」立場にあります。
要するに:
- 大家さんの一方的な都合で追い出されることはない
- 値上げに納得できなければ、今までの家賃を払い続ければ大丈夫
ということです。
大事な心構え
- 「法律で守られている」という自覚を持つこと
- 慌ててサインをしないこと(値上げ通知書などに署名するのは危険)
- 合意しなければ値上げは成立しない
この3つを覚えておけば、大家さんからの急な値上げ通知に不安になる必要はありません。
4. 家賃値上げ通知を受け取ったときの対処法
実際に大家さんから「家賃を上げます」という通知を受け取ったとき、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、外国人留学生でも安心して行動できるように、具体的なステップを紹介します。
ステップ① すぐにサインや返事をしない
通知や書類をもらっても、その場でサインをしたり、口頭でOKを伝えたりしないことが大切です。サインしてしまうと「合意した」とみなされ、あとから覆すのが難しくなります。
ステップ② 契約内容を確認する
自分が結んでいる契約が 「普通借家契約」 か 「定期借家契約」 かを確認しましょう。
- 普通借家契約 → 一方的な値上げはできない
- 定期借家契約 → 契約更新時に値上げされる可能性がある
ステップ③ 今までどおりの家賃を払い続ける
値上げに納得できない場合は、今までの家賃を払い続けてOKです。大家さんが「払わないなら退去してください」と言っても、法律で守られているので強制退去はできません。
ステップ④ 証拠を残す
大家さんや管理会社とのやり取りは、できるだけ メールなど記録が残る形 で行いましょう。電話や口頭だけだと「言った・言わない」のトラブルになりやすいです。
ステップ⑤ 不安なら専門機関に相談
日本には、入居者を守るための相談窓口があります。
- 市区町村の「消費生活センター」
- 法テラス(日本司法支援センター)
相談は無料で受けられることが多いので、トラブルになりそうなときは必ず利用してください。
5. 値上げに応じるべきケースもある?
ここまで「家賃値上げは断れる」という話をしてきましたが、すべてのケースで拒否するのが正しいわけではありません。ときには、値上げを受け入れる方が安心して暮らせる場合もあります。
ケース① 大家さんの理由が合理的な場合
例えば、建物の老朽化を防ぐために大規模修繕が必要だったり、地域全体の家賃相場が大きく上がっていたりする場合。大家さんも長く物件を維持していくために、ある程度の値上げをお願いすることがあります。
ケース② 住み心地が良く、引っ越したくない場合
いま住んでいる物件に不満がなく、周辺環境や通学の利便性が非常に良い場合は、多少の値上げを受け入れることで 安定して暮らせる安心感 が得られます。
ケース③ 新しい家に引っ越すより安い場合
引っ越しには敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し代など、大きな費用がかかります。結果的に、値上げを受け入れた方がコストが安く済むことも少なくありません。
ケース④ 双方が合意すれば成立する
法律では、家賃値上げは「双方の合意」がなければ成立しません。つまり、自分が納得してOKを出すなら、それで問題なしということです。
6. まとめ
家賃の値上げ通知は、不安を感じる人が多いですが、知識を持っていれば必要以上に怖がる必要はありません。
この記事のポイントを整理すると:
- 家賃値上げトラブルは増加中 ただし、法律で入居者は手厚く守られている。
- 一方的な値上げ通知は拒否できる 「普通借家契約」の場合、大家さんと入居者双方の合意がなければ成立しない。
- 拒否しても追い出されることはない 今まで通りの家賃を払い続ければ、退去を強制されることはない。
- 値上げに応じるのも選択肢のひとつ 納得できる理由があったり、引っ越し費用よりも安い場合は受け入れても良い。
外国人留学生にとって、住まいは生活の基盤です。トラブルに巻き込まれないためには、「自分は法律で守られている」という安心感を持つことが大切です。
もし納得できない値上げ通知を受け取ったら、焦らず断りましょう。そして、どうしても不安なときは、学校の留学生課や市役所、消費生活センターに相談することをおすすめします。
📌 翻訳ページもありますが、N2〜N3レベルの文章にしてあります。日本語の勉強にもなるので、日本語でも読んでみてください。翻訳ページを先に読んでから日本語ページを読むと、日本語の勉強にもなると思います。
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