この記事は2026年10月9日に、日本学生支援機構(JASSO)の「外国人留学生のための就活ガイド2027」、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」と外国人雇用管理の指針、東京労働局の資料、株式会社キャリタスの企業調査(2025年12月調査)の本文で確かめて書いています。
先に結論
- ESの3つの定番の設問は、どれも「結論→具体→仕事への生かし方」の順で書きます。志望動機と自己PRは、学生時代に力を入れたことと並ぶ定番です。字数は、制限文字数の90〜100%を目安にします(JASSO)。
- 面接は2回以上が一般的で、種類は3つあります。グループディスカッション(4〜6人)、グループ面接(2〜6人)、個人面接です。
- JASSOが想定質問に並べる6問のうち、後ろの3つは、日本に留学した理由、日本で働きたい期間、ほかに選考が進んでいる会社です。留学生に向けた質問と読めます。答えの例は載っていないので、自分の事実で作ります。
- 在留資格は、「配慮すべき14事項」に入っていません。会社は採用の前に、その仕事が在留資格で認められるかを確かめることになっています。
- 14事項は、本籍・出生地、家族、宗教、支持政党などです。聞かれたら、いつ・誰が・何と聞いたかをメモして、学校かハローワークに伝えます。その場でどう答えると合否にどう響くかは、公式の資料に書かれていません。
これが分かると、ESと面接で「何を書くか」と「何を聞かれても驚かないか」を、公式の資料の線で準備できます。書き直しと不安のどちらも、終わりを決められます。
ESの提出日が来週に迫っている。志望動機は書けた。そのあと友だちから「面接では在留カードを見せろと言われるし、国のことも聞かれるよ」と聞いて、何がふつうで何がおかしいのか、分からなくなる。日本の就活は、書く順番と、聞いてよいことの線が、どちらも決まっています。
ES(エントリーシート)とは、会社が応募者の特性を知るために出させる書類で、基本情報と作文を組み合わせた形が一般的です。JASSOの「外国人留学生のための就活ガイド2027」は、書式や内容は会社ごとに違うと書いています。敬語やメールの書き方は就活の敬語の記事に、履歴書の欄は外国人の履歴書の記事に任せて、この記事は「中身」だけを扱います。
ESには何を書く?——3つの設問は「結論→具体→生かし方」で組む
JASSOのガイドは、作文で一般に聞かれる項目として「志望動機」「自己PR」、ESでは「学生時代に力を入れたこと」を挙げています(冊子47〜48ページ)。
あなたの国では、就職の書類に「学生時代に力を入れたこと」という欄はないかもしれません。日本の新卒の就活では定番の設問で、成績ではなく、何をどう頑張って何を得たかを聞く欄です。

3つの設問で、組み立ては同じ形です。
- 志望動機:なぜその会社に惹かれたのかを結論として書き、次に具体的な理由(エピソードがあれば書く)、最後に自分がどう貢献できるかを書きます。ガイドは、熱意だけでなく、その仕事に必要なスキルを持っているか、どんな強みで貢献できるかを明確に書くよう求めています。
- 自己PR:アピールしたい点を1つに絞って結論に置きます。次にエピソードで具体的に説明し、最後に、それを仕事にどう生かせるかを書きます。
- 学生時代に力を入れたこと:力を入れたことを1つ書き、どのように取り組んだかをエピソードで書き、その結果、何を得て、どう成長したかを書きます。数字で表せる成果があれば、数字で書きます。
3つに共通するのは、最後が「仕事」や「得たもの」で終わることです。日本語の文章力で迷うときは、この順番の骨だけ先に3行で書いてから、文に直します。
字数はどれくらい埋める?——制限の90〜100%
ESの作文は、200字、400字、800字などと文字数が決まっていることが多く、JASSOは、制限文字数の90〜100%の文字量で書くことが求められる、と書いています(冊子43ページ)。400字なら、360字から400字の間です。
白紙の欄に絵や写真を自由に並べる形式のESも増えている、とガイドは書いています。この形式は、会社が即戦力を見たい意図で選んでいる、とガイドは推測しています。書式を見て驚いたときは、その会社の募集ページで提出の方法を先に確かめます。
面接は何回?どんな種類がある?
日本の面接は、2回以上行われるのが一般的です。JASSOのガイドは、その理由を、応募者の性格や考え方を、いろいろな立場の人に見てもらうためだと書いています(冊子54ページ)。オンラインで行う会社もあります。

種類は、一般的に3つです。
- グループディスカッション:4〜6人で1つのグループになり、会社が出したテーマを話し合います。面接官は、集団のなかで個人がどう振る舞うかを見ます。ディベートではないので、グループで協力して結論を出す形です。
- グループ面接:応募者が2〜6人で、面接官がESや履歴書をもとに質問し、順番に答えます。1人の持ち時間が短いので、自己PRは1分程度で話せるように準備する、とガイドは書いています。
- 個人面接:1人にじっくり時間をかけます。最初はESや履歴書の内容について聞かれ、そのあと、その内容を詳しく知るための質問が続きます。
どの面接を何回するかは、会社によって違います。ガイドも「企業により異なる」と添えています。
留学生は面接で何を聞かれる?——JASSOが挙げる3問
JASSOのガイドは、面接で想定される質問を6つ挙げています(冊子58ページ)。そのうち後ろの3つは、日本への留学や日本での就労を尋ねる内容で、留学生に向けた質問と読めます。

- 日本に留学した理由(日本の企業に就職したい理由)を教えてください。
- 日本でどれぐらいの期間、就労したいと考えていますか。
- 現在選考が進んでいる会社はありますか。
前の3つの質問(その会社の商品を使ったことがあるか、希望と違う部署に配属されたらどうするか、会社や仕事に期待すること)は、留学の話に触れない質問で、留学生以外にも当てはまる内容です。
ガイドが書いているのは質問の一覧と、答え方の心がまえだけで、答えの例はありません。1つだけ、はっきり書いてあります。面接官はESや履歴書を見ながら質問するので、書いた内容と違う回答をしないよう、面接の前にESを読み返しておくことです。1問目はESの志望動機と、同じ話の続きになります。
2問目の「何年」には、公式に示された正解の年数がありません。自分の計画を、そのまま言葉にするしかない質問です。3問目は、事実のとおりに答える質問です。ほかの会社の名前や結果を、どう話すと合否にどう響くかは、ガイドも他の公式資料も書いていません。
面接の言語についても、数字があります。株式会社キャリタスの企業調査(2025年12月調査・回答487社)では、外国人留学生の面接を「すべて日本語で実施している」企業が87.7%でした。留学生に求める資質の1位も「日本語力」で、文系55.6%、理系51.5%です(3つまで選ぶ質問)。JASSOのガイドも、人事・採用担当者の声として「質問された内容をきちんと理解して、日本語で回答できるようにしましょう」と書いています(冊子58ページ)。
在留資格を聞かれるのはおかしい?——14事項には入っていない
あなたの国では、面接で身分証のような書類を見せる場面は少ないかもしれません。日本では、外国人を採用する会社に、確かめる役目があります。
厚生労働省の指針(「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」)は、事業主が外国人を採用するとき、あらかじめ、その人が採用後にする仕事を、在留資格のうえで認められる人であることを確認するとしています。認められない人は採用してはならない、とも書いています(指針の第四の一の2)。雇い入れるときの確認の方法として、在留カードの提示を求めると、同じ指針の第五が示しています。
だから、在留資格や在留期間は、仕事のために確かめられることです。次に出てくる14事項には入っていません。反対に、本籍・出生地や家族のことは、仕事の適性・能力と関係がない事項として、14事項に入っています。

ここで言えるのは、「14事項に入っているかどうか」までです。在留資格の聞き方によっては、あなたの出身国や家族に話が広がることもあります。そのときの個々の質問が14事項のどれに当たるかは、次の節の表と照らして確かめます。
「配慮すべき14事項」とは?——聞かれたらどうする
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」は、応募者の適性・能力と関係のない事項を、応募用紙に書かせたり、面接で尋ねたりして把握することは、就職差別につながるおそれがあるとして、14の事項を挙げています。企業に向けた呼びかけで、応募者が守る規則ではありません。

分け方は、本人に責任のない事項が4つ、本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)が7つ、採用選考の方法が3つです。本籍・出生地では、戸籍謄本や本籍が載った住民票を出させることも当たると、注意書きがあります。家族のことは、職業・続柄・健康・病歴・学歴・収入・資産などが含まれます。ESや履歴書に、こうした欄があるときも、同じ見方ができます。履歴書の欄は、外国人の履歴書の記事が詳しいです。
14事項を面接で聞かれたら、順番はこうです。

- 聞かれたことを、14事項の表と照らします。
- いつ、誰が、何と聞いたかを、その日のうちにメモします。
- 学校のキャリアセンターか、ハローワークに伝えます。
- 報告を受けた労働局が、会社に事実を確かめて、是正の指導をします。
東京労働局のページは、学生や学校等から「本人の適性と能力に関係のない項目がESにあった」「面接で質問された」といった報告があれば、東京新卒応援ハローワークの特別相談窓口で把握して、東京労働局(ハローワーク)が事業所に事実確認と是正指導を行う、と書いています。会社を直すのは、あなたではなく労働局の役目です。ちなみに、同じページは、職業安定法に違反した場合は改善命令が出ることがあり、命令に違反すると罰則もある、とも書いています。
確かめられなかったことがあります。その場で、答えるべきか、断ってよいか、答えたことが合否にどう響くかです。厚生労働省の資料にも、JASSOのガイドにも、書かれていません。この記事も、答え方の「正解」は示しません。迷ったときは、学校のキャリアセンターか、外国人向けのハローワークに、その場の状況を話して相談してください。
転職の面接は、新卒と何が違う?——確かめられたのは在留資格の側だけ
技人国などで働いていて、転職する人の場合です。JASSOのガイドは新卒の留学生向けで、転職の面接で聞かれる質問を整理した公式の資料は、この記事では確認できませんでした。ここで書けるのは、在留資格の側で確かめられたことだけです。
- 14事項は、新卒にだけ向けた表ではありません。厚生労働省のページは、応募者の適性・能力に基づいた選考を求める基本として書かれていて、応募用紙の注意も「その他の求職者」の項に含まれています。
- 会社は、新しい仕事が、いまの在留資格で認められる仕事かを、採用の前に確かめることになっています(上の指針)。同じ在留資格のままの転職でも、範囲の外の仕事なら採用できません。
- 転職の手続は、3つに分かれます。契約が終わった・新しく結んだことを入管に知らせる届出は、14日以内に出します(入管法19条の16・入管庁の届出のページ)。就労資格証明書は、入管法19条の2で「交付することができる」とされた文書で、入管庁のページでは、交付を受けようとするときに申請するとされています。同じ条文は、雇う側が、その人の働ける活動が明らかな場合に、この証明書を示さないことを理由に不利に扱うことを禁じています。在留資格の範囲に入らない仕事は、許可を受けずに行ってはならず(19条)、その仕事に移るときの在留資格の変更は、入管法20条が「受けることができる」と定めています(入管法の条文)。
就労資格証明書の取り方や、届出の出し方は、就労資格証明書の記事が書類と手数料まで確かめています。面接の最後に「在留資格は大丈夫ですか」と聞かれたときも、この3つの区別が、答えの土台になります。
終わりの判断——自分はどれか
- これからESを書く新卒の留学生——今日、志望動機の「結論の一文」だけを書く。書いたあとの「やめどき」は、字数が制限の90〜100%に入り、3つの設問それぞれで「結論→具体→生かし方(得たもの)」の順が揃った時点。そこで直すのをやめて、提出日を決める。
- ESを出して、面接を待っている——今日、提出したESのコピーを読み返し、「日本に留学した理由」「日本で働きたい期間」「選考が進んでいる会社」への答えを、1〜2文ずつメモする。ESと食い違っていないかだけを確かめて、増やさない。
- 面接や応募書類で14事項を聞かれた——その日のうちに、いつ・誰が・何と聞いたかをメモして、学校のキャリアセンターかハローワークに伝える。その場の答え方で悩み続けない。
- 内定が出た、または転職先が決まった——新卒の留学生は、留学ビザから就労ビザへの記事で在留資格の変更を確かめる。転職の人は、新しい仕事が同じ在留資格の範囲か確かめ、契約から14日以内の届出の日付を手帳に書く。
よくある質問(FAQ)
Q. ESの字数は、どれくらい埋めればよいですか?
制限文字数の90〜100%が目安です。JASSOのガイドが、200字・400字・800字などと決まっていることが多いと書いたうえで、90〜100%の文字量で書くことが求められる、と書いています。
Q. 面接は何回ありますか?
2回以上が一般的です。種類は、グループディスカッション、グループ面接、個人面接の3つが代表的で、どれを何回するかは会社によって違います(JASSO)。
Q. 留学生は面接で何を聞かれますか?
JASSOのガイドが挙げる想定質問のうち、6つのうち後ろに並ぶのは「日本に留学した理由(日本の企業に就職したい理由)」「日本でどれぐらいの期間、就労したいか」「現在選考が進んでいる会社はあるか」の3つです。留学や日本での就労に直接触れるのは前の2つで、留学生に向けた質問と読めます。答えの例は載っていません。ESに書いた内容と違う回答をしないよう、面接の前にESを読み返すことが書かれています。
Q. 面接で在留資格を聞かれるのは問題ですか?
在留資格は、厚生労働省の「配慮すべき14事項」に入っていません。会社には、採用の前に、その仕事が在留資格で認められるかを確認することが、指針で求められています。ただし、本籍・出生地や家族のことは14事項に入っています。
Q. 本籍や家族のことを聞かれたら、どうすればよいですか?
いつ・誰が・何と聞いたかをメモして、学校のキャリアセンターかハローワークに伝えます。報告を受けた労働局が、会社に事実確認と是正の指導をします。その場の答え方が合否にどう響くかは、公式の資料に書かれていません。
Q. 転職の面接でも、14事項は同じですか?
14事項は、応募者の適性・能力に基づく選考の基本として書かれていて、新卒だけの表ではありません。転職の面接で聞かれる質問を整理した公式の資料は、確認できませんでした。
まとめ
ESは、志望動機・自己PR・学生時代に力を入れたことのどれも、結論→具体→仕事への生かし方(得たもの)の順で書き、字数は制限の90〜100%に入れます。面接は2回以上が一般的で、留学生は、日本に留学した理由、日本で働きたい期間、ほかに選考が進んでいる会社の3つを聞かれやすいです。答えの例は公式にないので、自分の事実とESに合わせて作ります。
在留資格は、会社が採用のために確かめることで、14事項には入っていません。本籍・出生地や家族、宗教、支持政党などの14事項を聞かれたら、メモして、学校かハローワークに伝えます。その場の答え方が合否にどう響くかは、公式の資料にないので、断定しません。ESを出して、面接の準備をして、聞かれたことは記録する。そこで、準備は終わりにしてください。
出典(公式・原典):出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」/同「所属(契約)機関に関する届出」/出入国管理及び難民認定法(e-Gov法令検索)/日本学生支援機構「外国人留学生のための就活ガイド2027」(冊子43・47・48・54・55・58ページ)/厚生労働省「公正な採用選考の基本」/東京労働局「公正な採用選考を行うために」/厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」/株式会社キャリタス「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」(2025年12月調査)。2026年10月9日に確認したものです。制度や資料は、次の改訂で変わることがあります。
あわせて読みたい
ほかのことを探していますか
この記事の図は、出典としてリンクを付ければ、商用でも自由に使えます。図の使い方

